イタリア料理に欠かせないハーブといえば、バジルです。バジルは自家栽培に適しています。最近ではスーパーの野菜コーナーにも並んでいますが、とても手軽に育てられる植物としても人気がありますよね。
もともとバジルをはじめとするハーブは、野草に由来し生命力が強いため、簡単に栽培できるのが魅力です。バジルが身近にあれば、お料理の幅がぐっと広がって、食事が楽しくなること間違いなし。またお家にグリーンがあると、忙しい毎日の中でもほっと癒されることでしょう。
バジルの栽培は、コツを押さえればとっても簡単。お庭のない方でも、ベランダでプランターを利用して、沢山バジルを栽培することができますよ。ご一緒に、身近にバジルのある生活を始めてみませんか。そこで今日は、初めての方でも簡単にバジルを栽培でき、プランターで増やす5つの方法をお伝えします。
プランターの選び方
植物を植える器の選び方は、どういう目的で植物を育てたいか、という方針によって異なります。鑑賞用に小さく育てたい方は小さな鉢を。沢山葉を収穫して楽しみたい方は、大きめのプランターがおすすめです。鉢、プランターの形は、育てる植物の根の張り方によって選ぶと、効率よく育てられます。
バジルの根は、下に向かって細く枝分かれします。そのため、浅型より深型のほうがより良いでしょう。また、底の状態を見て沢山穴が開いているなど、水はけが良さそうなものを選びましょう。ショップでバジルの苗を買うと、根っこは小さなビニールポットに入っています。
苗からバジルを栽培したい方は、入っているビニールポットよりも二回り以上大きな幅のプランターをお選びください。なぜなら、ビニールポットから取り出された苗の根は、茎丈が高いものであるほど、窮屈そうにぎっしりと、ポットの形で縮こまっているからです。ポットを外して大きめのプランターに移し替えてあげれば、根は窮屈さから解放されて、ぐんぐん大きく成長しますよ。
プランターの土の入れ方
バジルの栽培は、特殊な土を必要とせず、どんな土でも育てられます。プランターを手に入れたら、一番下に軽石の粒を敷きましょう。これを敷くことで水はけがよくなり、土の栄養が外に流れ出るのを防ぎます。もしプランターの底部の穴が大きく粗い場合は、初めにプランター用の網を敷き、その上に軽石を敷き詰めてください。
その後、土を重ねてゆきます。プランターの中程の高さで、肥料の層を作るのもおすすめです。もし肥料を使いたい場合は、チッソという成分を多く含んだ肥料を選びましょう。チッソは、葉菜の成長にとても効果のある要素です。
苗から育てる場合、ポットから取り出したバジルの根は、しっかりと土をかぶせてあげましょう。複数のバジル苗を栽培したい場合は、互いの根が付かない程度に、広めに間隔を開けて植えましょう。
バジルの種まき、間引き
種からバジルを栽培したい方は、4月から6月頃に、プランターに種を蒔きましょう。15度から20度の気温で発芽しますので、およそ桜の開花時期にあわせて蒔くと、うまくゆきます。黒い種をパラパラと土にまき、その上からごく薄く土をかけます。
その後水をあげて、土が常に軽く湿っている状態を保ちましょう。10日ほどすると、小さな双葉が芽を出します。そのまま水はけを良くして、日を当てて育てましょう。葉が2〜3枚生える頃になったら、間引きをします。
プランターで育てる場合、芽と芽の間隔は触れ合わない程度が理想です。成長の遅い芽を間引き、摘んだ芽のうち元気なものは、根を切り洗って料理に使ってみましょう。バジル栽培の、第一の収穫です。
水はけ、日照、害虫に注意
バジルの栽培に欠かせない第一の注意要素は、水はけです。バジルは常に水を好みますが、水はけが悪い状態で水をあげると、根腐れを起こします。そのため、もし根腐れしてしまった場合は、プランターは水はけの良いつくりか、土の下に軽石が敷いてあるか等をもう一度確かめ、水はけの良い土壌に新しい苗を植えてください。
第二の注意要素は、日照です。日陰よりも日向を好みますが、焼けつくような日差しなど、極端な気候は禁物です。日中あまりにも照り返しの激しい環境になった場合は、プランターをその場所に置くのは午前中のみ、午後にはそっとプランターをずらすなど、工夫してあげてください。
第三の注意要素は、害虫です。アブラムシ、蛾の幼虫、ナメクジなど、多くの虫がバジルを好みます。これらの害虫を見つけたらすぐに取り除きましょう。アブラムシは、茎や葉の裏をブラシでこすって洗い落として退治します。また、風通しを良くし、霧吹きで葉に水をかけてあげるだけでも、かなり予防ができます。
葉を摘みとる、挿し穂で増やす
丈が高くなってくると、バジルの栽培は収穫の時期に入ります。大きな葉が茂ってきたら、若いうちに枝ごと摘んで収穫しましょう。大きな葉になり過ぎたり、花穂がでてきたら葉が堅くなってしまうため、注意が必要です。もし種を収穫するつもりがないなら、花穂を摘んでしまいましょう。
葉の柔らかい状態が長く続きます。種を収穫する場合は、花穂が枯れてさやが茶色くなる秋まで待つと、黒くしっかりとした種が収穫できます。そしてバジルは、挿し穂ができます。摘芯と言って、中心の茎が20センチほど伸びたら、地上から葉の出ている2〜3節上のあたりをハサミでカットします。
カットした枝は、水を張った瓶に入れましょう。瓶にいれて10日ほど経つと、茎から白い根が出てきます。根が出始めたなら、プランターや鉢など、新たな場所に植えてあげてください。一方、摘芯によって切られた茎は、その両脇の葉から新たな芽が出て、大きくなります。これによって1本のバジルの苗から、沢山のバジルを栽培できますよ。
さて、たとえ鉢植えであっても、野菜や植木等は栽培にかなり手間がかかる印象がありますよね。でもバジルの栽培は、コツを覚えればこんなに簡単です。特別な土、肥料や栄養剤は必要とせず、大きくするまでに沢山の費用もかかりません。プランターで育ったバジルは、種が落ちればまた芽吹きます。
バジルは一年草ですから、春が巡るごとに育てれば、どんどんコツがつかめて、栽培の腕が上がりますよ。ハーブはもともと野生の植物なのだ、ということを念頭において、力み過ぎずに育てるのが、バジル栽培の一番のコツではないでしょうか。あなたもぜひ、ご自宅でバジルを栽培する楽しみを発見してください。
まとめ
バジルをプランターで栽培するときのコツ
・プランターは、大きく深めで、水はけの良いものを選びましょう。
・プランターに土を敷く時は、軽石や肥料を上手に配置しましょう。
・バジルの種をまき、芽が出たら間引きをしましょう。
・水はけを良くし、強すぎる日差しをさけ、風通しで害虫を防ぎましょう。
・葉は若いうちに収穫しましょう。挿し穂で苗を増やせます。