発芽に失敗して折角蒔いた種がうまく育たず芽が出なかった、芽が枯れてしまった、そんな経験を持つ方々も多いですよね。種を蒔いて植物を育てる…。誰しもが子どもの頃などに学校やご家庭で、一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
子どもの頃にはきっと難しいと感じなかったこの工程。しかし園芸において発芽は、意外と最初の難関になりやすく、園芸初心者の方は、育てる植物によっては種からではなく買ってきた苗から育てることを勧められたりすることがよくあります。
しかし、折角植物を育てるのであれば、苗を買ってくるのではなく、自分で種を蒔いて発芽する喜びも味わいたいものですよね。そこで今回は、正しい発芽のさせ方を、7つのポイントともにお伝えします。
是非、種から育てて、園芸初心者を脱却し、より多くの栽培の楽しみを味わってみてください。
発芽の方法、正しい手順☆
失敗しない7つのポイント
ポイント① 種の選び方
種から育てる場合、種の鮮度が発芽率に大きく関係するので、気を付けなければなりません。
【 発芽のポイント:種の状態 】
★ 種は古くなればなるほど、発芽率が低下することには注意!
・ そのため、収穫されてからあまりに時間が経ってしまったものは避け、できるだけ1年以内に収穫された種を使うようにしてください。
さらに新しい種であったとしても、適切な保存がされていなければ、こちらも発芽率の低下に繋がってしまうことに…。自宅で採取した種を使う場合などは特に、冷暗所で保管しておくなど、植えるまでの保存方法にも注意が必要です。
ポイント② 種を蒔く時期
上手に発芽させるためには、植えた植物の種蒔きに適した時期に、種を蒔くのがベスト。これを、「蒔き時」と言います。
【 発芽のポイント:撒き時 】
★ 一般的に種の蒔き時は、春蒔きと秋蒔きの二つあるので、それを意識して選ぶのがポイント!
・ 店頭で種を購入する場合は、種のパッケージの裏側に必ず蒔き時が記載されているので、参考にするようにすれば大丈夫。
もし蒔き時よりも時期が早すぎたり遅すぎたりすると、気温が合わずに、折角発芽した新芽が枯れてしまったり、病気になったり、発育が悪くなってしまったり…。初心者だとモチベーションも下がるので、ぜひ撒き時を合わせて選んでみてください。
ポイント③ 土の状態に注意する
種蒔きの際には、種を植える土にも注意が必要。元気に育って欲しいからと、うっかり栄養たっぷりの土を使ってしまうと、栄養過多で根が傷んでしまう原因になってしまうのです。
【 発芽のポイント:土の状態 】
★ 種を蒔く時には、肥料分のない、清潔で新しい土を用意するようにすれば安心!
・ また種に対して土が多すぎても、土が水分を含みすぎて、蒸れて根腐れする原因になってしまいます。
大きな鉢に種を植えるのではなく、深さ3~5cm位の小さな鉢で、まずは発芽させることを目標にした方が、成功もしやすくなりおすすめです。
ポイント④ 種の蒔き方
種の蒔き方には、「点蒔き」「筋蒔き」「ばら蒔き」の3種類の方法があります。
【 発芽のポイント:撒き方 】
・ 点蒔きは種を一つずつ分けて蒔く方法。
・ 筋蒔きは種を一列に均等な間隔になるように蒔く方法。
・ ばら蒔きは種の重なりを気にせずに、全体が均一になるように適当に蒔く方法。
…どの蒔き方が適しているのかは、種の大きさや発芽率、苗が育っていく過程での間引きや、支柱の必要性などの特徴によって異なってくるもの。育てる植物によって、蒔き方を変えるようにしなければなりません。
ポイント⑤ 土のかぶせ方
種を蒔いたら種の上に土をかぶせます。実は、この土のかぶせ方にも、ポイントがあるのです。
【 発芽のポイント:かぶせ方 】
★ それは、土をあまりたくさんかぶせすぎないこと!
・ 種を蒔く深さは植物によって異なりますが、あまりに地中深くに種を埋めてしまうと、芽が出ないことが…。
また、植物の中には、なんと、土をかぶせてはいけない植物があるので要注意!例えば、レタスなどに代表される好光性種子と呼ばれるものは、発芽するために光を必要とする植物で、土の中などの暗い場所では発芽しなくなってしまいます。
ポイント⑥ 水のやり方
小学校で習ったことを思い出してみると、発芽のために必要な条件の1つは「水」でした。発芽にとって、水やりはとても大事な要素!
【 発芽のポイント:水やり 】
★ 発芽に失敗する大きな要因の一つが、水分不足といっても過言ではありません。
・ 根と芽が出てくるまでは特に、土が乾燥しないように、常に湿気を保った状態にキープするよう心がけるのが正解。
但し、水のやり過ぎは根腐れに繋がりますので、あくまでも「土が湿っている状態」を目指してください。
ポイント⑦ 適切な温度
種には蒔き時があるとお伝えしたように、発芽にとって温度は、とても重要な条件。
【 発芽のポイント:適切な温度 】
★ 種が発芽するのに適した気温は20℃前後と言われています。
・ ただし、植物の中には、一定期間低温にさらされた後に、適温まで気温が上がったということを体感しないと、発芽しないものがあるので特徴を調べることは大切。
これは、種が越冬をしてから発芽する、寒暖差が発芽の条件になっている植物の特徴。決して種類が多い訳ではないですが、失敗のない発芽のためには、どんな植物なのかを把握しておくことも、大きなポイントなのです。
いかがでしたでしょうか、種を蒔いたら土をかぶせて水をやる、そんな簡単な手順で、ついつい終わらせてしまいがちな発芽の工程ですが、実はとても奥が深いのがお分かり頂けたのではないでしょうか。
残念ながら、種は蒔けば必ず100%芽が出るという訳ではありません。種蒔きをしても、発芽に必要な条件がきちんと揃っていなければ、どれだけ心待ちに楽しみにしていても、芽が出てこないこともあるのです。
しかし、どんな植物だったとしても、発芽で失敗するパターンはほぼ決まっていますので、ポイントさえ知っておけば、上手に発芽させることは可能!
発芽に失敗しないための7つのポイントを押さえて、正しい手順で発芽させ、植物を育てる喜びを味わってください。
まとめ
発芽を成功させるポイントとは
・1年以内に収穫された新鮮な種を使う
・蒔き時に合った時期に種を蒔く
・栄養分のない新しい土を使う
・育てる植物の特徴に合わせて種まきの方法を選ぶ
・種を蒔いたら土はかぶせすぎない
・水やりで土が湿った状態をキープ