大きく育ったサボテンの植え替えはどうしたら良いのか、初めてサボテンを育てている人は悩んでしまいますよね。大きくなって成長が止まってしまったサボテンも植え替えをして鉢の中の環境を整えることで再び成長を促すことができます。
植え替え作業はサボテンの健康を保つためには欠かせません。成長速度が比較的ゆっくりなサボテンも1年経てば驚く程に根が成長していたりします。根詰まりや根腐れを防ぐためにも、だいたい1年を目安に植え替えをしましょう。ただ、思い立ってすぐにできないのがサボテンの植え替え。
実はサボテンの植え替えには気をつけたい点がいくつかあり、その注意点をしっかり押さえておかないとサボテンの健康のために行う植え替えが、逆にサボテンを枯らしてしまうことになりかねないのです。そこで今回はサボテンの植え替えを知って育てる5つのコツについてお伝えします。
サボテンの植え替えを知って
育てる5つのコツ
植え替えのタイミングと植え替えが必要なサボテンの見極め方
サボテンに長く元気でいてもらうためには植え替えが欠かせません。1年も経てば土の中の栄養も少なくなり、水はけも悪くなって十分に給水できない上に水やりの際に取り込みたい綺麗な空気が通らなくなってしまいます。
根が鉢の中にぎゅうぎゅうと詰まってしまうほど育ってしまったら余分な水を排水できずに腐ってしまったり、根が鉢にぶつかって傷んでしまったりして枯れる原因になります。そうなってしまう前に植え替えをして下さい。中々成長の度合いがわかりにくいサボテンですが、植え替えをした方が良いサボテンには特徴があるので一度確認してみて下さい。
水はけが悪くなってきたり、サボテンが育ってきて鉢とのバランスが悪くなってきたりしているようならそろそろ植え替え時。鉢の底穴から根っこが出ているものも早めに植え替えをした方が良いサボテンです。
また、手に入ったばかりのサボテンも植え替えが必要かどうか確認しておきましょう。サボテンを購入する前に植え替えをしなくても良いものを選ぶと良いのですが、プレゼントされたものやどうしてもこのサボテンがよくて購入してしまったなんてこともあり、植え替えの時期でないのに植え替えをした方が良いサボテンが手に入る時もあります。
カレースプーンに乗るほど小さな鉢のものや、土がポロポロとこぼれないほどにのりで固められているサボテンは水を通さないために水分不足に陥り夏の暑さで干からびてしまいますし、鉢の底に穴の開いていないものは水やりの際に水が溜まってしまって根腐れを起こしてしまうので、そのようなものは真夏や真冬でない限り植え替えをした方が良いものと言えます。
サボテンの植え替えは時期と天気を確認してから行おう
サボテンには休眠期と生育期があります。品種によって細かい違いがあるものの、ほとんどの品種は夏と冬が休眠期であり、過ごしやすい春と秋がサボテンにとっての生育期です。室内のある程度一定した環境で育てられるサボテンの植え替えは年中可能とも言われていますが、サボテンに負担をかけない生育期に植え替えをするのが一般的です。
春は3月の中旬から5月の下旬頃、秋口は8月中旬から9月の中旬までが植え替え期間の目安となっていますが、できることであれば早めに行うと植え替え後に成長を見ることができます。サボテンの成長具合によっては年に2度植え替えを行う人もいるのですが、無理に行う必要はありません。
サボテンの植え替えは数日間かけて行います。1週間の天気予報をチェックして、気温が連日平均して安定していて晴れの日が続く時に植え替えの日を決めます。サボテンを植え替える前よりも、植え替えをしてからの天気が大事になります。
雨の日や梅雨時は避けるようにしましょう。秋口は気温が急に下がることもありますから、寒暖差にも注意しておいて下さい。初心者は気候も安定していて失敗が少ないため春に植え替えを決める人が多いです。
サボテンの植え替えは細心の注意を払って
サボテンを植え替えする日が決まったらその数日前から断水します。根を乾燥させておくと植え替えの際に根を傷めず簡単に鉢から取り出せるからです。土の中が乾いたらいよいよ植え替え。サボテンを鉢から抜く時は必ず厚手の軍手やグローブをはめてサボテンの下の方を持つようにします。
サボテンの頭を持って引き抜くと根を傷めてしまったり、サボテンが途中で折れてしまうことがあるので、必ず下の方を持って鉢の横を叩きながら少しずつ外すようにして下さい。
土が固められていて抜けない場合はバケツなど鉢が十分に浸かる容器に水を張り、30分程浸してからそっと抜きます。鉢から抜けたら綺麗に土を落として傷んでいる根を取り除き、極端に伸びすぎた根は長さを揃える程度に切り詰めます。
