フェンネルフラワーが育てやすい鉢花として選ばれるワケ

フェンネルフラワーが育てやすい鉢花として選ばれるワケ
フェンネルフラワーは花の寿命が長く、次々に花を咲かせてくれるので育てていて楽しい花なのですが、元気そうな株を買ってきてもいざ花壇に植え替えるとすぐに萎れてしまうため、育てにくいと思いがちですよね。

フェンネルフラワーの地植えはとても難しいのは事実で、実際に失敗している人も多いようです。そこからフェンネルフラワーは上級者向けの花と言われるのですが、鉢花として育てるのであれば、実は初心者でも育てやすい花だってご存知でしたか。

フェンネルフラワーは花が長持ちするだけでなく、葉に生えるフェルト状の羽毛のおかげで姿はまるで本物のフランネルのようでとても見栄えのする花です。他所の家できれいに花を咲かせているフェンネルフラワーを見ちゃうと、できることなら我が家でも育てたいと思ってしまいますよね。そこで今回はフェンネルフラワーが鉢花として育てやすいワケと育て方についてお伝えします。

 

フェンネルフラワーが

育てやすい鉢花として選ばれるワケ

 

地植えにすると萎れてしまうワケ

少し前までフェンネルフラワーは切り花としてしか流通していませんでしたが、最近は品種改良が進んで鉢花としても売られるようになりました。フェンネルフラワーの原産地はオーストラリアのニューサウスフェールズ。砂漠のような気候風土の中で生きてきた花。

品種改良で日本の気候でも育てられるようになったとは言え、ネルフラワーにとって日本の気候風土は過酷な環境なんです。また鉢から花壇に植え替えた際に根がよく張るようにとたっぷり水をやってしまうのもフェンネルフラワーには逆効果になってしまいます。鉢花の状態ではとても元気な株だったのに花壇に植え替えたら1日で萎れてしまうワケはこれなのです。

 

鉢花として育てやすいワケ

鉢花の状態で元気に育つフェンネルフラワーはなぜ鉢花に合うのかというのは土の環境を合わせやすいからです。フェンネルフラワーは酸性の乾燥気味の土を好みます。育てる人によってはサボテンに使う砂礫状の土を使う人もいるほどです。生産農家では酸性で水はけが非常に良い状態の土を作り、その土でフェンネルフラワーの株を育てます。

この土はまさに原産地のそれを再現したもので、フェンネルフラワーが一番居心地の良い土です。一般家庭の花壇でこの土の状態を再現することは日本の気候風土と他の花との兼ね合いで非常に難しいのですが、鉢であれば簡単に再現できます。

フェンネルフラワーに限らず、原産地の気候風土と違う環境で植物を育てる時には土や気候などの環境をどれだけ原産地に近づけられるかで決まるんです。フェンネルフラワーは酸性で乾燥気味どころか乾燥しきった土で育ってきた花なので、それに近い状態の土に植えてあげることで元気に育ってくれます。

 

フェンネルフラワーが元気に育つ土を作る

フェンネルフラワーを育てるためには酸性で乾燥した土を作る必要があります。通常酸性の土を作る場合は培養土にピートモスを混ぜて土の酸性度を上げるのですが、この状態の土はフェンネルフラワーにとって水持ちしすぎる土なんです。

フェンネルフラワーにとって理想の土は鉢に水をたっぷりあげてもすぐに水が抜けて乾いてしまうような土。この土を作るためには培養土にピートモスだけでなく、鹿沼土を混ぜ込んで水はけを良くしてやります。土の成分の調整が難しいのであれば、ブルーベリー用の土でも大丈夫です。

 

水やりには注意が必要

買ってきたフェンネルフラワーを鉢に植え替える時に気をつけてほしいことが水をやらないことです。フェンネルフラワーは多湿を嫌う花なので、植え替えた時に土が過湿の状態だと根が弱ってしまいます。一度根が弱ってしまうと復活させることはとても難しいので注意してください。

植え替えて1日程度状態を観察して、水が足りないようであれば霧吹きで土がほんのりと湿る程度にしてやります。日常の水やりにも注意が必要です。フェンネルフラワーは多湿を嫌う花なので水をやりすぎることは禁物ですが、あまりにやりすぎないでいると水分が完全に切れてしまい枯れてしまうんです。

毎日水をやる必要はありません。土が乾燥してきたら1日か2日おいて霧吹きで土を湿らせてやります。また水は土にやるようにして葉や茎の隙間に水が溜まらないようにしてください。葉や茎の隙間に水が溜まるとそこから腐ってしまいフェンネルフラワーは枯れてしまいます。

 

季節と天気で鉢を移動する

フランネルフラワーを育てるポイントは乾燥気味の状態にいつも置いてあげることです。原産地では雨が少なく乾燥した気候ですが、日本は雨が多いためフェンネルフラワーにとっては過酷な環境と言えます。常時庭先に出していると夏の暑さや湿気、雨で乾燥した環境を維持できずに枯れてしまうんです。

そのため鉢は季節と天気で移動させて、乾燥気味の環境を維持してあげましょう。フェンネルフラワーは夏の暑さにも冬の暑さにも耐性がありますが、梅雨の大量の雨や霜には弱く、傷んだり枯れたりします。そのため、夏は風通しの良い場所に、冬は軒下に移動してあげましょう。この時に日当たりが十分にある場所を選んでください。フェンネルフラワーは日当たりが良ければ季節を問わずに花を咲かせてくれます。

 

いかがでしたか。フェンネルフラワーが酸性で乾燥した土と乾燥した環境を好むのは原産地の気候風土がそうであるからです。どんな外来植物でもその植物が育ってきた気候風土に環境を合わせてあげることが元気に育てるポイントと言えます。

しかしフェンネルフラワーの原産地であるオーストラリアと日本では気候風土があまりにも違いすぎるため、せっかく買ってきたフェンネルフラワーを枯らしてしまう人も多いのです。生産農家ではフェンネルフラワーに合った土を作り、環境も乾燥した状態を維持して栽培しますが、一般家庭の花壇でそれをやるのはとても難しいでしょう。

花壇は無理でも鉢花として育てるのであれば土を合わせることも乾燥気味の環境を維持することも比較的容易です。地植えでは難しいフェンネルフラワーも鉢花なら育てやすい理由がここにあります。土と環境、それに水やりに気をつければ、初心者でも1年中フェンネルフラワーを楽しむことができますよ。

まとめ

フェンネルフラワーを元気に育てるには

・ 酸性で水はけがとても良い土を使おう
・ 鉢に植え替える時に水はやらないようにしよう
・ 水やりは土が乾燥してから霧吹きでやろう
・ 季節と天気に応じて鉢を移動させよう


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