野草図鑑と一緒に散策☆おススメの植物と暮らしの活用法

野山にはたくさんの種類の野草が生い茂っています。道端に生えている雑草でも、よく観察してみるとそれぞれに特徴があり、きれいな花を咲かせていたりするものです。興味を持って野草を眺めると、名前やどんな植物なのか知りたくなるもの。そこで活躍してくれるのが野草図鑑です。

野草図鑑を開いてみると、植物の名前だけでなく、葉や花の形や様々な特徴が書いてあります。ひとつの野草に関心を持つと、似たような野草や仲間に分類されている野草など、どんどん興味が広がっていきます。

見つけた時にすぐに調べられるように、野草図鑑と一緒に散策してみましょう。細かい特徴をよく見分けるために、ルーペも持ち歩くと一層楽しむことができます。

今回は野草図鑑に載っている野草のうちから、私たちの暮らしに役立てることのできる植物をお伝えします。ただの雑草のように見えていた植物の中には、食べることができたり薬草として活用することのできるものが意外に多くあります。

野草図鑑で野草をよく知って、暮らしを豊かにしてみてはいかがですか。

 

野草図鑑と一緒に散策☆
おススメの植物と暮らしの活用法

 

和のハーブ・ヨモギを活用しよう

日本を代表する天然ハーブの一つがヨモギです。キク科のヨモギの若葉は、春を感じさせてくれる爽やかな香りです。ヨモギは本州以南の日本各地で見ることができ、成長すると草丈は1メートル近くにまで伸びます。

・ヨモギといえば何と言っても草餅です。若い茎葉を摘んで和菓子に使用します。

またヨモギは古くから薬草としても親しまれ、傷口に汁をつけて止血や痛みどめにしたり、熱中症やめまいにも効果があるとされています。乾燥したヨモギの葉裏の綿毛は、お灸のもぐさにも使われています。

 

タンポポ茶で健康になろう

誰でも知っているたんぽぽも、実は優れた薬草の一つです。一口にタンポポと呼んでいますが、野草図鑑を調べてみるとセイヨウタンポポ、カントウタンポポ、カンサイタンポポ、エゾタンポポなど様々な種類があることがわかります。

アーユルヴェーダではタンポポは肝臓や胆のうの不調に効果があるとされています。利尿作用があるほか、母乳の出をよくするとも言われています。

・ヨーロッパでは若葉はサラダに、根はコーヒーの代用品に使われてきました。

・ハーブティーにすると、ほうじ茶を思わせるような香ばしい風味があります。

 

ドクダミを煎じ薬にしよう

古くから薬草として煎じて飲まれてきた野草に、ドクダミがあります。ドクダミは本州以南の半日陰に自生する野草で、独特の強い匂いを持っています。葉や茎を傷つけると薬臭い香りがします。梅雨時になると白い4弁の花を咲かせます。

10以上の薬効があることから「十薬」という別名を持ち、利尿作用、湿疹、副鼻腔炎の改善などの効果があります。

・開花期のドクダミを刈り取って、風通しのよい場所に吊るして乾燥させると、ドクダミ茶を作ることができます。60℃くらいのとろ火でゆっくりと煎じると効果的です。

 

ムラサキツメクサで女性特有の症状を改善しよう

アカツメクサとも呼ばれているクローバーの仲間が、ムラサキツメクサです。紅紫色の花をつけるマメ科の可愛らしい野草で、明治初期に牧草として日本に入ってきました。日本全国どこでも見ることのできる薬草です。

ムラサキツメクサには、女性ホルモンであるエストロゲンと似た作用を持つ成分が含まれています。そのためエストロゲンの減少で引き起こされる更年期の症状を改善してくれます。生理痛や月経過多などの症状にもおすすめです。

・蕾や花穂を摘み取り、乾燥させてハーブティーにすると良いでしょう。

 

ユキノシタで美白しよう

食用としても薬草としても古くから利用されてきた野草がユキノシタです。野草図鑑を開くと、ユキノシタ科ユキノシタ属として紹介されています。本州、四国、九州の湿った土や岩の上に自生しており、葉は厚みがあって柔らかいのが特徴です。

食用として天ぷらやおひたしにできるほか、生薬としてひきつけやてんかん、百日咳に効果があります。おすすめは無水エタノールにユキノシタを浸して作る、ハーブチンキです。

・精製水で希釈すれば天然ハーブの化粧水ができ、しわやくすみ、美白などに効果があります。

 

オトギリソウを痛み止めにしよう

山野には黄色い小花をつける野草がたくさんあります。茎が円柱状で、対生の丸みを帯びた葉をつけ、葉を透かして見た時に小さな黒点が散在して見えるのがオトギリソウです。野草図鑑で写真に照らし合わせてよく確認してみましょう。

オトギリソウに特有の薬用成分にヒペリシンがあります。オトギリソウの葉の絞り汁は擦り傷や打撲傷の手当てに使われます。乾燥させてお茶にして飲むこともできます。

・入浴剤にすると神経痛、リューマチ、痛風などの症状を改善すると言われています。

 

ゲンノショウコで腹痛を止めよう

野草図鑑でゲンノショウコを引くと「現の証拠」という漢字が当ててあります。この野草を飲めば、下痢や腹痛などの胃腸病がたちまち治るという言い伝えから、ゲンノショウコというという名前がついたと言われています。

ゲンノショウコはフウロソウ科フウロソウ属の植物で、白や紅紫の5弁の花を咲かせます。西欧でもフウロソウ科のゼラニウムが古くから薬草として知られています。

・茎や葉を陰干しにして煎じて飲むと、下痢や便秘の改善、利尿作用などの効果があります。

・入浴剤にすると湿疹やあせも、婦人病などに効果的と言われています。

 

私たちの暮らしに役立つ野草の数々は、いかがでしたか。よく知っているつもりのポピュラーな野草の中にも、野草図鑑を紐解くと、実は体に良い効果を持つものが多くあります。

野草は似たような形をしていても、よく見ると異なる種類のものものあります。食用、もしくは薬用として使う場合には野草図鑑をよく見て、植物の特徴をよく確かめるようにしてください。野草の中には有毒な成分が含まれているものもあるため、間違うことのないように注意する必要があります。

このほかにも野草を使って草木染めをしたり、茎やつるを利用してリースやかごバックを編んだりと、様々な方法で野草に親しんでみましょう。野草図鑑をいつも携帯して散策すれば、思わぬ野草に出逢った時に便利ですし、多くの植物を知って自然に親しむことができます。

 

まとめ

野草を暮らしに取り入れる豆知識

・日本の薬草、ヨモギは草もちにも、止血にも
・タンポポ茶は母乳育児中の母親の強い味方
・ドクダミを煎じた「どくだみ茶」でむくみ改善
・更年期障害や月経不順にはムラサキツメクサ
・ユキノシタでハーブチンキや化粧水作り
・オトギリソウの絞り汁は擦り傷や打撲傷に
・ゲンノショウコは便秘や下痢の胃腸病に効果的


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