”ビオラ”という、とてもきれいな響きの名前を持つ花があります。日本では「三色菫」と呼んだ方が、ピンとくるかも知れません。植物図鑑での読み方は「サンシキスミレ」。
「サンシキスミレ? サンショクスミレでしょ。」という人が多いので、調べてみたら昔、桜田淳子さんの歌ってた曲が「サンショクスミレ」だったんですね。
どちらも間違いではないですが、サンショクスミレと呼ぶ人が圧倒的に多かったです。
ビオラの花言葉は、片思いの切ない恋心を表した言葉が並びます。片思いの人は、ビオラの花言葉を読むと、きっと勇気がわいてくるでしょう。
それでは、ビオラがあなたの秘めた恋を応援してくれる、7つの理由をご紹介したいと思います。
ビオラの花言葉が
秘めた片思いを応援してくれる7つの理由
ビオラが片思いの花言葉を持つ理由
ビオラはパンジーととても良く似ていますが、ビオラのほうが小さく、3色の花びらを持っています。ビオラはパンジーとヨーロッパのスミレ(ビオラ・コルヌータ種)を交配した品種です。
晩秋から春にかけて、たくさんの花を咲かせます。花は黄色、紫、赤、オレンジ、ピンク、白などがあり、世界中に500種類も自生しています。
ビオラは見た目にも、可憐な少女を想像させる花です。一説には、ビオラのつぼみは、下向きにつくのですが、それがうつむく少女に似ているからと言われています。
私の胸はあなたでいっぱいです
ビオラの花言葉を並べてみると、恋する人を思いながら、物思いにふける少女の姿が頭に浮かびます。「物思い」「少女の恋」「私の胸はあなたのことでいっぱいです」「私を想ってください」「私を忘れないで」
小さな花なのに、3色のグラデーションがとても鮮やかで着飾っているように見えます。恋する少女が、振り向いて欲しい人のために、一生懸命おしゃれをしている姿に重なります。
花言葉は、他にも「空想の羽」「誠実な愛」、「純愛」、「思慮深い」という言葉があります。
フランス語で「物思う」という意味を持つ花
パンジーは英語で「pansy」と書きますが、これはフランス語パンセ(penser)からきています。パンセの意味は「物思う」「考える」。哲学者「パスカルのパンセ」がすぐに思い浮かぶと思います。
「人間は考える葦である」という名言を残した、哲学書です。パンジーは咲くと鮮やかですが、つぼみの時は、何かをじっと考えるように下を向いているからでしょうか。
それとも花びらが、人の顔のようにみえ、表情が何かを考えているように見えるからでしょうか。日本名は、三色菫(さんしきすみれ、さんしょくすみれ)の他にも、胡蝶菫(こちょうすみれ)、遊蝶花(ゆうちょうか)という名前もあります。
弦楽器のビオラも、ビオラの花の形に似てるから名づけられたようです。
ギリシャ神話 イオへの片思い
ビオラ(Viola)というのは、スミレのラテン語で紫色という意味もあります。ビオラは、ギリシャ神話の中にも片思いのシンボルとして登場します。
ギリシャ神話の大神ゼウスが、イオという少女のためにスミレの花を咲かせたことからきています。イオというのは、とても美しい娘でゼウスに愛されていたのですが、ゼウスが妻のヘラを恐れてイオを牛に変えてしまいます。
ゼウスはイオのためにすみれをたくさん作って食べさせました。ですがヘラの目は誤魔化せず、ヘラによってイオは星にかえられてしまいます。ゼウスはもうそばにいることができないイオを想いながら、スミレに紫色の花を咲かせました。
イオの瞳の色と同じ色のスミレは、ゼウスを慰めてくれたことでしょう。また、3色スミレは、キューピッドが放った矢がスミレをかすめた傷で3色になったと言われています。
パンジーの花の汁が惚れ薬に
1590年代に、ウィリアム・シェイクスピアによって書かれた戯曲『夏の夜の夢』。この話の中に「惚れ薬」として、パンジーの花が登場します。眠っている間に花の汁をまぶたに塗られると、目覚めた時、最初に見た人を好きになってしまうというものです。
妖精の王様とお妃がケンカをします。怒った王様は、お妃にいたずらをしてやろうと思います。王様は妖精を使って、紫色のパンジーの花の汁をお妃のまぶたと、町男のまぶたに塗ります。
目が覚めたとき、目の前にいた者を好きになって、騒ぎになってしまう・・・というお話です。紫の花の汁が惚れ薬になるんだったら・・・ちょっとやってみたいですね。
三色すみれが届いたら
三色菫が「さんしょくすみれ」と呼ばれるのには、やはりこの歌が記憶にあるからではないかと思います。1974年2月にリリースされた「三色すみれ」は、桜田淳子さんの5枚目のシングルです。
歯切れのいいリズムの曲で、一度聞いたら歌えてしまうぐらい親しみやすい曲です。歌の最後に繰り返されるフレーズ「三色すみれが届いたら、すぐに駆けておいで」という彼の言葉を信じて、花が届くのを待っている少女。
花がなかなか届かないので、その約束を忘れてしまったのかと不安になって泣いたり、信じてると強がったり。この歌の内容も、ビオラの花言葉と本当によく重なっています。
片思いをしていたら、「この気持ちすごくわかる」と、共感してしまう歌です。
ビオラを好きな人に捧げたら
ビオラを育てて、好きな人に贈ってみるのはどうでしょう。言葉にしなくても、花言葉を見たら、気持ちに気づいてくれるかもしれませんよ。
ビオラが咲くのは冬から初春にかけてと、長い期間楽しむことができます。害虫にも強いので、育てやすい花です。苗は9月ごろから出回ります。植付けは10月~11月までに行います。
花壇に植えたり、プランターや、バスケットに植えたりするのも可愛いです。日当たりの良い場所を好みます。根ぐされをしないよう、水やりは頻繁でなくても大丈夫です。
咲き終わった花から種ができます。種が出来ると種に養分が行くため、花の付きが悪くなってしまいます。花をたくさん咲かせたい場合は、終わった花は摘み取ってあげましょう。
ビオラは押し花にしてもきれいな形が出ますので、しおりなどにしてプレゼントをしても素敵です。
いかがでしたでしょうか。
恋する乙女の気持ちを、見事に表してくれるビオラ。思いの人を勇気づけてくれるビオラの花は、いつも身近においておきたい花ですね。気取らないビオラで無造作に作ったブーケなど、ちょっとプレゼントに添えてみても素敵です。
たくさん花が次々と咲くので、目にも楽しいですし、明るい気分にしてくれます。色とりどりのビオラで、ハンギングバスケットを作ったらとても可愛いです。
もちろん、恋しい人のことを想いながら、恋が叶うことを想いながら・・・ですね。
まとめ
ビオラの花言葉が秘めた片思いを応援してくれる7つの理由
・ビオラが片思いの花言葉を持つ理由
・私の胸はあなたでいっぱいです
・フランス語で「物思う」という意味を持つ花
・ギリシャ神話 イオへの片思い
・パンジーの花の汁が惚れ薬に
・三色すみれが届いたら
・ビオラを好きな人に捧げたら