水耕栽培に適した5つの野菜・果実


土を使わない水耕栽培で育てた葉物野菜や果実を、最近はスーパーでも頻繁に見かけることが多くなりましたよね。葉物野菜を洗っている時に細かな土のゴミが出てきて、それを洗い流すのにイライラ・・・ということがなく、さっと水で流すか、中には水洗いの必要がほとんどないくらいのクリーンな野菜もあって料理をするのに大助かりな水耕栽培。

水耕栽培というと、管がいくつも通っている水槽に浮いたレタスやトマトがいくつも集まった上にライトが煌々と光っている、無機質な植物工場のような光景を思い浮かべるかもしれません。しかし、そんなに大規模でなくても家庭でも意外と手軽に水耕栽培ができるものがあるのですよ。そこで今回は水耕栽培に適した野菜・果実についてお伝えします

 

水耕栽培に適した

5つの野菜・果実

 

超簡単なスプラウト類

スプラウトにはカイワレのように葉先を食べるもの、モヤシのように根を含めた全体を食べるものとありますが、どちらも超簡単ながら立派な水耕栽培。ヒヨコ豆・レンズ豆・ブロッコリーなど好きな種をガラスジャーに入れて少しの水を注ぎ、毎日種を軽く洗いながら水をさっと切って薄暗いところに置くと、3~5日もあればサンドイッチにサラダにと大活躍してくれます。

CMでもおなじみの豆苗は高さ2cm程度のところにある脇芽を残して切り、窓辺など光が当たるところに置くのが、次に出る芽を長く伸ばすコツ。2回目は伸びにくく水も汚れてくるので1回限りと割り切って。注意したいのは、気温が20度以上になると水の温度が上がりやすく腐りやすいこと。水は毎日取り替え、涼しい環境で行うとたくさん収穫できます

 

ちょっとだけ使いたい時に便利な、道具要らずの野菜

根元がスポンジに埋まっている状態で売られているサラダホウレンソウ、ルッコラ、ミツバやネギなど根が残った状態で売られているものや、クレソンのように節に細い根が出ているようなものならすべて水耕栽培が可能です

上をカットしたペットボトルとスポンジなどで新芽からも栽培ができますが、一から育てられなくても切った根元を捨てずにコップなどに水を入れて挿しておくと脇から次々と新しい芽が伸びてくるので、欲しいだけ切ればOK。

ただしこの場合はそれほど長い間使えない事と、また根が消毒されていたり細かい根がなく太い部分だけだったりするとうまくいかないのが欠点。根元がぶよぶよになってきたら潔く撤退するようにしましょう

 

葉物野菜も養液の中ですくすく育つ

ここまでお伝えした水耕栽培の水は、ただの水道水。それは、短期間で栽培を終えるので養分や酸素もたくさんは必要がないからです。でも、サラダ菜、レタス、水菜といった葉物野菜を食べられるレベルに育てるにはそれだけでは栄養不足。そこで、養液(ようえき)という、栄養分を溶かした水の出番です

この養液作り、普通の液体肥料を水道水に溶かしてもやれないことはありませんが、それだけでは鉄やカルシウムなど必要要素が足りません。ハイポニカなどの水耕栽培用の液肥を薄めて養液を作ったほうが最初からうまくできるのでおすすめ

最初は普通のポット苗の根を洗って養液の中に固定する方法がうまくいきますが、もし、種から始めたい場合は発芽にはこの栄養素は邪魔なので、スポンジを使って種まきするなら必ず水道水を使って下さい

 

人気抜群のトマトも可能

育ててみたい野菜の中で常にナンバーワンと言って良いトマトも、水耕栽培で立派に育ちます。トマトは草丈も高く伸びるので養液の量の減りがとても早く、プランター栽培で必要とするスペースと同じくらいの容器と養液が必要になりますし、実を色づかせるためには日当たりも不可欠。

そこで屋外に出して日に当てるのですが、養液を温めてはいけないので容器を遮光して、ネットなどを使って虫を防ぐ、養液を補充する、と作業が忙しくなるのでいきなり中玉以上のトマトではなく、水耕栽培初心者の方はミニトマトから始めることをおすすめします

実のなる野菜としてはピーマンやスナップえんどうなども初心者向きです。そして、もっと収穫を期待するのであれば、根っこに酸素をたくさん送るためのエアレーションポンプもあったほうが良いのですが、これらの道具を自己判断だけで購入するのは失敗の元なのでやめるべき。専用のキットも売っているので、信頼できる専門店で相談すると良いでしょう。

 

洗わなくても食べられる水耕栽培のいちご

真っ赤ないちごをお腹いっぱい食べられるいちご狩り。目の高さに手を伸ばせば、空中のいちごを摘むことができるいちご園に行ったことがある方も多いのではないでしょうか。そう、いちごも水耕栽培で育つのです!

売っている苗の土をきれいに洗い流してからしっかり苗を固定させて育てますが、いちごの味が薄くなりやすいので、養液は専門家の勧めるものを使うのがポイント。ほどなくして、葉っぱやランナーという子苗も伸びてきますが、ここで摘葉(てきよう)という葉を摘む作業をします。

縁が茶色や黒っぽい葉・ツヤのない葉は老化しているので指先で左右に動かすとポキッと取れます。他に元気のない葉や白っぽい斑点などが出ている葉も病気の可能性があるので摘み取りを。花が咲いてきたら小さい筆などで受粉させると形の良いいちごになりますよ

 

いかがでしたでしょうか。もちろん、お日様の匂いがする畑から引っこ抜く大根やサツマイモなどの良さも捨てがたいもの。土で育てた野菜には力強い大地の恵みを感じられるのも事実です。

しかし、水耕栽培は、なんといっても一年中安定して収穫ができるのが最大のメリット。日照不足や水害など天候不順で価格が3倍以上になることもある葉物野菜は特にありがたいですね。

そして考えたくはないけれど、土壌汚染などが起きた場合には本当に頼りになる方法です。光さえ確保すれば室内でも栽培できて成長も早く害虫の被害もほとんどないところから、家庭用の水耕栽培のセットも1万円前後から買えるようになってきました。

水耕栽培器がセットされた分譲マンションなども注目を浴びています。気になる栄養価も、むしろ高いものができることがわかっている水耕栽培。食べられるグリーンインテリアとして、これからますます期待が持てますね!

まとめ

水耕栽培に適した代表的な野菜や果実

・道具要らずで超スピード収穫のスプラウト
・ミツバをはじめ根のついた葉物野菜は再生も可能
・切らしたくないサラダ菜やレタスは比較的簡単
・慣れてきたらトマトにもチャレンジ
・洗わずに食べられるいちご


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