アロマテラピーは「芳香療法」と訳されます。植物由来100%の精油(エッセンシャルオイル)は良い香りがするだけではなく、人間の身体に影響を及ぼす様々な薬理成分を含んでいます。そのため、アロマテラピーとは香りをかいでリラックスする、元気になるといったことだけではなく、もっと深く心身に作用する奥深い療法と言うことができます。
そんな精油の中には「女性の悩み」を軽くしてくれる、素晴らしい働きをもつ精油があります。心地よい香りに包まれながら、心身の悩みが癒されていったら、こんなに良いことはありません。
女性の悩みの多くが薬を飲めば治るという単純なものではなく、漢方や運動など、あらゆる方法を試す人々は少なくありません。そんな不調を治すために、アロマも充分に役立つことができるのです。
そこで今回はそれらのうち、特に効能のある7つの精油をご提案します。精油のパワーで、あなたのお悩みが軽くなりますように。
アロマで女性の悩みを軽減☆
快適に暮らす7つの香り
女性ホルモンのバランスを整える
クラリセージの精油は少しスモーキーな甘さのある、マスカットにも似た香りを放ちます。
☆ クラリセージのアロマの大きな特徴
女性ホルモンの「エストロゲン」に似た働きをする「スクラレオール」という成分を含んでいることです。
☆ クラリセージの効能
・ 月経不順。
・ PMS(月経前症候群)。
・ 更年期。などなどの解消。
クラリセージのアロマは、女性ホルモンのバランスを崩したことによる、不快な症状を和らげてくれる効果があります。
☆クラリセージのアロマ:症状がつらい時のレシピ
・ 下腹部をマッサージ
ホホバ油25mlに対し精油1~5滴を混ぜたオイルで下腹部をマッサージ・ 半身浴
大さじ2杯の天然塩に対して精油を3~5滴落としたバスソルトを浴槽に。
他にもクラリセージの香りには、心身のストレスを和らげて幸福感を与えてくれる効果があります。ただし強力な鎮静作用もあるので、車の運転の前や飲酒時には使用しないよう、気をつけてくださいね。
心の活力とダイエット効果があるアロマ
グレープフルーツの精油は、果実の皮をむいた時に感じられる、少し苦みのあるフレッシュな香りそのものです。その香りは落ち込む心を明るくリフレッシュさせたり、自信や元気を取り戻させてくれるなど、心に活力を与える効果があります。身体に対してもさまざまな効果が期待できます。
☆ グレープフルーツのアロマの効能
・ 血液やリンパ液の流れを促進。
・ 余分な水分や老廃物を排出するデトックスの効果。
・ 香りを吸入すると交感神経が活性化します。(ダイエット効果)
副交感神経が活性化するために、脂肪の燃焼が促進されるダイエット効果は、女性にとっては嬉しい効果が多々あります。またグレープフルーツの爽やかな香りが食欲を抑える、と日頃からアロマペンダントなどに利用している女性も多いです。
☆グレープフルーツアロマ:症状のレシピ
~ 消化器系を元気にしてくれる効果も ~
・ 芳香浴やバスソルト、マッサージなどに利用しましょう。
ただしグレープフルーツのアロマには、光毒性(皮膚についたまま日光に当たると、紫外線の影響でダメージが起こる性質)があるので、皮膚に使用した直後は日光を避けるなど、注意が必要です。
婦人科系のトラブルを調整してくれるアロマ
ジャスミンの精油の濃厚で甘いエキゾチックな香りは「香りの王様」と呼ばれるほどで、香水にはかかせないものです。この精油は男女の生殖器系に対して強く働きかけるので、性的トラブルにも使用されることがあります。
☆ ジャスミンのアロマの効能
・ 女性に対してはホルモンバランスの調整。
(月経にまつわる様々な不調を和らげてくれます。)・ 出産時には子宮の収縮を促進。
(陣痛の痛みを和らげるなどの効果も。)
このように、特に婦人科系の臓器が健やかでいられるように、調整をしてくれるアロマとも言えます。
また、心に対しては高揚感や多幸感をもたらし、自信や自尊心を回復してくれる効果があります。採油率が低いアロマであるため、とても高価な精油ではありますが、芳香浴やマッサージなどに利用することをおすすめします。
心身のバランスを整え、落ち着きを取り戻すアロマ
ゼラニウムの精油は「ローズゼラニウム」と呼ばれるゼラニウムから採油されます。実際にローズと共通した成分が含まれるため、精油はローズのフローラルな香りとハーブ系のフレッシュな香りを兼ね備えたものとなっています。
☆ ローズゼラニウムのアロマの特徴
~ 心身のバランスを整えてくれる。 ~
・ 心を落ち着かせて平常心に導くアロマです。
< 身体に対しての効能 >
・ 体内の水分バランスを整える
・ ホルモンの分泌や自律神経のバランスを整える
・ そして皮脂のバランスを整える…などなど。