過剰に切り詰める必要はありませんが、大きく育てたいのであれば全体をバランスのよいところまで整えてから数センチ短く切ります。根を整える時は雑菌が入らないようにするため熱湯消毒したよく切れる剪定バサミを使います。
根の整理が終わったら、日陰で根の切り口が乾くまで5日程干します。根が乾くまで焦れったいですが、間違ってもドライヤーなどで乾かすのは根を傷めてしまうので絶対にやめて下さい。
植え替えの時は鉢と土を必ず取り替える
根がしっかり乾いたらいよいよ植え付け作業です。植え替えのときには鉢と土を必ず新しいものに取り替えます。鉢はサボテンが入っていたものより一回り大きいものを選びます。サボテンに適した鉢は底の浅いプラスチックの鉢。
サボテンは水はけの良い環境を好みますが、冷えを嫌う植物です。素焼きの鉢は水はけが良すぎてすぐに鉢が冷えてしまうためサボテンの根を育てるのに向きません。底の浅いプラスチックの鉢がサボテンに一番適した環境を作ることができます。鉢を選ぶ時は必ず底に穴が空いたものを選ぶことを忘れずに。
植え替えに必要な新しい土には必ずサボテンに合った土を使わなければいけません。一般的な花や野菜の土と呼ばれているものは保水性が高くサボテンの性質に合わないため、せっかく植え替えても枯れてしまいます。
サボテンの好む水はけの良い土は赤玉土をベースにブレンドして作ることもできますが、初めての植え替えであればホームセンターや園芸店に置いてある「サボテンの土」や「サボテンや多肉植物の土」を使うことをおすすめします。
サボテンの土はあらかじめサボテンが好む性質の土になるようブレンドされているものです。このような専用土は内容量が少ないものから多いものと幅広くあるので、鉢に合わせた容量のものを選ぶと残った土の置き場に悩むこともありません。
合わせてサボテンや多肉植物用の肥料も買っておくと植え替え後も元気に大きく育てることができます。鉢底には必ず鉢底ネットと底石を敷きます。また、底石の上に少しだけ土を入れて、元肥を加えておくとサボテンがよく育ちます。
次にサボテンの土を真ん中を盛り上げて鉢の半分ほど入れてから、盛った土に根を覆いかぶせるように広げながらサボテンを入れます。最後に土を入れて、割り箸などで土を刺してサボテンがぐらつかないように固めます。
割り箸で土を固める時は根を傷めないように注意が必要なので、不安であれば鉢の底を軽く打ち付けて平らにならすだけでも大丈夫です。植え付けが終わったら濡らしたキッチンペーパーを1枚サボテンに被せます。
ぴっちりと包む必要はないので、ぼたぼたと水が落ちない程度に水切りをしたもので、ある程度サボテンを覆うぐらいに乗せておくと良いです。このキッチンペーパーは植え替えの後の初めての水やりまで被せておきます。
植え替え後の水やりは我慢しよう
植え替えを決めてから数日かかってやっと新しい鉢に植えることができたとなれば早速水やりをしてあげたいところ。けれどサボテンの植え替え後の水やりはサボテンが新しい環境に落ち着く1週間〜10日前後に与えます。1週間経っても元気が無いようならもうしばらく様子を見てから水やりします。水やりは鉢底から水が流れるまで注いで下さい。
植え替えをしてから初めての水やりが完了したら元々の置き場所や、直射日光を避けた日当たりの良い場所に置いておきます。病気やダニの発生を防ぐためにも風通しの良いところをおすすめします。植え替えてから大体1ヶ月ほどで根付きます。水分不足にならないように観察しながら過ごして下さい。
いかがでしたでしょうか。普段のお世話は簡単なサボテンも、植え替え作業は時間もかかるし手間もかかるし一苦労。けれど1年に1度のことなので面倒に思わずに欠かさず行って下さい。植え替えはサボテンの健康を保つだけの作業ではありません。
毎年植え替えを繰り返し、順調に育てていけば可愛い花を見せてくれることもあります。また、サボテンは成長速度が遅いため、毎日気にかけていると表立っての際立った成長はなかなか実感できません。
対して根の成長というものは水耕栽培でない限り植え替えのタイミングでしか確認できないため、去年と比べてどれほど根が育ったのかを植え替え作業を通して実感することができます。植え替えをすることによって止まっていた成長が促されぐっと大きくなることもありますから、成長を楽しむ一環としてサボテンの植え替えを楽しんで下さいね。
まとめ
サボテンの植え替えで大事なポイントは
・生育期である春か秋の晴れの日が続く時期に行う
・根の整理には必ず熱湯消毒したハサミを使う
・新しい土は必ずサボテン専用のものを選ぶ
・一回り大きな底の浅いプラスチックの鉢に植え替える
・植え替え後の水やりは10日後を目安に