盆栽の育て方はお年寄りの趣味と思われがちで、難しく捉えられますが、最近では雑貨店で、ミニ盆栽なども見られます。実は現代では海外の愛好家をはじめ、日本でも若い人々に人気が出始めているのです。
盆栽の育て方は日本独特の「アート」とも言えますが、やはり盆栽の育て方や育てやすい種類(樹種)を知ることは不可欠です。盆栽の育て方をマスターしたい樹種はたくさんあります。松柏類では黒松・エゾ松・カラマツ・五葉松やひのきなど。
刃物類では楓にもみじケヤキ。花物類に梅、桜、ボケなど。実物類では姫りんご、かりん、姫柿などもあります。鉢で培養可能な樹種は何でも作れます。初心者には真柏(シンパク)やピラカンサが向くとされています。盆栽は自然の縮図を盆上に表現したもの。
ここでは初めて盆栽の育て方に挑戦する人々へ向けて、基本的な盆栽の育て方の7つの手順をお伝えします。本記事をきっかけにして、手軽に盆栽の世界を楽しんでください。
盆栽の育て方の基本☆
初心者から覚える7つのステップ
盆栽を始める準備
では、盆栽の育て方の最初の一歩、植え付けから始めます。
【 準備する用具 】
・ 盆栽の土
・ 剪定はさみ
・ 針金
・ ヘラ付きピンセット
・ 箸
・ ごろ土
・ 植物
・ 鉢(穴あき)
・ 鉢底ネット
小さな鉢に美しい樹木が映える盆栽の育て方、準備もたくさんありますが、専門店でまとめて用意をすれば手間もかかりません。
盆栽の育て方:植え付ける前に
【 盆栽の育て方:鉢を用意する 】
★ ここで鉢底ネットと針金が必要です。まず鉢底ネットを鉢の底に敷きます。その上から針金で「コ」の字型を作り、ネットの穴に針金を通して鉢の穴の裏で針金を曲げて留め、ネットを固定します。
これは鉢穴にネットを付けて、虫などから土を守る役割をします。そのため、ネットが動かないように最後にチェックしてください。
【 盆栽の育て方:土 】
★ 土は植物によって配合が変わります。
初めてならば盆栽苗を準備する時に一緒に土を買い、お店でスタッフの人に配合やぴったりの土を教えてもらうと安心です。
盆栽の育て方:根をほぐす
苗を取り出す前に、伸びすぎた枝や枯れた葉を取り除く作業をしておくと、後の作業が楽です。この時の剪定ばさみは、最初から上質なものを用意することをおすすめします。
【 盆栽の育て方:おすすめの剪定ばさみ 】
★ 刃物の町新潟三条にある、喜久和さんのものなど。
・ 切り口の治りなども早いので、剪定ばさみは初心者でも良質のものを使います。価格でいうと5000円前後のものです。
そのあとでポットから植物を出し、余分な土を落とします。わり箸などで土を落とします。この時、注意したい点は根を切ったり傷つけたりせずに、作業を進めること。古くなった根が絡んでいるので、慎重にほぐす必要があります。
盆栽の育て方:植え付け~土入れまで~
【 盆栽の育て方:植え付け 】
① 鉢の底にゴロ土を入れます。
他の植物でも同じように、ゴロ土は水はけを良くするのが目的です。盆栽の場合には、種類によっては固定しずらい樹種もあります。その時には準備した針金を活用して固定します。
② 土入れ
盆栽での土入れ、最大のポイントは隙間なく土を敷き詰める(埋める)ことです。樹木の根の隙間など、とても細やかな作業になるので、お箸を使ってつつくように埋めていくと、作業がしやすくなります。
土入れが盆栽の植え付けで、最も時間がかかる作業かもしれません。お箸を使うことの他には、土もちょっとずつ、ちょっとずつ入れて丁寧にお箸でつつきながら、一箇所一箇所を埋めて行くことも大切です。楽しむつもりで作業を進めてください。
盆栽の育て方~水やりと苔~
③ 水やり
