フランネルフラワーを上手に育てる5つのコツ


産毛のような細くて柔らかな白い毛に覆われているフランネルフラワー。優しい手触りはいつまでも触っていたいと思わされますよね。ネルシャツに使われているフランネル生地の感触に似ているところからその名の付いたフランネルフラワーは、エメラルドグリーンの葉とマーガレットに似た花の対比が美しく目にも優しい雰囲気を持っています

一輪の花が咲いている期間がとても長く、花が途切れないため一鉢でも見栄えが良いのも特徴。オーストラリア原産のフランネルフラワーは、日本の気候では少し難しい面があり上級者向けとも言われています。性質を良く知れば四季を通して花を咲かすことができる多年草です。そこで今回はフランネルフラワーを上手に育てるコツについてお伝えします。

 

フランネルフラワーを

上手に育てる5つのコツ

 

フランネルフラワーの性質とは

セリ科のフランネルフラワーはオーストラリアの火山性の土に自生する、いわゆる「ワイルドフラワー」です。ワイルドフラワーには強い陽射しと乾燥から葉を守るため、全体を毛やロウのようなもので覆っている植物が多いのですが、フランネルフラワーも例外ではありません。

葉焼けを防ぐために葉の色が白っぽく、全体が産毛に覆われています。朝晩の寒暖差が激しい気候の中、日中は強い直射日光を浴びているというフランネルフラワーは高温多湿が特徴の日本の気候とは全く違う環境で生育していました。多年草で四季咲きでありながら、梅雨と夏、秋の長雨などを乗り切れるかがフランネルフラワーを長く楽しむカギを握っているのです

 

酸性の土を使い植え付ける時は慎重に

市販の培養土はほとんどが弱酸性に調整されていますが、フランネルフラワーにこの培養土を使うと上手く育ちません。強い酸性の土を好むため、酸性に調整済みの土であるブルーベリー専用土で植えるか、市販されている土に鹿沼土を3割ほど混ぜて酸性にしてから植え付けて下さい。

水やりや雨の水を受けているうちに、酸性の土も徐々に弱酸性になってくるので、最低でも2年経ったら新しく酸性土に植え替えたほうが良いことも覚えておきたいもの。また、フランネルフラワーは根がか弱く繊細です。

植え替える時には特に根鉢を壊さないように注意しながらそっと植え替えましょう。根を少しでも切ってしまうと水が上手く吸えず、見た目にしおれた状態のところにさらに水をあげてしまい、その結果過湿になって枯れてしまうのが困ったところです。

 

乾燥気味に管理

大抵の花は水が切れるとぐったりして花の首が下がったりするので、水が足らないのだなと判断できますが、フランネルフラワーは鉢植え用の品種でも茎が乱れやすくそれほどがっしりしていないため、水切れをしているのかどうかがわかりにくい面があります。

普通の植物と同じような感覚で水やりをしていると過湿で枯れてしまうので、地植えよりは鉢植えのほうが水のコントロールがしやすいです。水やりは土の表面が乾いたなと思ってから1~2日後でも十分

そして水をあげる時には葉や茎のすき間に水が入りこまないように根元だけに静かに水をかけ、空気を送り込むように鉢の下から流れ出るまであげることが、蒸れを防ぎ根に十分な水分と酸素を届けるために重要です

土が乾いたかどうかの確認をするのには、同じオーストラリア原産で同じような環境を好む、エリカやレシュノルティア(初恋草)と一緒にフランネルフラワーを植える方法もあります。直径24cm(8号)以上の大きな鉢にこれらを一緒に植え込むことで全体の土の量が増え、フランネルフラワー以外の植物の状態も参考に水やりができるのが利点です

 

花数が少ない時は日当たりと肥料切れを疑って

3月~4月頃に鉢花として販売されているフランネルフラワーを買ってしばらくしたら、次の花がなかなか咲かないことがよくあります。日当たりが良いところに置いておいても、日照時間が少なければ置かれた環境に慣れるまで少し時間がかかり、一時的に休んでいる状態になってしまうからです

ちょうど肥料分が足りなくなってくる頃でもあるので、液体の肥料か固形の肥料を置くと良いでしょう。一度にたくさんではなく、少なめの肥料が継続して効いている状態がベストです。開花期が終わったら花茎の付け根から摘み取り種を作らせないことで、梅雨や猛暑を乗り切れるだけの体力をつけておきます。

 

夏と冬を越すために

フランネルフラワーは日当たりさえ良ければ3月~10月頃まで花が咲き続ける四季咲き性ですが、夏は花が小さくなり、草姿も乱れて来ます。雨に直接当たらないよう特に風通しのいい場所へ鉢を移動させ、水やりの回数も少なめに。8月に入ったら枝を5cm位切り戻し、古くなった下葉は茶色く枯れてしまうので葉の根元からカットしましょう。

夏の多湿で枯れることがとても多いのがフランネルフラワーの弱点なので、雨続きになるような時期にはなるべく早めに花を摘み、株を小さめに刈り込んだ方が蒸れのリスクが少なくなります。冬は霜に当たると枯れてしまうので、霜除けができない場合は日の当たる窓辺などに置き、室内でやはり乾かし気味に管理します。

 

いかがでしたでしょうか。フランネルフラワーはその独特の花の質感や、茎がしなって流れがおもしろいと切り花用として日本に入って来ました。そのため、ユーカリなどと合わせたナチュラルな雰囲気のウエディングブーケにもよく使われています。

実は本家のオーストラリアではフランネルフラワーは鉢花用として出回っていないのです。日本で岐阜県の農業技術センターがオーストラリアから取り寄せた品種を元に改良を重ね、鉢花用にフランネルフラワーを作りました

コンパクトにまとまった草姿の「フェアリーホワイト」は花のオリンピックとも呼ばれるオランダの園芸博覧会である「フロリアード2012」のコンテストで2位を獲得したほど。

その後も花色がクリーム色の「フェアリームーン」が生まれ、まだまだ新しい品種の開発は進んでいます。そんなオーストラリア生まれ日本育ちのフランネルフラワー、ガーデニングの仲間にぜひ加えてみて下さいね。

まとめ

フランネルフラワーを上手に咲かせるためのコツ

・オーストラリア原産のため直射日光には強いが高温多湿には極端に弱い
・酸性の土を使い植え付ける時は根を痛めないよう慎重に
・過湿に弱いため土がかなり乾いてから水やりは根元だけに行う
・花を途切れさせないために日当たりと少しの肥料が途切れないように
・夏は刈り込みをして蒸れないように冬越しは霜を避ける


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