秋の花を上手に育て長く楽しむ5つのポイント


コスモス、撫子、菊や金木犀など、秋の花は派手さに欠けるものの日本の風景によく馴染む上品な花や可愛らしい花がたくさんありますよね。厳しい夏を過ぎれば花が育てやすく、作業もしやすいガーデニングを始めるのにぴったりの秋が来ます。

秋の花は苗から始めれば花を育てるにあたり対策に苦労する暑さや害虫トラブルが少ないため、花を育てたことがない人や春や初夏の花を上手く育てられなかった人でも咲かせやすく、維持しやすいのが魅力。

もちろん、経験者だって楽しめる飽きない花が豊富にありますし、短命に思われがちな秋の花でも育て方のポイントを知って上手に育てれば春まで楽しめる花も多くあるのです。そこで今回は秋の花を上手に育て長く楽しむポイントについてお伝えします。

人気の秋の花と購入時の注意点

家庭で育てられる秋の花は挙げきれないほどありますが、やはり育てやすい花や長く楽しめる花を育てたいですよね。秋の花を代表するコスモスや撫子、秋明菊やスプレーマムは日本の秋を感じさせてくれる花の中でも育てやすい花で、花壇やプランターに少し狭い間隔で幾つも植えると綺麗に見えます。

コスモスや撫子は寒さに弱いため冬になると枯れてしまいますが、もっと長く楽しめる花を育てたいのであればガーデンシクラメンやパンジー、ビオラ、アリッサムなど鉢植え・プランターで気軽に育てることが可能。

春まで咲いてくれる花を、出回り時期である9月〜10月のうちに状態の良い苗を選んで植え付けておけば冬までに摘芯を繰り返して花数を増やし、見応えのある株に育てることができます。華やかな花を探しているのであればストックや金魚草の開花している苗を植えても良いですが、開花している花が落ちると次に咲くのは3月以降になるので注意。

いずれも秋の花の中でも人気のある花なので植え付け時期が終わる間際だと状態の良い苗が残っていないことがありますし、植え付けが遅すぎると寒さによって十分に根を張ることが出来ず頼りない株になってしまいますから、苗が少なくなってしまわないうちに購入しましょう。

寒さが徐々に厳しくなってくる秋冬は外に出るのが億劫だと感じてしまう人や、霜や凍結の心配がある地域に住んでいる人は室内で育てることができて長期間花を楽しめるプリムラジュリアンやカランコエの鉢植えがおすすめ。

 

秋の花の水やりで失敗しないコツ

秋になって涼しくなってからも、夏と同じ調子で朝夕水やりをしてしまうと水が溜まって根腐れしてしまいますから、涼しいと感じるようになったら土の状態を注意して見ることが大切。

秋の花は乾燥に強く蒸れに弱いものが多いので、水切れしない程度に若干乾かし気味に育てておいて問題ありません。秋の花は水やりの頻度だけでなく、水やりの時間帯にも注意が必要。

早朝に水やりをすると寒さにより土が凍ってしまって根にダメージを与えてしまうので、水やりは晴れた日に気温が上がってから、午前中のうちに行って下さい。与える水は根に負担をかけないためにも汲みたての冷たい水を使わず、室内で汲み置きした水を与えます。

加えて、水やりの際に葉や花に水がかからないようにすることも秋の花の水やりの重要なポイント。寒さに強い秋の花も霜や凍結には弱いため、葉や花に水が付着し寒さで凍結するとその部分が死んでしまいますから株の上から水を撒かずに鉢植えの縁から土に流し込むように与えましょう。

 

秋ならではの気候の変化に対応できる植え方を

寒冷地や朝晩の冷え込みが厳しい場所や霜が降りる場所では寒さに強い花でも弱ってしまうので、秋の花を春まで楽しみたいのであれば軒下や木陰に置いたり、室内に取り込み日当たりの良い場所に置くなどの寒さ対策が必要。

特に秋口は気温が安定せず急に夏のように暑さが戻ったり、冷え込みがきつくなることがある他、台風のシーズンでもあり、暴風や強い雨に当たれば植木や草花は一瞬でやられてしまうので、どのような事態にも対応できるように植える場所と容器を予め決めてから植え付けておくと急な気温や気候の変化から花を守ることが出来ます。

秋の花を植える時は鉢植えか、一人で持ち運び出来る大きさのプランターを選ぶと移動が楽。コスモスやストックのように背の高い花を育てる場合は支柱が必要になる花は早めに立てておきましょう。

 

秋の花も日光が大好き

秋の花は日当たりの良い場所を好む花が多く、日照不足では花を咲かせることができません。十分に日光を当てるためにも花や葉が多く混み合いやすい花はこまめに傷んだ葉や花がらを摘んだり、重なり合っている部分を剪定して風通しを良くしておくことが大切。

鉢植えに植えている場合は株全体がまんべんなく日に当たるようにたまに鉢を回してやるとバランス良く育ちます。花がら摘みや剪定、摘芯は花を増やすためにも、株を整えるためにも欠かせない作業。

パンジーやアリッサムのように花をたくさん咲かせる種類だけでなく、コスモスや撫子、スプレーマムなどにも必要な作業で、秋の花は手入れを怠ると雑草のように見えるので見た目を良くするためにもこまめに手入れをしましょう。

 

夏から頑張ってくれているお花に

サルビアやケイトウ、桔梗や金魚草、ストックなど夏から秋まで咲く花は一度切り戻しをすると脇芽を伸ばして再び花を咲かせてくれますから、秋になっても忘れずに薄めた液肥や緩効性肥料を与えて下さい。

また、急な寒気に当たることで葉が傷む種類もあるので、軒下に入れたり風除けを立てて予防します。夏が終わってからは出来るだけ日当たりが良く暖かで、霜に当たらない場所に置くことで長持ちしますよ。

室内に取り込めるような小さな鉢植えであれば日当たりの良い窓際で管理すれば長い期間花を楽しむことができますが、室内で育てていると蒸れやすくカビなどの病気が発生しやすいので、屋外で育てるよりも換気や観察を頻繁にして病気にかからないようにすることが大切。

 

秋口は日毎に気温が変わりやすく、台風が到来しやすい季節でその都度寒さ・暑さ対策や風除けが必要になりますが、それさえ乗り越えれば秋の花は育てやすいものばかり。

少なからず地味なイメージのある秋の花ですが、実際には控えめな淡い色から、はっきりとした目を引く色まで色のバリエーションや咲き方も豊かで、一株に付ける花数が多い花もたくさんあるので、植え方の工夫次第で春や夏の花に負けない華やかな花壇を作ることが可能。

寄せ植えに向いている花も多く、好きな苗を1種類ずつ背丈を意識しながら鉢植えに植えるだけでも綺麗な寄せ植えを作ることも難しくないので花のお世話に慣れている人はぜひ寄せ植えにもチャレンジして、夏の花が終わって急に寂しい外観になったと感じさせないためにも秋の花を手に入れて長く楽しんでみてはいかがでしょうか。

まとめ

秋の花を長く楽しむためのポイントとは

・本格的に寒くなる11月までには植え付けをする
・水やりは朝、気温が十分上がってから行う
・台風や霜・凍結対策は事前にしておく
・花数の多い秋の花は花がら摘みや剪定で風通し良くさせる
・夏越しできた花は一度切り戻してもう一度花を楽しもう


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