ポインセチアの花は、毎年茎の上部が赤く色づいて、クリスマスシーズンを飾ってくれています。冬に出回る植物なので、クリスマスギフトとしてだけでなくお歳暮としても喜ばれます。
赤く色づく部分は花を守る役割をする苞(ほう)です。苞の中央部にある黄色い小さな部分を守っています。
ポインセチアはトウダイグサ科の多年草で、メキシコ西部や中央アメリカを原産としています。ポインセチアの花が花を咲かせるのは11月頃から翌年の1月頃まで。ポインセチアの花の定番の赤のほか白やピンク、黄緑などの品種があります。
メキシコの先住民であるアズテク属は、ポインセチアを古くから利用してきました。ポインセチアの花の苞からは赤紫色の色素をとり、切った部分から出る白い樹液を解熱剤として使っていたと言われています。
今回はポインセチアをお歳暮などで贈る際に届けたい、花言葉やエピソードをまとめてみました。冬の花としてお馴染みのポインセチアですが、どんなメッセージや伝説があるのかは意外と知られていないのではないでしょうか。ポインセチアにまつわるお話を知って、花に添えて届けてみてください。
ポインセチアをお歳暮に☆
届けたい7つの花言葉とお話
赤いポインセチアの花言葉を届けよう
ポインセチアの定番カラーは赤です。
【赤いポインセチアの花言葉】
・「祝福する」「聖夜」「聖なる願い」「私の心は燃えている」などがあります。
ポインセチアの花の形は星を連想させます。キリスト教徒であれば、キリスト生誕の際に東方の三博士を生誕の地へと導いた、ベツレヘムの星が思い浮かぶことでしょう。
またポインセチアの赤い苞と緑の葉は、キリストの血と永遠の命を表わす聖なる色とされています。ポインセチアに祝福や聖なる願いを読み取るのは、このような理由からです。
ピンクのポインセチアの花言葉を届けよう
ポインセチアは品種改良が進み、様々な色合いのものが作られています。ピンク色のポインセチアは赤いものと比べて柔らかい色合いで人気があります。
・プリンセチアとも呼ばれるピンクのポインセチアは、女性が好む愛らしい色合いをしています。
【ピンクのポインセチアの花言葉】
・「思いやり」「清純」です。
女性らしさをイメージさせるピンク色のポインセチアは、いつも思いやりを感じさせるような方へのお歳暮にぴったりです。ピンクのポインセチアを眺めているだけで、優しい気持ちを運んでくれるような気がします。
白いポインセチアの花言葉を届けよう
クリームがかった白いポインセチアの花は、赤やピンクとはまた違う魅力があります。赤との対比として鉢を並べたり、寄せ植えしたりする方も多いことでしょう。白い斑の入ったものや霜降りのような品種もあり、それぞれに美しく贈り物として喜ばれます。
【白いポインセチアの花言葉】
・「慕われる人」や「あなたを祝福する」です。
日頃から尊敬している方や、ずっと慕っている方へのお歳暮として活用してみてはいかがですか。ぬくもりを感じさせる白いポインセチアがあなたの気持ちを伝えてくれることでしょう。
ポインセチアと修道士たちのエピソード
原産地であるメキシコでは、ポインセチアを「ノーチェブエナ(聖夜)」と呼びます。これは、17世紀にフランシスコ修道会の修道士たちがメキシコに渡り、この地に住みついたことに由来しています。
先ほどお伝えしたように、ポインセチアの赤と緑はキリストの生誕や永遠性をイメージさせる聖なる色です。
【ポインセチアは縁起の良いとされる要素】
・修道士たちは生誕祭の行列にこの花を使うようになりました。
・苞の星型がベツレヘムの星をイメージさせます。
・赤と緑という聖なる色が、キリストの生誕と永遠性をイメージさせます。
・ちょうどクリスマスの時期に咲くこともひとつです。
このような要素が重なって、ポインセチアはたいへん縁起のよい植物とされたのです。
