オクラの育て方に必要な5つのポイント


夏野菜のオクラは、野菜でありながらスタミナ食材の一つですよね。宮崎県産や沖縄産がよく出回っているので、暖かい九州以外ではオクラの育て方って難しいのかなと思うかもしれません。実はオクラは北海道も含む日本全国で問題なく育つ野菜なのです。

最近では北海道も夏の気温が30度を越える地域もありますが、そこまでにならなくてもオクラは地温が10度を下回らなければ育ちます。1本のオクラの株から大体20~30本は収穫できますし、しかも順々に実ができるので10本セットの買ったオクラを保存するためにゆでて冷蔵庫に入れるという手間もいりません。

オクラは種まきでも苗を植えても育て方はそう難しくはない野菜です。でも、いくつか押さえておきたい注意事項があります。そこで今回はオクラの育て方に必要なポイントについてお伝えします

 

オクラの育て方に

必要な5つのポイント

 

種まきや植え付けは十分暖かくなってから

オクラの育て方で大事なのはまず気温と日当たりです。オクラは15度を下回ると生育が悪くなり、10度以下だと成長が止まります。苗を植え付ける時には十分に気温が上がってから土の温度が上がった頃に行って下さい。朝晩寒いうちに苗を植えたり種まきをしたりすると、成長が良くありません。また霜も大敵です。

オクラの育て方の中で勘違いしやすいのは生育不良を水不足のせいだと思ってしまうこと。そこで水やりの回数を増やしてしまうとさらに地温が下がって、オクラはたちまち枯れてしまいます。寒冷地などでは暖かくなっても急に冷え込む場合に備えて、畑に植える場合は黒いマルチで土を温めると安心です。

 

苗の植え付けは慎重に

オクラの育て方で勘違いを起こしやすいのが、ホームセンターなどで売っている2~3本が1つのポットに入った苗をばらばらにして植えるかそのまま植えるか。オクラは1mくらいになる背の高い野菜なので、普通はポットから苗を引き抜いてばらばらに植えるのだろうと思いますよね。

ところが、オクラは根が真っ直ぐで細い根が少なく、苗の頃はとてもデリケートです。苗を分けてしまうと根が切れたり傷んだりして植え付けてからの成長が悪くなるだけなので、まずそのまま定植しましょう。その後は生育の悪い苗だけ地面の上からカットします。

ただ、植えてからは絶対に1本にしなければならないというわけではなく、2本立て、3本立てのままであっても間違いではありません。茎が細いと実も柔らかいものが採れるという利点もあります。しかしながら成長すると葉や茎が広がるので風通しが悪くなり病気の原因にもなるので、2本立て程度にとどめるのが得策です。

 

少なめの肥料を途切れずに与える

オクラは成長期の伸びがとても早く、本葉が5~6枚になると一気に成長します。その頃には植え付けた時の肥料分が足りなくなってくるので、追肥を行いましょう。追肥の目安は1回あたり固形の化成肥料約10g、株元から離れた場所に全体的にばら撒きます

水の代わりに1週間に一度液肥を薄めたものをやっても良いです。また、プランター栽培では、水やりで土が減って根元が安定しなくなってくるので、追肥のついでに土を足す(増し土)を行います。支柱も立てて風で倒れないようにすることもポイント。

 

伸びてくるわき芽を切るか伸ばすか

オクラの育て方について説明されている書では、わき芽を取ったほうが良いという説と、取らなくても良いという説の両方があります。これはどちらも正しいのです。オクラは主枝(中心の枝)から斜め上に向かってわき芽が伸び、葉柄が長めに伸びて葉が広がって成長します。

トマトほどわき芽が伸びて始末に負えなくなることはありませんが、地面に近いところで出てくるわき芽は、根元に風が通らなくなりがちなので切ります。主枝に栄養が集まることで養分が分散せずに実の付きも良くなりますが、一方で主枝を伸ばしすぎると2mを超えることもあるので、そうなると収穫作業も大変ですよね。

7~8月には高さの限界を決めて一番上の部分を切り、逆にわき芽を出させるようにするとサイズが落ち着き、そこからまた花が咲き、実が付きます。果菜は、何番目の節の芽を伸ばすとか、何番目の花を残すとかによって収穫量が極端に変わるセオリーがあるので初心者にはわかりにくい面がありますが、オクラの育て方は神経質にならなくても大丈夫

 

収穫と収穫後に覚えておきたいこと

オクラは定植してから2ケ月ほどで収穫できるようになります。サイズが6~7㎝になった時が一番美味しい頃合いです。ピークになると次々と大きくなるので、莢が柔らかいうちに収穫するのが美味しいオクラを食べられる良い条件ということを忘れずに。

そして、オクラの育て方の中で忘れてしまいがちなのが、収穫後に実のついていたところの付け根から出ている下の葉っぱを取ってしまう作業です。一見、大したことではないように思えるこの作業ですが、実への水分や養分がもう必要なくなった途端、今度はそれが残った葉の方に流れてしまい実まで行き渡らなくなってしまうのです。

実を付けるということは植物にとってとてもエネルギーを使うことなので、葉が多いとそれを伸ばすことに水分や養分を使ってしまいます。葉が混み合っている時は風通しも良くないので、実の付きが悪くなってきたと感じたら切り詰めてやると復活します。

 

いかがでしたでしょうか。このように熱帯原産のオクラは乾燥にも強く、オクラの育て方は果菜の中で簡単で初心者でも育てたオクラを収穫できます。オクラは野菜の中では珍しく観賞価値の高い大きくて綺麗な花をつけます。

それは、オクラがハイビスカスやムクゲ、フヨウといったアオイ科の植物だから。薄いクリームがかった繊細な黄色の花と、手のひらサイズのアイビーに似た葉を広げながら上に横に広がって成長する姿も、フヨウの姿と重なります。

花は花弁が薄く刻むと削りカツオのようで、懐石や割烹料理では刻んだオクラの花に削りカツオをかけた和え物が出されることもあり、サクサクした歯触り。オクラは水溶性の食物繊維ムチンを多く含み、粘膜を保護するので胃を守る働きがあり、鉄やビタミン類、カルシウムも豊富な夏の優秀野菜オクラ。ぜひ家庭で採れたてのオクラを味わってみてはいかがでしょうか。

まとめ

オクラの育て方で押さえておきたいポイント

・種まき・植え付けは十分に地温が上がってから
・ポット苗は2~3本の苗が植えてあるので崩さない
・本葉が5~6枚になったら1週間おき程度に追肥と増し土を
・わき芽は摘まないで伸ばすとそこに花が付くので収穫量が増える
・収穫したら実のすぐ下の葉を切って養分が葉に流れるのを防ぐ


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