丁寧に土を入れたら、鉢の底から水が流れ出るのを目安に、しっかりと水やりをします。この時、鉢底から流れる水が濁った水から透明な水になるまで、たっぷり与えてください。
④ 苔を貼る
最後に苔(こけ)を貼って完成です。苔(こけ)は少し大きめのを選び、ぎゅっと埋め込むように貼ります。
盆栽の育て方で大切なこと
盆栽だけでなく植物全般に言えることですが、生きている植物を育てるためには必ずコンディションを整える必要があります。樹種によってそれぞれに特徴がありますので、自分が選んだ木の特徴を把握することが、盆栽に親しむポイントです。
【 盆栽の育て方:手入れポイント 】
① 水やりの頻度
盆栽の水やりは最も大切な部分。多くの植物がそうであるように、盆栽も土が乾いたらたっぷりと、鉢の底から水が出るのを目安にあげます。寒い時期は霜の心配もあるので、朝方の暖かい時間にあげると安心です。
② 盆栽の置き場所
観葉植物などには室内が多いですが、盆栽は屋外がぴったりです。あまりに湿っていると寝腐れも心配ですので風通し良く、そして日当たりも意識して置き場所を選びます。
③ 日々の観察
植物と同じく盆栽も生きています。毎日の変化を日々観察して、その都度対処すれば、盆栽も元気に育ちます。
盆栽の育て方:その他のコツ
例えば盆栽の置き場所は屋外がおすすめですが、日本には四季があるため、その時々の温暖差や気候への配慮は不可欠です。
【 盆栽の育て方:四季の温暖に配慮する 】
① 霜が降りそうならば、室内へ移動する。
② 梅雨の時期には雨が当たらないように。軒下が安心です。
③ 真夏は直射日光が気になります。強い日差しが当たらない場所へ移動。
などが大きなポイントです。
【 盆栽の育て方:その他のポイント 】
・ 葉が伸びてきたら切る。
・ 咲き終わった花や実を摘む。
・ 2~3年に1度、植え替える。
・ 病害虫を見つけたら、薬などで防除する。
などもあります。また、初めて盆栽を扱うならば、5号鉢がおすすめです。さほど小さくなりすぎない、程よい大きさから始めて行くと続きます。枯らさないように年数を重ね、経験を積むことが出来ます。
いかがでしたでしょうか。盆栽の育て方での水やりや置き場所、手入れ。この全ては普段からよく観察して気付くことが盆栽の育て方、初心者の唯一のコツかもしれません。植物全般に言えることですが、親しみを持って日々見つめていくと、自然とその変化に気付きます。
初心者であれば、盆栽の育て方をマスターするには、先端が鋭いピンセットを活用すると作業が便利です。「ヘラ付き」2000円くらいが目安。これで雑草を取り除いたり、苔をカットしたりしながら、盆栽の手入れをします。毎日使う道具なので、初めにしっかりと揃えても役立ちます。
自然の世界の縮図なので、盆栽の育て方を把握するには、自然の暑さ寒さや雨との上手な付き合い方も把握してください。鑑賞して楽しみたいときは平日勤務中は外に、土日に屋内に取り込むなどして工夫します。
また、盆栽は必ず失敗するともいわれます。気長に続けてください。盆栽の育て方をマスターするには、実践しネットなどで調べて試行錯誤していくことも育てる楽しみになるのです。少しずつ初心者から盆栽の育て方をステップアップして楽しみましょう!
まとめ
初めて盆栽へ挑戦する人へ。準備から手入れまでの手順とは
・盆栽の準備は針金など独特のものも。専門店でまとめて調達
・根をほぐす時は傷付けたり切れたりしないよう、丁寧に
・お箸を使って少しずつつつくように、丁寧に土入れを
・盆栽の基本的な育て方をみてみましょう
・鉢底から水が流れ出るのを目安にたっぷりの水を
・水やりと置き場所、日々の観察で失敗しない盆栽の手入れ
・梅雨は軒下、霜が心配ならば室内へ、真夏は直射日光を避けて