一人の貧しい少女の伝説を知ろう
メキシコには次のような言い伝えがあります。
【ポインセチアにまつわるメキシコの言い伝え】
クリスマスイブの夜、貧しい農家の娘が悲しみに暮れていました。両親が病気で家も貧しいので、クリスマスだというのに何もイエス様に捧げるものがなかったのです。
村の人々はクリスマスを祝って豪華な贈り物を持ち寄り、教会に集まっています。
悲しく見つめる少女の前に、一人の老人が現れて「君の誠実な愛を神様に捧げればいいのだよ。神様はそれをしっかり受け止めてくださるのだから」と告げたのです。
少女は雑草を集めてブーケを作り、捧げました。村人がそれを見てバカにしたので少女は顔を赤らめました。その途端、雑草は美しい赤色の花に変わったのです。これがポインセチアだと言われています。
名前の由来となったアメリカ人外交官を知ろう
ポインセチアが世界に知られるきっかけとなったのは、一人のアメリカ人外交官です。
【ポインセチアが世界に知られた歴史】
1824年から1829年にアメリカの初代メキシコ駐在大使となったのがジョエル・ロバーツ・ポインセット氏です。ポインセチアの名前はポインセット氏に由来しています。
ポインセット氏は植物学に造詣が深く、メキシコで出会った植物をアメリカに持ち帰ります。
アメリカで品種改良が加えられたものが世界中に広まったと言われています。ポインセット氏の功績にちなみ、この植物がポインセチアと命名されたのでした。
メキシコ先住民の言い伝えを知ろう
メキシコでは古くからポインセチアを薬草として用いてきました。メキシコ南部の先住民であるチョンタル族には次のような言い伝えがあるそうです。
【チョンタル族のポインセチアにまつわる言い伝え】
アステカ帝国に支配されて、チョンタル族をはじめとした先住民たちは重税に苦しめられていました。そこである時、チョンタル族はアステカ帝国に対して反旗を翻すこととなりました。
しかし強大な勢力を持ったアステカ帝国の兵力によって、チョンタル族の戦士たちは次々と戦に倒れて命を落としました。彼らの体から流れ落ちた血から新しい命が芽生えるかのように、ポインセチアの葉が芽生えたと言われています。
ポインセチアの花言葉やエピソードの数々はいかがでしたか。冬を彩る花として定番となっているポインセチアですが、意外と知らない知識もあったのではないでしょうか。
お歳暮としてポインセチアを贈る際には、花言葉やちょっとしたエピソードを添えると効果的です。花にまつわる背景を知ることによって、花への愛着がより感じられることでしょう。
フラワーショップでは季節になるとお歳暮としてぴったりな、立派なポインセチアの鉢がたくさん並んでいます。
赤だけではなく、品種改良によって様々な色合いのポインセチアが楽しめるようになり、目にも鮮やかです。ポインセチア単独でも見ごたえがありますが、ゴールドクレストやシクラメン、ヘデラといった植物と寄せ植えした豪華なプランターもインパクトがあります。
色合いの淋しくなってくる季節を鮮やかに彩ってくれるポインセチアを贈って、大切な人を喜ばせてあげてください。贈る時にポインセチアの手入れ法を添えても、喜ばれるでしょう。ポインセチアは大切に育てれば、毎年キレイな花を咲かせて、クリスマス時期を彩ってくれます。
まとめ
お歳暮に添えたいポインセチアの花言葉と言い伝え・「聖なる願い」「私の心は燃えている」という花言葉を届けよう
・「思いやり」「清純」という花言葉を届けよう
・「慕われる人」「あなたを祝福する」という花言葉を届けよう
・ポインセチアは修道士にとって、とても縁起の良い花
・一人の貧しい少女が頬を赤らめると、ポインセチアが
・アメリカ人外交官が持ち帰り、ポインセチアを世界に広げた
・戦に倒れた戦士たちの新しい命、ポインセチア