ハーブとは何でしょう。はっきりした定義は難しいですが、大まかに言うと香りがある、薬用、風味付け、お茶として利用できる植物という感じですね。日々の生活に役に立つ植物と言ってもいいかもしれません。実際、ハーブは料理、お茶など食用としてだけではなく、殺菌作用、抗菌性を備えているもの、肌に良いもの、染め物として使われるものも多くあり、昔から生活の中で活用されてきました。日本のハーブとしては、シソ、ドクダミ、ショウガなどがあげられます。今回は、園芸店に行くとよく売られているハーブを想定して、育て方を紹介したいと思います。
超初心者さんのために。
ハーブの育て方、7つの基本
土
良い条件の土とは、
・保水性
・通気性
・排水性
・保肥性
が適度にある土です。
粒がある程度の大きさであると、その間に隙間ができて、水分を保ったり、逆に排水性も良くなったり、通気性も確保されます。
粘土のような土や、砂のようにさらさらしすぎた土は適していません。簡単なのは、いろんなものがバランスよく配合された培養土や、ハーブ用の土を用意することです。
プランターや鉢ならそれで充分ですが、庭や畑など、もっと面積が大きくなってくると、何袋も買うのは大変です。
庭や畑では、下記を参考に土作りをしてみて下さい。日当たりのよい場所で。
・土を20~30㎝掘り起し、柔らかくします。
・酸性の土では(日本では酸性になりやすい傾向があります)石灰を1㎡あたり50~100gよく混ぜて、
中和します。
・腐葉土を入れて耕し、たい肥を1㎡あたり3㎏ほどすき込みます。通気性、排水性、保肥性が良くなります。
・水はけが悪いときは、10~20㎝の畝を作ると良いです。
・1,2週間落ち着かせます。(すぐに植えない)
・ミントは地下で茎を伸ばし、どんどん繁殖します。あまり範囲を広げたくないときは、鉢に植え、
鉢ごと土に植えてしまう方法も。
プランターや鉢の場合は、土を入れる前に、鉢底石を底がかくれる程度に敷くと、水はけがよくなります。鉢の穴は、網などでふさいで下さいね。
肥料
ハーブは丈夫によく育つものが多いので、そんなにしょっちゅう肥料をやらなくても大丈夫ですが、鉢やプランターの場合、水をやることで少しずつ栄養分も流れていきます。
植物が大きくなってきたら、時々液体肥料や化成肥料、混合肥料など、使いやすいものを与えるとよいです。
月に1,2回程度で充分、水や肥料のやりすぎはかえって失敗します。
種からの増やし方
初心者さんは、苗を購入するのが楽で失敗も少ないです。
大量に欲しいもの、発芽や生育が早いものは、種から育ててみてはいかがでしょう。繁殖力が旺盛なものが多いので、苗1つでも条件が良ければどんどん繁殖します。ローズマリーやラベンダーなどは、発芽が難しく、苗の方が無難です。
種まきは、ほとんどが春まきですが、カモミールやコリアンダーは秋の彼岸前にまいて発芽させ、越冬させることで丈夫に育ちます。
種まきの仕方
・すじまき→割りばしや指で浅い筋を作り、種があまり重ならないようにまく。
・ばらまき→土全体にばらまく。一か所にかたまらないように。
・点まき→いくつか穴を作り、一つの穴に数粒まく。
水をそっとかけて、乾かないようにします。発芽したら、生育を促すため、込み合っているところは間引きましょう。
苗から育てる
・鉢に鉢底石を敷き、土を少し入れます。
・ポットから苗を出し、土の表面が、鉢の淵から2㎝程度下に収まるように置きます。こうすると、水をやった時に鉢から水が流れません。
・苗の周りに土を入れ、軽くトントン地面に落とすようにすると、土がまんべんなく入ります。
穴が空いたら、まだ土がきちんと入っていないので、足します。
・水をやります。
・日当たりの良いところに置きます。
挿し木で増やす
バジルやミントなど、シソ科のハーブは簡単に挿し木でも増やせます。
・植物の先端7,8㎝ほどを切り取り、葉を数枚残して取り去ります。
・湿らせた土に挿します。根は葉が生えていた節から出てくることがほとんどなので、節が土の中に隠れるように。
・直射の当たらない暖かい場所で管します。
元気がなくなったら残念ながら失敗ですが、水を切らさないようにしておくと、だいたい根が出てきます。
株分け
繁殖力が旺盛なものは、大きくなりすぎると、根も鉢の中で詰まってきます。そういうときは、株を分けてあげます。鉢から全部土ごと出し、適当に手で分けます。なかなか絡まって分けにくいときは、はさみを使って下さい。育つ余裕があるように、植え替えます。植え切らないときは、お友達におすそ分けしてみては?
水やり
庭や畑の場合は、根は自由に水を求めて伸ばしていけますが、鉢の場合はそうもいきません。
土が乾いたら、底から水が流れるくらい与えます。いつやればいいかよく分からないときは、鉢を持ち上げてみて、軽かったら水分がぬけていることが分かります。
真夏はほぼ毎日になりますが、それ以外はやりすぎると根が腐ってしまうので、気をつけましょう。
地植えの場合は、表面がしめる程度ではなく、充分にしみこむくらい与えます。
ハーブは香りがよいものばかり、水やりをするときにも香りで癒されます。順調に育ってきたら、活用方法を調べ、どんどん生活に取り入れて楽しんで下さい。
葉物は乾燥させて冷凍庫で長期保存も可能です。自分で育ててみることで、よりハーブが身近な親しみのあるものになることと思いますよ。
まとめ
超初心者さんのために。ハーブの育て方、7つの基本
・良い土で確かな成長を
・肥料は大ざっぱでも大丈夫
・沢山育てるには種から
・苗を買えば楽で失敗も少ない
・挿し木に挑戦してみても
・大きくなったら株分け
・水やりは土が乾いてからたっぷりと