ポインセチアといえば、赤と緑の鮮やかなコントラストがクリスマスのイメージにぴったりな植物ですよね。寒くなってきた11月頃から12月のクリスマスにかけて、街中いろんなところに飾られ、毎年のようにクリスマス気分を盛り立ててくれます。
花屋の店頭にもたくさん並ぶポインセチア。お花がお好きな方であれば、購入してご家庭で愉しまれる方も、多いのではないでしょうか。
しかし、ポインセチアの育て方にはちょっとしたコツが必要です。その「コツ」を知らずに育ててしまうと、クリスマスのシーズンにキレイに赤く色付かないことも…。
せっかく育てるなら、クリスマスシーズンにポインセチアに赤く色付いて欲しいですよね。そこで今回は、ポインセチアをキレイな赤色に染めるコツをお伝えします。
もし、購入されたポインセチアを、今年と同じように来年も愉しみたい、という場合は、是非参考にしてください。
ポインセチアの花を咲かせる☆
キレイな赤色に染まるコツ
ポインセチアの意外な特性
ポインセチアを上手に育てるためには、まず、ポインセチアがどんな植物なのかを知ることが重要。ポインセチアはきちんとお世話をすれば、毎年のように色付きを楽しむことができる丈夫な常緑低木です。
けれども、うまく冬を越すことができずに枯らしてしまったり、翌年にキレイに色付かなかった、と言う経験がある人も多いですよね。実は、こんな意外な理由があります。
【 ポインセチアは暖かい場所が好き 】
★ ポインセチアを育てる上で、一番知っておかなければいけないことは、意外ですが、「暖かい気候を好む植物」だということです。
日本ではクリスマスシーズンの寒い季節に売られているので、寒さに強い植物のようなイメージがありますが、実はポインセチアはメキシコが原産の暖かい場所で育つ植物なのです。
★ ポインセチアをキレイに色付かせるためには、この、原産地の気候に基づいたお手入れが必須なのです。
ポインセチアが赤く色付く仕組み
ポインセチアの赤く色付く部分は、花びらではなく、苞(ほう)と呼ばれる部分です。
この苞は、最初から赤く色付いている訳ではなく、苞の中心にある黄色く粒々とした花芽の部分が出来上がった時に、受粉を助ける虫や鳥を誘うために色付きます。
【 まず、花芽を育てる 】
★ 花芽が育たなければ、虫や鳥を誘う必要もないため、苞も赤くなることはありません。
ですから、ポインセチアを赤く色付かせるためには、花芽を育てる必要があります。では、どうすれば花芽が育つのでしょうか?
原産地であるメキシコでは、ポインセチアは、だんだん日が短くなり、一日の日照時間が12時間程度になると、それを感じて花芽を作る準備を始め、2か月程かけて花芽を育たせます。
【 花芽を育てるには? 】
★ つまりは、ポインセチアを赤く色付かせるためには、ポインセチアに「日が短くなった」と2か月間、継続的に感じさせなければならないのです。
人工的に日を短くして色付ける
「短日処理」という言葉を耳にされたことはありますでしょうか。
【 ポインセチアの花芽を育てる、「短日処理」 】
★ このお手入れの方法は、日光の当たる時間が短くなるように人工的に調整し、日光を当てない時間は一切の光を遮断する栽培方法です。
先程もお伝えした通り、ポインセチアは一日の日照時間が12時間以下になる日が2か月続き、花芽を育たせなければ苞が赤く色付くことはありません。
キレイに色付かせるためには、この「日照時間」と「一切の光を遮断」することが重要になりますが、普通に栽培していては、夜でも照明の光などで明るく、なかなかそういった真っ暗な状況にはなりません。
★ なので、真っ暗になる環境を人工的に作り出さなければならないのです。
もし、クリスマスの時期にちょうど赤く色付かせようと思うのであれば、その時期から2か月遡った9月中旬頃までに短日処理を開始すれば、11月には赤く色付き、クリスマスまで長く楽しむことができます。
短日処理の方法
短日処理は段ボールを用いて行うのが一般的です。
【 ポインセチアの短日処理の方法 】
★ 色を付けたい時期の約2ヶ月前から、葉の色が完全に色付くまでの毎日、夜間に段ボールでポインセチアを覆います。
・ そうすることで、人工的に真っ暗な状態を必要な時間分だけ作り出すことができるのです!
日中はたっぷりと陽の光に当て、夕方17時~朝8時までの13時間程度は段ボールで覆い、また翌朝8時に段ボールを外して陽の光をたっぷり当てる、この作業を毎日繰り返します。
★ 夜間に明るい室内の光や人工照明の光が当たってしまっては、短日処理の意味がなくなってしまうので、一切の光を遮断するようにするのがポイントです。
大変根気の必要な作業ではありますが、こうやって労力をかけて栽培することで、ポインセチアは、お店で売っているもののようにキレイな赤色に色付いてくれるのです。
いかがでしたでしょうか。ポインセチアは、育て方が難しく、とても手間のかかる植物です。
ポインセチアをキレイに赤く色付かせるための短日処理は、1日で終わる作業ではありませんので、長期にわたり手間をかけてあげなくてはなりません。
さらに日本では、原産地の気候とは全く違う、クリスマスの寒いシーズンに出回るため、ポインセチアの本来の特性も誤解されやすく、間違ったイメージで育ててしまうと、うまく育たないことも多いかもしれません。
しかし、手間と愛情をかけてきちんと育ててあげれば、色鮮やかなキレイな赤色に染まり、手塩をかけた分、その姿を見た時の喜びも一層大きいはず。
ポインセチアは、クリスマスの期間限定の植物ではなく、多年生の植物。そのため、愛情をかけてあげる限りは何年もずっと栽培することが可能です。
是非、ポインセチアをキレイに赤色に染めるコツをマスターして、毎年のクリスマスを、ご自分の育てたポインセチアで飾ってみてください!
まとめ
ポインセチアを赤色に染めるコツ
・ポインセチアはメキシコ原産の植物
・赤く色付くのは、花芽の生育と関係している
・短日処理で人工的に花芽が成長する環境を作る
・色付けたい2か月前毎日短日処理を行う
・ダンボールでポインセチアを覆って、短日処理