パンジーは寒い冬から春までを豊富な色数で彩り、上手に育てればたくさん花を咲かせてくれるので一種類植えるだけでも楽しめる他、寄せ植えにも向いているのでガーデニング初心者から経験者まで多くの人が育てる人気の花ですよね。
安価な苗もたくさん出回り入手しやすいので初心者は特に鉢植えやプランターを満たす為に何個も購入してしまいがちですが、パンジーの増やし方を知っておけば苗をたくさん買って植え付けなくても良くなります。
やはり鉢植えやプランターに隙間があるよりも、こんもりとしている方が見た目が良くエネルギーを感じますから、簡単にできるパンジーの増やし方を知って苗を増やし、賑やかなガーデニングスペースを作りましょう。そこで今回はパンジーを上手に増やすコツについてお伝えします。
摘芯と切り戻しで花を増やそう
パンジーは摘芯と切り戻しで花を増やします。まだ株が小さいうちは脇芽を増やして花数を増やすための摘芯なので、葉の根元にある小さな新芽を落とさないように新芽の上の葉を切り落とします。
冬から植えている株や、大きく育っている株はおおよそ3月を過ぎて20度以上の気温を維持できるようになってきたら花や葉が蒸れてしまわないように、多少新芽を切り落とすことになっても全体の3分の1から約半分程度を切り戻して風通しを良くします。
株が大きくなっていたら一つ一つ切る場所に注意して切り戻さなくても、大体の目安でザクザク切っても問題ありません。切った場所から脇芽が出て、すぐにこんもりとした姿が見られますよ。
切り戻した茎で挿し穂を作る
パンジーがある程度大きくなれば、切り戻す量も増えていきますが、切り戻したたくさんの花茎をそのままゴミとして捨てるのは勿体無い!切り取った部分はそのまま挿し穂にできて、上手く根が出たら新しいパンジーの株として育てていくことができるので長さを4、5cm程に整えてからすぐに水に放ち、1時間〜2時間程度吸水させます。
1時間〜2時間経っても張りが戻らずシャンとしない茎は根が出にくいので除外し、残った元気のある茎を挿し穂候補として使います。上から3〜5枚の葉を残し、残した葉が大きければ清潔なハサミで半分にカットし、下部の葉や新芽は取り除いて下さい。
その後は水に切り口を浸けておいたり、新しい土にそっと植えて、風が当たらない日陰に置いておくだけ。土に挿し穂を植える場合は乾燥すると根が出ないので水やりは水を切らさないように行いましょう。
挿し穂を軽く引っ張ると抵抗を感じるようになれば鉢に植え付けて大丈夫。挿し穂は真冬でなければ作ることができますが、確実に根が出るわけではないので複数本作っておく方が安心です。
挿し穂の発根率を上げる方法
パンジーは発根しやすい植物ですが、発根率を上げたいのであれば発根剤と呼ばれる切り口につけたり、水に入れて発根を促す薬の使用がおすすめです。根が出る部分に発根剤をつけてから植えたり、挿しておく水に発根剤を入れておくと発根率を上げることができます。
また、使い古した土で育てたり、何日も同じ水に放置していると雑菌によって根が出ないこともあるので、新しい土を使ったり、毎日水を換えるようにして下さい。水に挿して発根させる場合は毎日の水換えと共に延命剤を混ぜることで挿し穂が傷みにくくなるので水挿しで挿し穂を作る場合は活用しましょう。
秋までにパンジーを増やす方法
パンジーは夏に弱い植物で、夏越しは諦めて秋になったら新しい苗を買うのが賢明ですが、どうせ枯れてしまうのなら水挿し穂を作って秋までに苗を作るという手もあります。
寒い時期の挿し穂と違って成功率は低いですが、全くできないわけではありません。挿し穂は水分の蒸発を防ぐために少し葉の数を少なくしたり、葉を半分に切り落とし小さめに整え、切り口に発根剤を塗布したものを使って下さい。
冷房や扇風機などの風に直接当たらない涼しい場所に置き、水換えはこまめに行い、その都度延命剤を忘れずに入れます。パンジーの挿し穂の夏越しはその年の気候でも成功率が変わりますから運試しのような感覚でチャレンジしてみて下さいね。
少し高くても良い苗を購入する
安い値段で売っている小さな苗をたくさん買うなら、一つ、高い値段のパンジーの苗を買ってみて下さい。80円と200円の苗では花つきや丈夫さが驚くほど違っていて、パンジーを増やしたいのであれば早く根が出やすく丈夫なため成功率が高いと言える高値の苗の方が向いているからです。
ただ、安価な苗では増やせないというわけではないので、安価な苗でもこまめな摘芯で脇芽を増やして、株がある程度大きくなってからたくさん切り戻した時に挿し穂を作るのをおすすめします。
さて、パンジーを増やすのは挿し穂の作り方と管理のコツを踏まえておけば、夏場でない限りたくさんの苗を作ることが可能なことがわかりました。順調であれば挿し穂は1ヶ月もすれば発根し、その3〜4週間後には最初の花が咲くので秋にパンジーを1株用意すればそこから作った挿し穂を育てて春までにプランターを埋める程の花を咲かせることだってできます。
ただ、いくら成功率が高いと言っても根が出て挿し穂が安定するまでは気になったり不安に思ってもできるだけ引っ張ったり指を入れたりしてストレスを与えないようにして下さい。
今回お伝えしたコツを押さえておけばパンジーの挿し穂は初心者でも高確率で成功させることができるため、発根した小さい苗を植えられずに結局捨てなければいけなくなる場合もありますから、挿し穂の作り過ぎには注意しましょう。
まとめ
パンジーを上手に増やすために知っておきたいコツとは
・花数を増やす為に摘芯と切り戻しを行い挿し穂を作る
・挿し穂はを4〜5cm程に整え葉を3〜5枚程残し根の出やすい挿し穂を作る
・根が出る部分に発根剤を塗って成功率を上げる
・11月〜12月に挿し穂を作ると成功しやすい
・丈夫で花つきも良く、挿し穂が発根しやすい高値の苗を購入する