きゅうり栽培、失敗しない5つのポイント


自分できゅうりを栽培して、もぎたてを食卓に乗せられたら、美味しさも格別ですよね。少しくらい曲がっていても、新鮮なきゅうりのみずみずしさは自家製ならでは。

きゅうりは夏野菜の中でも栽培期間が短く、苗を植え付けてからおよそ40日後から収穫できます。株の張りが50cm、つるを伸ばして高さが1.5mほどになるのでナスやピーマンに比べてスペースは必要ですがプランターでも栽培できるし、最近は支柱がセットされたプランターもあるので初心者でも比較的取り組みやすい野菜です

でも、実の付く野菜は葉だけが大きくなれば食べられる野菜とは違って、そこから花を咲かせ実を大きくさせるためにはもう少し手間と時間が必要。そこで今回はきゅうり栽培、失敗しないポイントについてお伝えします

 

きゅうり栽培、

失敗しない5つのポイント

 

雌花だけでも実がつくきゅうりの品種は大きく分けて2つ

きゅうりは1つの株に雄しべだけを持つ雄花、雌しべだけを持っていて根元がきゅうりの形にふくらんでいる雌花が咲く野菜ですが、受粉しなくても実が付く「単為結果(たんいけっか)」という性質を持っていて、雌花の数=実の数になります。

そしてつるを伸ばしていく途中の節に咲く花の30~50%が雌花となる「飛び節成り(とびふしなり)」という特性を持っています。きゅうりの需要が増えるにつれ、伸びたつるの節ごとにそれぞれ雌花がつけばもっとたくさんきゅうりが取れる!ということで、改良によって節成り性(ふしなりせい)の品種が生まれました。

ただそれは必ずしもいいことばかりではなく、連続して雌花が咲き実を付けるとその分株の体力が落ちて、水や追肥をしっかりあげないと疲れて実が成長しない状態が起こります

一方飛び節成り性は時間をおいて飛び飛びに実をつけるので株の勢いが衰えず、その結果病気にも強くなり長い期間収穫が可能です。きゅうり栽培の入口は、早く一気に収穫したい場合は節なり性、少しずつでも長い間収穫したい場合は飛び節成り性と覚えておきましょう

 

栽培スペースと目的に見合った苗を選ぶ

家庭菜園のきゅうり栽培は主に苗から行いますが、まずは丈夫で育ちやすい接ぎ木苗を選ぶのが苗選びの基本となります。そしてきゅうり栽培をする場所によって品種を選んでいくことが先々の失敗を避けるコツ

最初から雌花がつく「節なり性(ふしなりせい)」の品種

1.親づるの節に実がつく「節なり性親づる型」(コンパクトで早い収穫が可能)
2.親づるの節と親から伸びた子づるの節にも実がつく「節なり性親づる・子づる型」

(葉やつるのボリュームが必要となり土台を大きくするためのスペースを取る)

2つあるのですが、狭いベランダでのきゅうり栽培は、コンパクトで早い収穫が可能な「節なり性親づる型」の品種を選ぶのがおすすめ。少し複雑ですがここを間違えると期待通りに収穫できないので、売場の専門の人にどこでどうきゅうり栽培をしたいか伝えて、苗選びのアドバイスをもらいましょう。

 

水を切らさず、あげすぎず

きゅうりはその95%が水分なのできゅうりの栽培にも「水」が重要なポイント。きゅうりは根が浅いところに張るので水が切れると根が乾燥し、十分に根を張ることができにくくなります。

4~5月に苗を植え付ける時には穴を十分に水で湿らせておき、接ぎ木苗の継いだ部分が土に埋まらないよう、排水性の高い土に植え付けたらたっぷり水をやります。苗と苗の株間は最低でも約40㎝は確保し、梅雨の時期は土が乾きにくいので湿っているうちは与えないよう我慢を

またきゅうり栽培では成長してからの葉水も効果的です。晴天が続いたら葉の裏に、霧吹きやジョウロなどで水をあげると萎れを防止し、乾燥すると発生しやすいハダニなどの予防にもなります

 

一番最初の実は大きくならないことのほうが多い

きゅうり栽培の最大のヤマ場、植え付けから1ケ月もすると念願の雌花が咲いて付け根の小さなきゅうりが目立つ頃です。今か今かと待ちきれない気持ちになりますよね。でも、その「一番果(いちばんか)」は、大きくならずに茶色くしなびてしまうかもしれません。

葉っぱの数が15枚程度の成熟しないうちについた一番果、二番果と呼ばれるきゅうりは、小さいまましなびてしまうことがしばしば。きゅうり栽培であせりがちなのは実が大きくならない時ですが、つるが大きく葉がいっぱい茂っている状態になる前は成長に養分を使ってしまうため実まで養分が届きにくいのです。

その為、最初にできた実は取ってしまい株の様子をよく観察して、追肥を少なくこまめに与えて水やりを続けて下さい。葉の色と勢いが良ければ支柱の高さになる頃の実はちゃんと大きくなるので、もったいない気持ちはぐっと抑えて。

 

病気や虫の対策は早めに

きゅうりのかかりやすい、うどんこ病は蒸れやチッ素肥料の効きすぎでカビ菌が繁殖して起こる、葉に白い粉のようなものがびっしりつく病気です。ベト病もやはりカビの一種が葉を黄色くし部分的に枯れたようになる病気ですが、これらは夜間の湿度の高い時に起こりやすいのが困りもの。

病気の葉は切り取り、胞子が他の葉に移らないように捨てた後、食品成分のソルビタン脂肪酸エステル薬剤などを使えば分解して野菜には残りにくいため、早めに処理をしましょう。収穫は手でちぎらずにハサミを使い、終わったらそれを消毒することも病気を防ぐことにつながります

虫はなるべく手で捕殺します。きゅうりだけでなく野菜栽培で病気や虫に出会うとくじけそうになりますが、体力の弱っている株がやられやすいのは人間と同じ。常に土がじめじめしているような状態を作らないように気をつけて、丈夫な葉が茂るように気を配ることが大切です

 

いかがでしたでしょうか。きゅうり栽培は、一度軌道に乗ると花がいくつも咲き、しおれてから実が大きくなるのが早いので、茂った葉に隠れて実を収穫しそこなうことがあるほどです。

また葉の陰に隠れて日当たりが悪いと実が黄色くなるので、混み入った葉は整理して毎日様子を観察してあげることで収穫量もアップしますよ。きゅうりはその95%が水分で、野菜の中ではビタミンK以外は少なく栄養がなさそうに思われがち。

しかし、1本にはカリウム200mgが含まれ、体の中から余分な水分や塩分を排出してくれますし、きゅうりが嫌われる原因の青臭さの元であるピラジンは血液をサラサラにする成分なので、熱のこもりやすい夏場には積極的に摂りたい野菜の一つです

生で食べるのはもちろん、豚バラ肉を巻いてさっと炒めた肉巻ききゅうりなども美味しいので、ぜひ毎日の献立に取り入れて自家製きゅうりをいろいろ楽しんでみて下さいね。

まとめ

きゅうり栽培で失敗を避けるためのポイント

・きゅうりの性質をよく知る
・全体の大きさを考え栽培するスペースに合った苗選び
・根付くまでは乾かさないよう注意、根付いてからは乾いたらたっぷり水をやる
・株が充実するまでは実が大きくならないので一番果は摘み取る
・過湿は病気や虫を呼ぶ原因になるので見つけたら早めの対処をする


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