プランターで野菜を増やす5つの方法とは


プランターからちょっと野菜をとってきて料理にサッと使えたら、とっても便利ですよね。多少見た目が不格好でも、葉が増えたり実がなったりするプロセスを知っていると美味しさもひとしおです。

いざプランターで野菜を育てようとすると、土や肥料、防虫対策、支柱など最初はお金がかかります。そして注意を怠ると虫や病気、生育不良、実がならないなどと色々な問題が起こり途中であきらめてしまって、結局買うより高くつくことも多いのです。

そこで今回はプランターで野菜を増やす5つの方法とはについてお伝えします。投資に対して少しでも収穫量を増やしていくことで野菜作りを継続していければ、コスパも徐々に安定してきますよ。

 

プランターで野菜を増やす

5つの方法とは

 

深いプランターと質の良い土が必要

寄せ植えなどでガーデニングの経験があると、野菜用のプランターがやたらに大きいと感じませんか。花を植えていたプランターを野菜に流用できたら買わなくても済むからと、野菜苗を植えた経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

例えばすっかり定着したゴーヤの緑のカーテンも、浅いプランターに植えてあるゴーヤは葉の色も薄く勢いもイマイチで、カーテンにしても貧弱で実の量も少ないのです。野菜は花を咲かせれば役目がほぼ終了するのと違い、地中からたくさんの栄養分と水分を吸収しないと食用に耐えるレベルになりません。

ですから野菜をプランターのように限られた空間で増やすには、多くの土が必要なのです。そしてその土も栄養分がたっぷり入っていて水をきちんとため込みつつ水はけも良いという条件が不可欠です。そのためにはぜひ、25リットルの培養土と深さ30㎝程度のプランターを最初に揃えてください。

 

早くから使うことができて長く使える葉物野菜

プランターで野菜を育てる場合、1つの苗に1つしか食べる部分のないタマネギ、ブロッコリー、白菜などはそれだけでプランターを占領してしまいます。プランターでの野菜作りを効率良くまわせていくようになるとそれらの大物も夢ではありませんが、まずは葉物野菜を種から育て、若葉と大きくなった葉を少しずつ長く利用するのをおすすめします。

ベビーリーフミックスは組み合わせの種類も豊富で土の栄養分も急激に減ることがないため、次々に種をまけば新鮮な葉を市販の3倍以上確保できます。根を抜かずに切り取るとそこからまた新芽が出ることもあるんですよ。

また、リーフレタス(サニーレタス)は葉が展開したところで収穫でき、地上部分が横に広がっても20㎝くらいなので、狭いスペースでも育てられます。間引いた株はベビーリーフとして使い、元気の良い株数株をそのまま育てて外側から切り取っていけば長く使えます。

 

1本でたくさん実を収穫できる優秀野菜

プランター野菜の中でダントツ人気を誇るミニトマト。とはいえ花をたくさん咲かせその全部の実を回収するのはなかなか根気と努力が必要です。ミニトマトは苗から育てますが、5号苗(直径15㎝のポット)で、つぼみが付いている苗を購入するとすでに花を咲かせる準備に入っているので早く実を取ることができます。

優秀なのがオクラで、苗から育てたほうが早く2ケ月くらいで次々と枝状に花をつけて実ができます。支柱を立てる必要がありますが、花も刻んでかつおぶしなどと混ぜて食べられますし春から夏に1本あるととても便利です。2~3本立てのポットは株を分けないで植えて生育の悪い株を切って、根を傷めないようにしましょう。

シシトウやトウガラシは同じナス科で、虫もつきにくく放っておいても実がたくさんなるくらい丈夫です。実をつける野菜に共通することですが、肥料を多めに欲しがるので1回は追肥をあげることが重要です。

 

害虫や病気対策はコンパニオンプランツや捕殺などできる範囲で

野菜の若くて柔らかい葉は、害虫も好みます。特にベランダではプランターで野菜も花も育てている場合、植物同士の距離が近くなり、風通しが悪くなるため蒸れて熱がこもる部分が増えがちです。そうすると害虫や病気が増えてきます。

木酢液やニンニクなどの自然の防虫対策もいろいろありますが、効くか効かないかはその時の状況にもよるので、効果がないばかりか臭くなったり枯れる原因になったりするのが残念なところです。

あえて虫に弱い植物で害虫をそちらに誘導するバンカープランツ、根に微生物がいるなどで病害虫を防ぐ働きを持ち生育を助けるコンパニオンプランツといった植物を一緒に植えるのもプランターで野菜を丈夫に育てるためのひとつの手段です。

コンパニオンプランツは相性の良し悪しがありますが、マリーゴールドやナスタチウムは有名なコンパニオンプランツです。予防対策は、毎日葉の裏までチェックするクセをつけ、見つけたらすぐに取り除き近くに捨てないことです。防虫ネットをかぶせて育てるのもおすすめです。

 

土を再利用して野菜作りをくりかえそう

プランターで野菜を育てる時、適当な時期に追肥をして栄養分を補給しますが、それでも収穫を終えるころの土は栄養分がほとんど使われてしまい、やせた状態です。また水やりによってすき間のあった土の粒がくっつき合い石のような固まりもできます。

土のままプランターで野菜を作ろうとすると生育が極端に悪くなります。また、連作障害といって同じ作物を同じ土で連続して育てることで、有害な成分の増加や大切な微量のミネラルなどが欠乏する状態が起こりやすくなります。

一度使った土は、根やゴミを取り除き天日干しして消毒した後、再生材を混ぜて栄養補給することで甦ります。もともと品質の良い土ならばリサイクルしても3回くらいは使うことができます。

 

いかがでしたでしょうか。プランターでの野菜作りは、最初のうちは苦労が多いかもしれません。初心者でも簡単に育つと言ううたい文句が意外とそうでもないということに気が付くはずです。また、野菜は特に品種だけでなく環境によって生育が変わってしまうので、一概にこのやり方がベストだといえないのがむずかしいところです。

種や苗で失敗したくない、大きなスペースが取れないのなら、ミニ野菜やラディッシュなどサイズの小さいものを作ったり、根のついた野菜の根元5~6㎝をカットしてプランターの隅にただ埋めるだけで気楽に野菜作りを行うのも良いでしょう。

ネギやワケギはプランターがいっぱいになるくらい増やすことができます。でも、一度成功するとおもしろいくらい収穫できるのがプランターでの野菜作りの醍醐味です。少しくらい失敗しても、とれたての野菜の味は格別なのですから、ぜひこの方法で野菜作りを楽しんでみてください。

まとめ

プランターで野菜を増やすには

・深さのあるプランターと、質の良い培養土を多めに用意する
・新芽、若葉、成長した葉を順々に楽しめる葉物野菜を種まきする
・実がたくさんついてロスの少ないオクラ、シシトウ、トウガラシはおすすめ
・野菜と相性の良い植物「コンパニオンプランツ」などで丈夫に苗を育てる
・使用後の土は日光で殺菌し改良剤を入れ、休ませながらリサイクルする


連記事