トマト栽培に大切な5つのポイント


家庭菜園で育ててみたい野菜の中で常に上位なのがトマト。しかし、トマトの栽培はちょっと難しいんじゃないかと思う人も多いですよね。トマトはナスやピーマン、トウガラシと同じナス科の野菜ですが、ナスやピーマンが高さ40㎝~50㎝程度で実が生るのに比べ、トマトは高さ1m越えも当たり前。

ミニトマトでさえも草丈はかなり高くなるので支柱を立ててあげる必要があります。また、トマトには脇芽が多く、放っておくとそれらもどんどん上に伸びます。それを摘む作業が面倒だという話もトマト栽培を行っている人には共通の悩み。

難しくはないけれど、まめに世話をしてあげないといけないのがトマト栽培ですが、品種改良が進み丈夫で世話の簡単な品種もたくさん生まれています。特にミニトマトは観葉植物のような感覚で実が収穫できるようなコンパクトな品種も。全くの初心者でもおいしいトマトを収穫することは不可能ではありません。そこで今回はトマト栽培に大切なポイントについてお伝えします

苗の植え付けは急がずに

トマトを含め野菜苗がホームセンターなどに並び始めるのは4月頃から。鈴なりに実ったトマトを夢見て、早く買わなくちゃという気持ちにさせられるものです。苗物はなくなったら再入荷とはならないので人気の品種は早くなくなることも理由の一つですね。でも、トマト栽培の初心者でしたら3号(9㎝)ポットの苗を買うのはぐっとこらえるべき

というのも、小さい苗をすぐ植え付けると葉ばかり茂って実がなかなかできない「つるボケ」が起こりがち。小さい苗を心配して元肥をたっぷりやり、水をせっせとあげているとトマトはとにかく茎や葉を充実させようとどんどん大きくなります。

植物に花が咲き実ができる状態というのは、株が成熟してもう終わりになってもいいと判断するからなので、5月になって少し大きめで花の付いた苗を植え付けることで株に程良い負担が掛かり、実を付けやすくなるのです。小さい苗を購入した場合は、根がポットからはみ出していなければそのまま、根が回っていたら一回り大きなポットに植え替えて花が付くまで管理します。

 

トマト栽培の水やりには段階がある

「トマトは水をあまりやらずにストレスを与えて育てると甘いトマトができる」と甘いトマトを自慢にしているトマト栽培農家の話を聞いたことがありませんか。確かに、トマトは雨の少ない土地で生まれたので水が少ないと危機感を感じ、糖度を高くするのは事実です。でも、このやり方にはプロのテクニックが必要なので安易に真似はしないで下さいね。

そして、苗を植え付けてから2週間程はまだ根がしっかりと土の中に張れていない状態なので、乾燥させ過ぎは禁物です。土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。苗が根付いたら、土の中まで乾いているかどうかを割り箸を刺すなどして確認してからたっぷりと。実が大きくなってきたら、今度は葉っぱがしんなりするのを見計らって水をやるというように、成長過程でメリハリをつけましょう。

 

土の養分を継続して保つ

トマトの栽培には市販の野菜用培養土を使うのが手軽で確実です。大抵の野菜用培養土には必要な肥料がバランス良く含まれているものがほとんどなので、元肥を入れなくても大丈夫。有機培養土を使うと、甘さに期待が持てます。あまり安いものは中身が心配なのでマグアンプなどを混ぜて使うほうが安心です。

そして植え付けてほぼ1ケ月程度で苗は土の中の養分を使い果たします。ここから先に肥料を与えることを忘れてしまって肥料切れになり、実付きが悪くなったり味の甘くないトマトが出来てしまうというのが初心者に起こりがちな失敗。追肥として液体肥料なら2週間に1回位のペースで与えます。

 

トマトの高さは支柱の高さを目安に

トマトが一度大きくなり始めると、どこまで伸びるんだと思う早さでぐんぐんと背が高くなります。脇芽も次々とたくさん出て伸びるので気が付くと枝が込み入ってぼさぼさ、花はちょっと咲くけれど落ちてしまい実が付かないという負のスパイラルに陥りがちで、トマト栽培に不安を覚えるのもこの頃

まず主枝となる中心の枝は支柱の高さまで届いたら先を切ります(摘心)。そして葉の付け根から脇芽が発生しますが、3㎝~5㎝程度になったところで指で折って取る作業(脇芽かき)がとても重要。この作業は、トマト栽培の最初の関門かもしれません。最初はごく小さいのに、放っておくとどれが主枝か見分けがつかなくなります。

脇芽を摘んだ箇所は傷になって雨水などが入ると菌が入りやすくなるため、脇芽かきは張れた日の午前中に行うのがベスト。すでにトマトの香りがするこの取った脇芽は挿し木として使うことができます。脇芽かきがどうしても面倒、スペースもないなら、「ドワーフトマト」と呼ばれる草丈が50㎝程度の矮性品種もあります。これだと鉢植えで移動も簡単。

 

中玉以上のトマトは実を雨にさらさない

ミニトマトではない普通サイズのトマトの実は雨に弱く、病気や実が割れる現象が起こりがちです。日光をたくさん浴びることでトマトの皮は厚くなりますが、その後に雨が降ると根が一気に大量の水分を吸収することになります。実もその水分で急激に大きくなるのですが、その時に皮の成長が追いつかないので、皮が裂けてしまう「実割れ」という現象が起こります

また、余計な水分が土に含まれることになり、 実の水分も多くなって味が薄くなり甘くなくなってしまいます。プランターや鉢など容器栽培の場合は、軒下に移動するなどして、株に雨が直接あたらないように雨除けを行いましょう。畑の場合は支柱とビニールなどを使って雨がかからないようにします。

 

さて、トマトはヘタの付け根まで真っ赤に完熟したら収穫のタイミング。そして何でも野菜は朝採りが良いと言われますがトマトのような果菜は特にそうで、昼間に太陽の光を浴びて光合成を盛んに行い、その養分が夜中に実に移動して蓄えられるため、朝に収穫すると味も栄養も段違いです。また収穫は必ずハサミを使いましょう。

中玉以上のサイズのトマトは、養分を集中させるために育ちの良いものを3個~4個程度残して大きくならないうちに摘果します。この摘果した青いトマトも糠漬けにすると美味しいです。トマト栽培は生長する時と実が付いてからの水の管理をきちんと行えば、プランターでも大玉トマトだって十分収穫できます。樹上で完熟させたトマトは最高ですよ。

まとめ

トマト栽培に大切なポイントとは

・苗の植え付けにスタートダッシュは必要ない
・成長するまでは水切れに注意、実が付いてからは回数を多くし過ぎない
・肥料は多すぎず、少ない状態で途切れないように与える
・脇芽は雨の降っていない時に早めに摘む
・中玉以上のトマトは実が付いたら雨に濡らさないよう注意する


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