宗教は何のために存在するのでしょう。そこにはいくつかの目的がありますが、その中で最も大きな意味を持つのが葬儀の行い方です。もちろん、信仰する対象や価値観、人としてのあるべき姿の指標となる等の大きな意味もあります。
ただ、これらは自分自身が宗教と向き合う際に必要なものであるため、信者でなければ学ぶ必要のないものかもしれません。しかし、葬儀となると話が違ってきます。
なぜなら、宗教のもとに行われた葬儀に参列する際には、マナーとして知っておく必要があるからです。マナーを正しく守ることは、宗教上において何より優先すべきことのひとつとなります。ここでは、献花を失礼なく行うために知っておくべきキリスト教の葬儀のマナーを紹介していきます。
献花を失礼なく行うために!
キリスト教葬儀のマナーと常識
白いカーネーションを捧げます
キリスト教の葬儀では、故人に対して白いカーネーションを捧げます。これに関しては、日本独特のものであり、海外では行われていない場合が多いです。
日本では、古来より個人に対して捧げるという考え方をしていたので、日本人がキリスト教の葬儀を行う場合には、白いカーネーションを捧げるようになりました。こちらは遺族の方から受け取り、捧げるというかたちになるので、正しく行うようにしましょう。
献花を行う順番が決まっています
献花を行う際の順番が決められているので、正しく守るようにしましょう。喪主に始まり、遺族、親族と進み、最後に参列者が献花を行います。参列者として献花を行う場合は最後になるので、注意してください。その際は他者の献花を見ながらどのようにするのかを確認することができるはずなので、葬儀の調和を乱さぬよう、しっかりと献花を行うようにしましょう。
献花の仕方を解説します
まず、ご遺族に対して一礼します。お花を受け取る際は、右手は手の平を上に、左手は手の平を下にして受け取りましょう。献花台の前までは花を上にした状態で歩き、献花台の前に立った時点で花の向きを逆にします。そして、花の根元を献花台のほうに向けて置いてください。その後、手を合わせて深く黙祷を捧げ、2歩程下がり、ご遺族に対して一礼して終了です。
お悔やみを述べてはいけません
キリスト教の考え方では、死をネガティブに捉えていません。死というものを、永遠の命の始まりとして捉えているので、お悔やみを述べてしまうと筋が違ってきてしまいます。悲しい気持ちや切ない気持ち、悔しい気持ちを抱えていると察しますが、お悔やみの言葉は述べないように気をつけてください。それがキリスト教の考え方に対するマナーとなります。
献花は焼香の感覚で行います
献花を行う行為自体が日本特有のものであるため、日本国内の一般的な葬儀と類似している点があります。一般的な葬儀では、ご焼香という形で故人に対して黙祷を捧げますが、キリスト教の葬儀でもその感覚に近いものがあります。故人に対する想いを込めながら、献花を行いましょう。きっとその想いは個人に通じるはずです。
会食にはお酒がでません
日本の一般的な葬儀では、会食の際にビールが出ると思いますが、キリスト教の葬儀においてはお酒がでません。自ら行動するというものではないため、何をどうするというわけではありませんが、「お酒はでないの?」等と質問してしまうとマナー違反になってしまうので、絶対に避けてください。
何に対してもそうですが、知っているべきことを知っているということがマナーを守るということに繋がるので、知識としてしっかりと持っておいてくださいね。
基本的には教会で葬儀を行います
キリスト教の葬儀は基本的には教会にて行われます。中には、斎場や自宅にて葬儀が行われることもありますが、基本的には教会で行われるものと覚えておいてください。
また、通夜のような形はキリスト教にもあり、カトリックの場合は通夜の祈り、プロスタントの場合は前夜式と呼ばれます。こちらに関しても同様に、基本的には教会にて行われますが、斎場や自宅にて行われることもあります。
いかがでしたでしょうか。
キリスト教の葬儀とはいっても、日本式の考え方が取り入れられたものとなっているので、日本人の方は理解しやすいと思います。特に参列者として葬儀に出席する場合は、他人の家に入っていくようなものとなります。
そのため、その家に失礼のないようにしっかりと振舞うということが、非常に大切になります。他所様のお家にお邪魔するという意識をもち、正しくマナーを守りましょう。それによって、故人の尊厳を守ることにもなります。一人の人間として、知っておくべき知識なので、ここで正しく覚えていってくださいね。
まとめ
献花を失礼なく行うために!キリスト教葬儀のマナーと常識
・白いカーネーションを捧げます
・献花を行う順番が決まっています
・献花の仕方を解説します
・お悔やみを述べてはいけません
・献花は焼香の感覚で行います
・会食にはお酒がでません
・基本的には教会で葬儀を行います