大根の育て方と美味しく栽培するポイント

美味しそうな大根が成長しているイメージ
根から葉の部分まで美味しい大根は様々な料理に使える便利な野菜ですから、大根の育て方を知っておけばスーパーで買う大根ほど立派でなくても自分の菜園で育てて収穫したものを普段の料理に役立てることが出来ますよね。

ただ、スーパーで買う大根でも苦みの強い美味しくない大根があることから、家庭菜園で美味しい大根を作るのは難しいのではないかと栽培を躊躇いがち。また、根菜ということから栽培するのにプランターでは難しいのではないかと思っている人もいるでしょう。

確かに丸々としていて立派な大根を育てたいのであれば畑のような広い場所で育てたい所ですが、少し小さなサイズで良ければ実はプランターや鉢植えでも育てることが出来る大根が存在するのです。

もちろん、大根の育て方をきちんと知っておけば味もスーパーの大根に負けず劣らずの美味しい大根を育てることが出来ますよ。そこで今回は大根の育て方と美味しく栽培するポイントについてお伝えします。

美味しく育てるための品種の選び方と適した栽培環境は

大根を家庭菜園で育てる時は種から育てるのが一般的で、その種類も豊富。その豊富な品種から美味しく育つ大根を選ぶためには育てる季節に合った品種を選ぶことが大切。大根の品種は春蒔きと夏秋蒔きの品種があり、初めて大根を育てる時は病害虫被害の少ない夏秋蒔きの品種を選ぶと失敗しにくいです。

また、広さと深さが十分にとれないプランター栽培で大根を育てたい場合でも根が短い品種やミニ大根と呼ばれる品種を選ぶことでプランター栽培でも美味しい大根を育てることが出来ます。ミニ大根だと味が心配という人もいるかもしれませんが、しっかり大根の味を味わうことが出来ますし、おでんやふろふき大根のように大きく輪切りにして使うには物足りないですが、切って使う汁物や小鉢料理に使うのであれば普通の大根と変わりありません。

さて、品種選びが終わったら大根の美味しさを左右する土作りを始めます。大根を育てる時は日当たりの良い場所で水はけの良い土を使って育てます。そして最も重要なことはしっかり耕した土を使うこと。

特に地植えで育てる場合は石や未熟な堆肥が混ざっていると根が又根になってしまいますから、よく腐熟した堆肥を使い、2週間以上前に石灰も一緒に混ぜ込んで深さ30〜35cmまでしっかりと耕して下さい。

植え付け1週間前になったら化成肥料を混ぜ込みもう一度よく耕して10cm程の畝を作って地植えの際の土の準備は完了です。プランター栽培や鉢植え栽培の場合は30cm以上の深い容器を用意して、必ず水はけを良くするための鉢底石を敷き込みます。

その後小石などを取り除き化成肥料を混ぜ込み耕しておいた市販の野菜用の培養土を入れて完了です。プランター・鉢植え栽培の場合も2週間前には土作りを済ませておきましょう。大根の育て方では土作りが大根の出来に大きく影響しますので手を抜かずに丁寧に耕しておいて。

 

大根の種蒔きに関する注意点

大根の育て方でも種蒔き時期を守ることは大切です。品種に合った種蒔き時期を守らないと病害虫被害にあったり、とう立ちしやすくなります。種を撒く時は瓶や缶を用いて、ぐっと平らに押し込み土に1cm程の深さの穴を開け、作った穴に4〜6粒程の種を間隔を空けて蒔き、1cm程の覆土をして軽く手で押さえて種が水やりで流れないようにして下さい。

株間は30cm必要なので、プランターでは3ヶ所程、鉢植えであれば中心に1ヶ所種を蒔きます。種を蒔いた後は種が流れないようにハス口を使って十分に水やりしましょう。大根の育て方では発芽するまでは乾燥は禁物なので、水やりの後に腐葉土や不織布でマルチングをしておくことで乾燥を予防することが可能です。

 

間引きする株を見極めて美味しい大根を残そう

大根の育て方で美味しさを左右する作業が土作りと間引き。美味しい大根を育てるためには美味しくなる大根の芽の見極め方を覚えておくことが重要です。大根の間引きは大体3回に分けて行い、1回目は4〜6粒蒔いた種が発芽した後、本葉が1〜2枚の頃に株が3本になるように間引き、2回目は本葉が3〜4枚の頃に2本になるように、3回目は本葉が5〜6枚の頃に最終的に1本になるように間引きます。

