育てやすくてインテリアにもなり、室内の空気を良くする効果もある観葉植物ですが、虫による被害が気がかりですよね。特に室内で観葉植物を育てている場合は衛生面も気になりますし、薬剤の散布は出来るだけ避けたいものです。
虫が付きにくいと言われている観賞植物を購入していてもどこからか虫が発生してしまう事も少なくありません。観葉植物を虫から守る為にはどうして虫が発生してしまうのかを知る事が大切で、観葉植物に虫が付く原因を知れば発生と被害を抑える事が出来ます。
ですから既に観葉植物に虫が付いてしまっていても諦めないで。観葉植物の栽培が初めての人でも簡単に出来る対策と予防法がありますから、まずは付いてしまった虫を駆除してから再発予防を行いましょう。そこで今回は観葉植物の虫を撃退し、初めての手入れでも簡単な予防と対策についてお伝えします。
観葉植物に付く害虫を知ろう
観葉植物に付く虫は大小様々。室内で育てていても不思議と屋外で育てる園芸植物と同じ害虫がやって来ます。小さい虫でよく発生するのはコバエやアブラムシ、ハダニやアリ、カイガラムシの類、そして鉢の近くを飛び回るトビムシなど。
大きい虫ならゴキブリやナメクジが発生しやすいです。これらの虫は観葉植物の管理方法を注意していれば予防出来るものがほとんどで、早期発見で大量発生を防げますから毎日の水やりが必要ないような手がかからない観葉植物を育てている場合もこまめに状態を観察し観葉植物を置物にしないようにしましょう。
観葉植物に付く虫は茎や葉だけでなく、葉の裏や土、新芽にも潜んでいるので、害虫チェックは水やりの時に見える場所だけでなく普段見えない場所もよく観察する必要があります。
観葉植物に虫が付く原因
コバエやハダニは多湿な環境を好み、水のやり過ぎや受け皿の水を捨てずに溜めっぱなしにしていると発生しやすいです。アブラムシやカイガラムシは羽のある個体が飛んで来て産卵、孵化を繰り返し増殖します。
アブラムシやカイガラムシが増えるとその分泌液の甘い匂いに誘われてアリが寄って来ますから、アリを見かけた時はアブラムシやカイガラムシが付いていないかも確認して必要があれば駆除しましょう。また、アリは土の中に巣を作ります。鉢周りにアリが徘徊していて土に小さな穴が空いている時はアリが巣を作っている可能性が高いです。
他にも、葉についたホコリ、落ちた葉や変色・枯れた葉を放置していると虫が寄ってきたり卵を産み付ける事がありますし、観葉植物自体は綺麗に保っていても植え付けに殺菌消毒されていない土が使われていると既に土の中に紛れ込んでいた虫の卵から孵化した虫が発生する場合もあります。
特に腐葉土や堆肥、有機肥料を使っている場合は虫が発生しやすいので、購入したばかりの鉢植えは一度バケツに張った水に10〜20分ほど浸水さ浮かせた卵を取り除くと良いですよ。
大量発生した時は薬剤に頼る
コバエやハダニのような小さい虫は大量発生し易く、産卵から孵化までの期間も短い為に一度大量発生してしまったら一気に駆除しなければいつまでも大量発生の再発を繰り返す事になります。
小さい虫が大量発生した場合は思い切って薬剤を使う方法が一番手っ取り早く確実に駆除出来ますから、発生した虫に適した薬剤を葉の裏までしっかり散布して、虫を駆除した後は再発生しないように予防が必要です。
薬剤を使わずに害虫駆除しよう
屋外で育てている観葉植物に虫が付いた場合は薬剤散布で駆除と予防するのが最も手軽な方法ですが、室内で管理している場合は極力薬剤を散布したくないですよね。土周りにトビムシやハダニ、カイガラムシ、コバエが発生した時は卵や孵化した幼虫も駆除出来るバケツに鉢を沈めて10〜20分置いておく方法が効果的。葉の裏に付いた虫は粘着テープや濡れた歯ブラシでまとめて駆除します。
虫の再発生を防ぐ為に
しっかり駆除してもその後予防をしていなければ観葉植物の虫は簡単に再発生してしまいます。虫は多湿や不衛生な環境に置かれた観葉植物に寄ってきますから、まず不要な葉を取り除いて枝葉が混み合っていたら剪定を行って風通しを良くします。
次に、水を過剰に与えないよう適切な頻度で水やりを行い、室内で育てている場合は水受けに流れ出た水は水やりを終える度に捨てて下さい。多湿を好む観葉植物の場合、水やりは土の表面が乾いてから与えて不足分は葉水を与えて調整すると土周りの虫の発生を抑えられますよ。
枝葉の整理・水やりの頻度・水受けに溜まった水の排水の3つを徹底するだけで観葉植物の虫の大量発生は防げます。定期的に葉に付いたホコリを拭き取ったり、葉水を与えて常に綺麗な状態を保てるように手入れをしつつ、室内で育てている観葉植物は日光浴をさせて観葉植物自体を丈夫にさせる事も大切です。
植え付けている土を変えるのは安易に行う事は出来ないので、追肥を控えたり種類を有機肥料から化成肥料に変えて植え替え時期まで乗り切って下さい。大量発生しやすく駆除に手がかかるアブラムシやカイガラムシ、コバエなどの厄介な虫にはオルトラン粒剤を土に撒いておくと高い予防効果を発揮します。
また、キッチンに置いている観葉植物はキッチンの害虫対策も同時に行わなければいけません。観葉植物の虫対策はきちんと出来ていてもキッチンの害虫対策が出来ていないと生ごみや食材の虫が観葉植物に付いてしまいます。キッチンは家の中で特に虫が好む場所ですから生ごみはすぐに処分してキッチンに発生しやすいゴキブリやアリ、ハエ対策は入念に行いましょう。
このように、観葉植物の虫は観葉植物の栽培が初めての人でも出来る普段の適切な管理と予防で発生を阻止出来ます。まだ購入したばかりの鉢なら予防も簡単ですから早いうちに害虫対策をしましょう。観葉植物に付いた虫を駆除しても再発生してしまう場合は普段の管理の仕方や手入れに問題がある可能性が高いです。
屋外で発生する虫の中には適切な管理をしていても寄ってきてしまう虫もいますが、室内の観葉植物に発生する虫のほとんどは風通しや水やりの頻度の見直しで予防が出来ます。
まずは虫が発生している原因を把握して、適切な水やりの頻度を見極め、常に清潔な状態を保つように心がけます。しっかり予防と対策が出来ていれば観葉植物を虫による被害から守れますから、ぜひ手入れと管理方法を実践してみて下さいね。