蘭の育て方はプロに聞こう!生花店での手入れの仕方とコツ

蘭の育て方はプロに聞こう!生花店での手入れの仕方とコツ

華やかで美しい蘭の花を、ご家庭で育てたいと思われる方も多いことでしょう。カトレア、シンビジウム、胡蝶蘭をはじめとして、ラン科の植物は世界に1万5千種ほど自生すると言われています。数ある植物の中でも「最も進化が進んだ植物」が蘭であると考えられるそうです。

蘭の寿命は長いものが多く、入手した株を上手に育てると、毎年のように花を咲かせることができます。

しかし実際には、花がつかなくなってしまったり、枯らしてしまったという声も多く聞かれます。せっかく手に入れた蘭と上手に付き合っていくためには、他の植物とは違った蘭の性質をよく知る必要があります。

ガーデニングでおなじみの多くの草花が一年草であるのに対して、蘭は花後も株が枯れない多年草です。

また自生地では地面ではなく、樹木の幹や枝などに着生して育ちます。このような特徴を踏まえながら、いくつかのコツを知って蘭を育てることが大切です。

今回は生花店でプロが注意している手入れの仕方やコツをご紹介します。蘭の育て方のコツを習得して、きれいな花を咲かせましょう。

 

蘭の育て方はプロに聞こう!
生花店での手入れの仕方とコツ

 

ご家庭の環境をチェックしよう

蘭の花を毎年楽しみたいと思うなら、鉢を置く場所はとても重要です。

蘭と一口に言っても、品種によって適する気温が変わってきます。まずは育てたい蘭が高温を好むグループなのか、比較的低温を好むグループなのかを調べてみましょう。

水や肥料をしっかり与えても、その蘭に適した環境でなければうまく育ってくれません。ご家庭の日当たりはどうか、冬場の明け方の最低気温が何度まで下がるかなどを調べて、部屋の環境に適した品種を選ぶのも一つの方法です。

 

夏の置き場に気をつけよう

蘭の育て方において、多くの方が気にかけるのが越冬の温度ですが、実は気をつけたいのは夏の置き場の環境です。

蘭の生長期は5月頃から10月頃にかけてです。この時期に日光量が不足すると、花芽ができにくくなってしまいます。目安となる日光量は、1日平均4~5時間です。午前でも午後でもかまわないので、成長期の約100日間に平均4~5時間の日光にあたる場所を確保しましょう。

ビルの屋上などの場合は、逆に葉焼けを起こす恐れがあるので、少し遮光する必要があります。

 

冬の低温に気をつけよう

次に気をつけたいのは冬の置き場です。冬の間は暖かい日でも、戸外に出しっぱなしにすることは避けてください。

冷たい風にさらすと蘭は弱ってしまいます。蘭の種類によって気温が異なりますが、室内の適度な室温の場所に鉢を置くようにしましょう。冬越しにおいて一番注意したいのは、夜半から明け方の温度です。

昼間は窓越しに日が入って暖かくても、夜間は冷え込みます。人が寝た後の室温に気をつけてください。明け方でも一定の室温を保つための加温設備が必要です。

 

水やりの要領を覚えよう

他の植物を育てるのと同様に、蘭を育てる上でも水やりは大事な作業です。

水やりをする時間帯ですが、なるべく午前中に行うのが望ましいでしょう。水を与え過ぎると根腐れの原因となりますので、蘭の鉢は乾かし気味に育てるようにしてください。鉢の中の乾き具合を判断するには、指で植え込み材料の表面を触り、乾いていたら与えるようにしましょう。季節によっても必要な水分量は違います。

夏は生長期なので、1回に鉢穴から水が流れ出るくらい与えますが、冬は株が休眠中ですのでやや控えめに与えてください。

 

肥料の施し方を覚えよう

蘭を育てる場合も肥料やりは大切な作業ですが、与え方には注意が必要です。

肥料をまったく与えないと、花数が少なくなってしまい、花色もあまりよくないといった現象が起こってきます。しかし、与え方を間違うとかえって根を傷めることもあるのです。液肥を使用する場合には、必ず希釈濃度を守って与えてください。

夏場は水が蒸散するので、本来の希釈倍率よりもやや多めの水で薄めて使うことをおすすめします。冬の間は休眠期ですので、肥料は施さないようにしてください。

 

薬剤の散布に注意しよう

蘭の栽培では、アブラムシ、カイガラムシ、ナメクジなどの害虫や、ウイルス病などに注意が必要です。気になる症状が現れたら、むやみに薬かけをするのでなく、まずは株の状態をよく調べるようにしてください。

食害の跡を見つけたら、鉢底に害虫がいるかを確認し、被害を防ぐために殺虫剤を散布します。必ず既定の濃度を守りましょう。病気の場合も症状をよく観察してから、必要であれば殺菌剤を散布します。

大量にかけるのではなく、全体がうっすら濡れるようにかけ、回数を増やす方が効果的です。

 

植え替えの仕方を知ろう

根が鉢いっぱいに回り切ってしまうと、新芽の伸びる余地がなくなってきます。

多くの蘭は5月頃に、一回り大きい鉢へと植え替えるようにします。鉢から取り出した根は、古い植え込み材料(水ゴケなど)と傷んだ根を丁寧に取り除いて、新しい植え込み材料を湿らせて根の周囲に巻いていきます。一回り大きな鉢に収め、植えつけの緩い部分に植え込み材料を足します。植え替えは株に負担がかかるので、植え替えたばかりの株への水やりは控え、葉水程度にします。

夏に植え替えをすると根が傷み、株の勢いが悪くなってしまうので気をつけてください。

 

いかがでしたか。

蘭は熱帯や亜熱帯を生まれ故郷とし、樹木に着生して育つので、風通しがよく根が乾いた状態を好む植物です。それぞれの蘭が本来育つ環境に近づけてあげることで、元気に美しい花を咲かせることができるのです。

蘭にはシンビジウム、カトレア、胡蝶蘭、デンドロビウム、オンシジウムなどたくさんの種類があり、それぞれの蘭によっても管理の仕方が違ってきます。

共通しているのは、生長期と休眠期があり、水のやり方や置き場所などが時期によって異なってくるということです。ご紹介したコツを参考にして、華麗な蘭の花を長く楽しんでくださいね。

 

まとめ

蘭の育て方はプロに聞こう!生花店での手入れの仕方とコツ

・ご家庭の環境をチェックしよう
・夏の置き場に気をつけよう
・冬の低温に気をつけよう
・水やりの要領を覚えよう
・肥料の施し方を覚えよう
・薬剤の散布に注意しよう
・植え替えの仕方を知ろう


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