間引く株は葉が変色しているもの、葉の形が悪いもの、間延びした株や種が葉に付いたままとれないものを選んで下さい。特に、1回目の間引きでは地植えの際は畝に対して子葉が直角に出ている株を優先して抜き、2回目は葉が斜め上に伸びずに開いているものを優先して抜きます。

2回目以降の間引きでは葉の勢いが他の大根に比べて強いものも優先して抜いていくことで根の部分がよく肥えた大根を残すことが出来るのです。また、間引く時は手で抜かずに消毒したハサミで地際で株を切り取るようにして間引きます。そうすることで間引きによって土が崩れることがないため他の大根の根の成長を阻害することなく間引くことが可能です。

 

大根の水やりと追肥の方法を知ろう

大根は多湿を嫌う野菜ですから、発芽後の水やりは土の表面が乾いてからたっぷり与えるようにします。そして大根の根を肥らせるための追肥は欠かさずに行いましょう。追肥を行うタイミングは2回目と3回目の間引きの後、株の周りの土に化成肥料を撒き、軽く混ぜ込んでから葉に土がかからないように注意しながら土寄せして下さい。

この時に雑草が生えていたら忘れず抜き取っておきます。3回目の間引きと追肥が終わったら、後は収穫まで害虫に注意しながら忘れず水やりを行うだけ。大根は一般的に種蒔き後60日から70日後に収穫出来ます。

収穫前には大根の葉がぐっと立ち上がり、収穫適期には立ち上がった葉が垂れ下がりますから、そのタイミングを見計らって早めに収穫して下さい。収穫適期を逃すと大根にスが入ったり、裂根してしまうので葉が垂れ下がるタイミングを見逃さないように注意して。

 

病害虫予防や大根に起きやすいトラブルと収穫に関して

大根の育て方で注意しておきたい害虫はアブラムシやヨトウムシやガの幼虫、青虫などで、種蒔き直後のマルチングである程度の予防が出来ます。発芽後も防虫ネットを施し、害虫対策の薬剤を散布することで予防が可能なので、害虫被害のない大根を収穫するためには種蒔き直後からしっかり対策をしておいて。

また、大根がかかりやすい軟腐病や萎黄病、べと病やモザイク病のウイルス病は害虫対策と正しい水やりを行い連作を避けていれば発症の確率を下げることが出来ます。最後に、大根の見た目や味を悪くしてしまうトラブルも大根の育て方を知らずに育てると起きやすいです。

肥料を与えすぎると葉ばかりが育ち、重みで大根の根の部分が曲がってしまったり、乾燥が続いた後に急に雨が降ったり水を過剰に与えて多湿になると裂根や根の中心に穴が空く空洞症の原因になります。

また、種蒔きの後30日までの肥大期に高温と乾燥が続くと表皮の内側の繊維が固くなってしまう網入りと呼ばれる大根になってしまいます。どのトラブルも大根の育て方を知っていればほとんど防ぐことが出来るものばかりですから、肥料のタイミングや量、水やりの頻度に注意して育てていきましょう。

 

このように、美味しいものを育てるのが難しそうな大根ですが、育て方のポイントを押さえておけばある程度の病害虫は予防出来ますし、美味しくない大根の原因にだって注意することが出来ます。

大根の育て方で大切な土作りと間引きを丁寧にしておくことでより美味しい大根を作ることが出来ますから、疎かにせずお伝えした方法を参考にしながら実践して下さい。一度大根作りが成功すれば種蒔き時期が違う品種でも同様に育てることが出来るので、まずは育てやすい秋蒔きの大根から育ててみて、その後春蒔きの大根にもチャレンジしてみましょう。

栽培スペースがあれば1年中大根を収穫することだって可能です。ちなみに、抜いてしまった大根は葉の付いた部分を切り落として切り口にキッチンペーパーを巻いてラップをかけてジッパー付きの袋に入れてから冷蔵庫で立てて保存することで美味しいまま保存が出来ますので、ぜひ大根の育て方を役立てて、あらゆる料理に使える大根をぜひ家庭菜園で育てて収穫して下さいね。


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