単純に香りだけでも人気が高い、ローズゼラニウムのアロマは、様々なよい効果をもたらしてくれるのです。
☆ ローズゼラニウムのアロマ:症状のレシピ
・スキンケア
① 洗面器などに熱湯を入れて精油を1~3滴落とします。
② 立ち上ぼる蒸気を顔に当てるとスキンケアができます。
ローズのような濃厚でロマンティックなアロマのなか、心も穏やかになっていくのを感じる女性はとても多いです。
化粧品にも用いる「若返り」のアロマ
フランキンセンス(乳香・オリバナムとも)は古代から薫香として用いられ、宗教的な儀式には欠かせないものでした。
☆ フランキンセンスのアロマの特徴
アロマはスモ―キーで、少しレモン様の香りが含まれており、ストレスや不安感・緊迫感や孤独感を和らげて、心を穏やかにしてくれる効果があります。
また、皮膚を活性化させて修復を速める効果があるので「若返りの精油」としてローションやクリームなどの化粧品にも用いられています。手軽に利用するとしたら「ゼラニウム」の項目でお伝えした「蒸気を顔に当てる」方法が良いでしょう。
☆フランキンセンスのアロマ:症状のレシピ
~ このアロマには呼吸器系を浄化する作用がある ~
<風邪をひいたかなと思ったら>
① マグカップに熱湯をはります。
② 精油を一滴。
③ ゆっくりと吸入。
これで、鼻水や痰が排出されやすくなります。
ストレスを和らげる、フレッシュグリーン
メリッサは別名「レモンバーム」で知られている、フレッシュなグリーンのアロマと、レモンのアロマを併せ持った、すっきりとした香りです。ストレスから来る様々な心身症状には、メリッサのアロマが良いとされています。
☆ メリッサのアロマが効く症状
・ 動悸
・ パニック
・ 過呼吸
・ めまい
・ 頭痛
などなどの、心身の不調を原因とした体調不良に有効であり、緊張や不安を和らげてくれる他、心身とも疲れている時に「生きる力」を回復する手助けとなってくれます。
☆ メリッサのアロマ;症状のレシピ
~ ストレス性の消化不良や吐き気の改善 ~
・ レモンバームのハーブティーを飲む。
・ 芳香浴
・ バスソルト
メリッサのアロマは、他にも胃痛や月経痛など身体の痛みの軽減に役立ってくれます。芳香浴やマッサージ、バスソルトなどに利用しましょう。
女性を女性に戻してくれるアロマ
ローズの精油には水蒸気蒸留法で採油した「ローズオットー」と、溶剤抽出法で採油した「ローズアブソリュート」の2種類があります。
☆ 二種類のローズアロマの大きな特徴
・ ローズオットー
深みのあるスパイシーなローズのアロマ。・ ローズアブソリュート
甘くてエレガントなローズのアロマ。※ 本来の花の香りに近いのはローズアブソリュートの方です。
どちらも「女性を女性に戻してくれる香り」と呼ばれています。女性特有のバランスの不調など、憂鬱や不安で心が弱っている時には活力を与えて、元気づけてくれる働きがあります。
☆ ローズのアロマ;症状のレシピ
~ ホルモンバランスを整えて子宮を強壮する効果。 ~
・ 月経不順
・ PMS
・ 更年期の不調などなどにも有効です。
その他、皮膚の弾力や潤いを取り戻してくれる効果もあるなど、女性の強い味方です。大変高価な精油ではありますが、たった1滴でもパワフルな効果があります。
いかがでしたでしょうか。このように、アロマテラピーで用いる精油には、女性である私たちの心身を助けてくれる、様々な効果があります。日常にこれらのアロマを、取り入れない手はありません。
ただ、これらのアロマの効果は。植物の持つ成分をギュッと凝縮した「植物由来100%」の精油にしか備わっていません。人工的に合成された香料がどんなによく出来ていても、いわゆる薬理効果はないことを覚えておいてください。
そのためにも精油は、アロマテラピーやハーブの専門店で購入することをおすすめします。
また、人によっては「効果はあるようだけど、このアロマは好みではない」ということもあります。その場合、無理に使うことがストレスにもなりかねないので、まずはサンプルのアロマを試して、自分が心地よく感じるかどうかを基準に選ぶようにした方が得策です。
精油はまさに植物の恵みです。ぜひあなたが悩む不調に適したアロマを、上手に生活に取り入れてください。そしてアロマを暮らしに使いこなし、心身とも生き生きと過ごしたいものですね。
まとめ
女性特有の体調不良に役立つ7つのアロマと、そのレシピ
・女性ホルモンと似た成分を持つ「クラリセージ」の香り
・心身とも元気にしてくれる「グレープフルーツ」の香り
・婦人科系のトラブルを軽減してくれる「ジャスミン」の香り
・心身のバランスを整えてくれる「ゼラニウム」の香り
・「若返りの精油」とも呼ばれる「フランキンセンス」の香り
・ストレスを和らげてくれる「メリッサ」の香り
・女性らしさを引き出してくれる「ローズ」の香り