藤の花を育てよう☆初心者にマストの栽培ポイント

藤の花を育てよう☆初心者にマストの栽培ポイント
4月から5月頃にかけて、長く垂れ下がる紫色の花房が美しいのが藤の花です。日本では古来から藤が高貴な色とされていることもあり、藤の花は気品がある優美な花として愛されていますよね。慎ましく品のある印象から、藤の花は女性的なイメージで捉えられてきました。

日本に自生する藤の種類には、ノダフジとヤマフジがあります。ノダフジは花穂が長いという特徴があり、花房が90センチを超えるものは「ノダナガフジ」と呼ばれます。

ヤマフジは花穂は短いですが、一つひとつの花は大きく花色が濃いという特徴があります。八重咲きで濃い紫色の「ヤエコクリュウ」、小ぶりで花をよく咲かせる「ナガサキイッサイフジ」、白花のヤマフジである「シロカビタン」などの園芸品種があります。

そこで今回は初心者の方に向けた藤の花の育て方のポイントをお伝えします。美しい藤の花をご自宅で楽しむことができたら素敵ですよね。どのような点に気をつけて栽培すれば、よく育つのか参考にしてください。ではご覧ください。

 

藤の花を育てよう☆
初心者にマストの栽培ポイント

 

花芽を確認して剪定しよう

☆ 藤の花を栽培する際のポイント

・ 冬に花芽を確認したらつるを切り詰めることです。

藤はマメ科フジ属のつる性植物で、ほかのものに絡みついて伸びていく性質があります。長く伸びすぎた枝には花芽がつかなくなるので、5~7芽ほど残して剪定をする必要があります。

花芽は8月から10月に、短枝の葉脇にできます。つるを切り詰める時期は12月から2月くらいの間が適期です。長く伸びたつるを、蕾を残して切り詰めます。剪定に失敗すると花がつかなくなることもあるので、注意しましょう。

 

根を切らないようにしよう

☆ 藤の花の植え付け

・ 藤の木の植えつけは12月頃と2~3月頃が適しています。

鉢植えの成木を購入して庭に植えつけをすると、藤は根を自由に伸ばすことができるのでよく成長します。樹齢が100年を超えるような古木でも、割合簡単に移植をすることができます。

ただし、気をつけなければならないのは、藤は根を切ってはいけないという点です。掘り上げる時には、根を切ることのないようにしてください。根を切ると幹が腐ってしまったり何年も花が咲かなくなってしまうことがあります。

 

花が咲かない理由を知ろう

☆ 藤の花が咲かない理由の可能性

・ まず先に挙げたように剪定の失敗が考えられます。

藤の木は長く伸びたつるが邪魔になるので、すぐに切ってしまいたくなるかもしれません。しかしつるを切るのは花後1回だけにとどめ、その他には冬に花芽を残して切り詰める程度にしましょう。

また鉢で育てていた株を地植えにした場合には、違う理由も考えられます。

・ 木の勢いが成長の方に向かったため。

木の成長に勢いが向かったため、藤の花があまりつかなくなることも考えられます。この場合には、大きく成長した時点で再び花をたくさんつけるようになります。

 

鉢植えで育てよう

藤の木をあまり大きくしないで、買った時の大きさを維持して楽しみたい人も多いです。

☆ 藤の花を鉢植えでの栽培

鉢の大きさに合わせて成長してくれるので、大きくなりすぎません。鉢植えの藤の花を毎年よく咲かせるコツは、鉢替えをあまり頻繁に行わないことです。2年に1度くらいが適当です。

鉢植えの植え替えは2月頃に行います。長い根を傷つけないように気をつけながら鉢から出し、日陰に1日おいてから丁寧にほぐすようにしてください。根を折らないように注意して小さくまとめ、シュロ縄かワラ縄でしっかり結んで植えつけます。

 

鉢植えの剪定の仕方を知ろう

☆ 鉢植えの藤の花の剪定時期

・ 鉢植えでコンパクトに育てる場合でも、剪定は12月から2月頃に行います。

この時期には蕾がついているのがわかるので、蕾を残して剪定します。不要な枝や枯れた部分を切り詰めたら、切り口には保護剤を塗るようにします。

ナガサキイッサイフジのような矮性の藤の花を選んで、6~7号くらいの鉢で育てることをおすすめします。花後には固形の油かすをたっぷりと施すようにし、花後から10月までは受け皿の水を切らさないようにするのがポイントです。1年を通して、日当たりのよいところに置きましょう。

 

腰水法を知ろう

鉢植えで藤の花を楽しむ場合に知っておきたい方法に、腰水法があります。

☆ 鉢植えで藤の花を楽しむ腰水法

・ 花後に洗面器のような容器に水を張り、藤の鉢ごとつけます。

腰水は花後から8月半ばくらいまで行い、それ以降は水から取り出してください。

8月の半ばを過ぎても水につけたままにしておくと、枯れてしまうことがあるので注意します。藤が特に水が好きというわけではなく、少し弱ってつるの伸びが抑制され、その結果として藤の花芽のつきがよくなるという仕組みです。

 

水と肥料の与え方を知ろう

藤は基本的に水と肥料が適切に与えられていれば、特に手をかけなくても花をつける植物です。切り過ぎるなど手を加えることで花が咲かなくなることもあります。藤の花は庭に地植えした場合でも鉢植えした場合でも、同じ肥料を用意します。

☆ 藤の花と肥料の与え方

・ 油かすと骨粉を5対5の割合で混ぜたものを与えます。

2月上旬頃と9月下旬頃が適期です。5月の花が咲き終わってすぐの頃に、油かすの固形肥料を追肥することをおすすめします。

花後から10月くらいまでは、水切れしないように水を与えましょう。

 

さて、藤の花の育て方のポイントについてお伝えしました。初心者の方でも、押さえておくべき栽培のコツをまとめてみました。今回お伝えしたポイントを参考にして、ご自宅でもきれいな藤の花を楽しんでみてください。

藤の花以外の多くの樹木では、根を切ることが木の勢いを増すことにつながります。けれども藤の木では絶対にNGだということは、覚えておいてください。

根を切ることによって幹が腐ったり藤の花が咲かなくなったりと問題が起こります。立派な藤の木の移植が必要な時には、無理をせずに専門家にお願いする方法もあります。太くて長い根をなるべく傷つけずに掘り上げるのは、なかなか難しい作業です。

しかし、藤の花は非常に花をつけやすいです。お伝えしたように、切り過ぎるなど手のかけ過ぎによる失敗がなければ、旺盛に伸びるつる植物です。ぜひ美しい藤の花を咲かせて、自宅の庭を優美な藤色に染めてください。

まとめ

初心者が藤の花を栽培する際のポイントとは

・長く伸びすぎた枝は、5~7芽ほど残して剪定を
・掘り上げる時には、根を切ることのないように
・つるを切るのは花後1回だけにとどめる
・鉢植えで育てると、大きくなりすぎない
・鉢植えでも剪定は12月から2月に行う
・花後から8月くらいまでは、腰水法を
・油かすと骨粉を5対5の割合で混ぜた肥料を


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