シダーウッドという精油(アロマオイル)は、やさしいウッド系のなかにフローラル系を感じる香りが特徴的で、男性からも女性からも人気ですよね。森林浴をしているような気分になれる、ウッディ系の精油の代表的な存在がシダーウッド。
それだけに、高いリラックス効果が得られることから愛されています。でも、「そもそもシダーウッドってどんなもの?」「シダーウッドの成分って?」と聞かれると、普段愛用されている方でも、答えられないことが多いのではないでしょうか。
アロマテラピーの世界以外では、ほとんど耳馴染みがないので、香りを嗅ぐとピンと来ても、詳しくは知らない方が多い方も多いですよね。そこで今回は、知っているあなたはアロマ通!な、シダーウッドのもつ秘密と豆知識をお伝えします。
シダーウッドで森林浴☆
リラックス効果を促す秘密と豆知識
まず知っておきたい!シダーウッドとは
シダーウッドは、モロッコや北アフリカなどが原産のマツ科の植物の仲間のこと。実は単一の植物をさすのではなく、よく似た針葉樹の仲間の総称なので、シダーウッドと一口に言っても、植物的には異なる種類の場合があります。
【 シダーウッドとは 】
★ 一般的にシダーウッドと表記されることが最も多いのが、シダーウッド・アトラス(アトラスシダー)という種類。
・ ウッディー系の香りの中に甘さを感じるのが特徴です。
そのほかにシダーウッドと表記されるものには、シダーウッド・ヒマラヤ、シダーウッド・バージニア、シダーウッド・テキサスなどがありますが、いずれも少しずつ異なる種類のため、香りと成分にも違いがあります。
シダーウッドを購入する際には、正式名称まで確認するように、気を付けるのもポイント!
シダーウッドの歴史と豆知識
【 聖なるシダーウッド 】
★ シダーウッドは北アフリカが原産のため、古代エジプトや古代ローマなどでも愛されてきました。
・ シダーとは古代シリア地域で用いられた言語である、セム語で「霊的なパワー」を意味する言葉。
また、古代エジプトにおいてはシダーウッドのもつ抗菌・防腐効果が重宝され、ミイラを作る際の布や棺に用いられたことでも有名。さらにシダーウッドは聖書にも登場!
そのためユダヤ教やキリスト教においても聖なる木とされ、神殿や船を造る際に用いられました。シダーウッドは、アロマテラピーに用いる精油以外にも、古くから色々な場面で利用されてきたのです。
シダーウッドという精油について
シダーウッドの精油として用いられるのは、木部の成分。水蒸気蒸留法によって抽出された精油は、鎮静効果、神経強壮効果、精神鼓舞効果、静脈強壮効果、抗菌・抗真菌効果、抗ウイルス効果、防腐・防虫効果など、様々な効果を持っています。
香りのもととなる主な化学的成分は以下の通りです。
【 シダーウッドの成分 】
① セスキテルペン炭化水素類
・ α‐ヒマカレン10~20%、β‐ヒマカレン40~50%、γ‐ヒマカレン10~20%、α‐セドレン5%など
② セスキテルペンアルコール類(セドロール5%)
③ ケトン類(アトラントン5~10%)
シダーウッドの成分その1☆ヒマカレン
シダーウッドに含まれる香り成分のうち、最も多く含まれるのがこのヒマカレン。ヒマカレンは優しいウッディー調の香りを持つ成分で、シダーウッドに特有の穏やかな森林浴気分を味わえる香りの秘密がここにあります。
この香りは刺激性の少なさの割には香りが強く、シダーウッドをブレンドする際にミドルとして用いる場合、このヒマカレンの香りがポイント。
【 シダーウッドの成分、ヒマカレン 】
★ ヒマカレンには高い抗炎症作用、抗アレルギー作用があり、静脈強壮の効果のほか、背中の吹き出物やヘアケアなどに高い効果を発揮!
・ ただし、少々シダーウッドに含まれるヒマカレンは濃度が高いため、顔への使用は控えてください。
シダーウッドの成分その2☆セドロール
シダーウッドの香り成分のうち、高いリラックス効果を支えているのが、セドロール。香り自体はシダーウッドのその他の香り成分に比べると控え目ですが、その効果は非常に嬉しいもの!
【 シダーウッドの成分、セドロール 】
★ 不眠の解消に高い効果があることも、最近の研究で明らかになってきており、睡眠化学の面でも注目度が上がってきています。
・ そんな嬉しい効果を持つセドロールですが、シダーウッドのほかにはサイプレスなどのいくつかの精油に含まれるくらいで、成分を含む精油の種類はあまり多くありません。
不眠に悩まれている方は、ぜひシダーウッド・アトラスの効果を試してみてください。
シダーウッドの成分その3☆アトラントン
シダーウッドの香り成分のうち、ウッディー系の香りのもととなるのが、ケトン類のアトラントンという成分。この香りはすっきりしたユニセックスな香りなので、シダーウッドが男性に人気のある香りである秘密は、ここにあります。
【 シダーウッドの成分、アンラントン 】
★ このアトラントンには、脂肪や粘液を溶解したり、痰を除去したりする効果があるため、静脈やリンパの流れを促進したり、皮下脂肪やセルライトを流すのをサポート!
・ 女性に嬉しいこの効果は、さらに柑橘系のグレープフルーツなど、食欲抑制効果の高い精油とブレンドすることで、ダイエット用のオイルとして重宝します。
森林浴におすすめ☆シダーウッドのブレンド例
以上のように、様々な嬉しい効果をもつシダーウッドですが、その最大の魅力は何と言っても、優しいウッディー調の香りで、疑似森林浴体験ができてしまうこと!ここでは、シダーウッドの香りを楽しむ際におすすめのブレンド例をお伝えします。
【 シダーウッドのブレンド例 】
① オーバーワークの疲れをいやす、ブレンドオイル…
・ シダーウッド(2~3滴)、ネロリ(2滴)、カルダモン(2滴)をキャリアオイル30mLにブレンド。寝る前の簡単なアロママッサージにおすすめ♪
② 不眠を解消する芳香浴…
・ シダーウッド(2滴)、サイプレス(1滴)、ベルガモット(1滴)をアロマディフューザーなどで部屋に香らせるだけ!
不眠解消のブレンド例は、ぜひ穏やかな気持ちで眠りに就きたい時に試してみてください。
いかがでしたでしょうか、シダーウッドを普段から使われていた方でも、知っているようで知らないことが色々と分かったのではないでしょうか。
特に、化学成分はアロマテラピーの本などに載っていても、あまりよく見ることはありません。詳しく知ってみると、そこに香りの秘密が隠れていたり、ブレンドのコツに繋がってきたりするので、たまには目を通してみるのも面白いもの!
最後にお伝えしたシダーウッドのブレンド例はあくまで参考なので、これを機に自分のお好きな香りと合わせて、素敵なブレンドを考えてみるのはいかがでしょうか。
オリジナルのブレンドをご家族やご友人と一緒に楽しまれながら、今回お伝えした豆知識を伝えてみれば、あなたを見る目も変わっちゃうかも知れません。
まとめ
シダーウッドの秘密と豆知識
・シダーウッドには種類がある
・シダーウッドは古代エジプトでも使われていた
・ヒマカレンには抗炎症作用がある
・セドロールには高いリラックス効果がある
・アトラントンはダイエットに効果的
・ブレンドはウッディー系と柑橘系が相性◎