育てやすい花からガーデニングを始めることで、ムリすることなく、花を育てる楽しみを見出すことができます。ただし、この「育てやすい花」の見極めが、初めてさんには難しいところです。
ホームセンターで意気揚々と出向いても、「どの花を植えようか…。」あれこれ悩んで、決められない人々も多いですよね。つい、全部育てたくなるような気分になるかもしれません。
育てやすい花として考えると、ガーデニングでは一年草より毎年楽しめる多年草を選ぶ方法もひとつです。そこで今回は、多年草のなかで、初心者でも育てやすい花々を7つご提案します。
どの花も、色彩豊かな種類をピックアップしました。本記事でご提案した花々を参考にして、自分のイメージと相談しながら、決めてください。
育てやすい花から始めるガーデニング☆
おすすめ7つの花々
育てやすい花① 紫陽花
日本で紫陽花と言えば夏のはじまり梅雨の時期を代表する花です。古くからの文化としても日本人なら誰しもが知っている、日本の花の代表格。とても頑丈なのでとても育てやすい花ですし、せっかくガーデニングを始めるなら、季節を感じる庭にしたいですね。
【 育て方のポイント 】
① 苗から育てる場合がほとんどです。
・ 苗の選別をしっかり行い元気な苗を手に入れてください。
紫陽花には2つの種類の花が咲きます。「装飾花」と「両性花」です。育てるならば雄しべ・雌しべがあり、繁殖する「両性花」を選びます。
枝が太く、両性花の蕾が大きい、葉の色が濃く厚い…、などよく確認して購入してください。
② 鉢植えよりも地植えで育てることで育てやすさが増します。
・ 日中は日当たりの良い、夕方には日陰になるような場所が好まれます。
紫陽花は繁殖力が強いため、植え替えを頻繁に行う可能性があります。植え替えをしたら、剪定を行うのが通例。また、植え替えでは一回り大きな鉢を準備して植え替えます。
★ ただし、おすすめは地植えです。
花が終わってからも、剪定を行います。成長が早いので、剪定しないとどんどん大きくなっていくのです。
③ 紫陽花は、繁殖力が旺盛で、どんどん育ってしまいます。
・ 生命力も強いので、はじめて育てる方でも注意点を守れば簡単に育てられます。
育てやすい花② アスチルべ
三角にも見える独特の花姿をもつアスチルべですが、日陰に強く、雨にあたっても花が傷まない事から、育てやすいと人気があります。色々な色が楽しめるので、自分の好きな色で植え付けるのも良いかもしれません。
たくさん植えると、とても美しく幻想的な雰囲気を楽しめます。フワフワと咲く花姿から和名では「泡盛草」とも呼ばれています。
【 育てやすい花、アスチルベの特徴 】
① 春から夏に楽しめる花です。
② アスチルべは環境への適応能力が高く、育てる場所を選びません。
③ 耐寒性が強く、日当たりの良い場所だけでなく半日陰でも平気で育ちます。
④ 冬場は地上部が枯れてしまいますが、土の中の根っこは生きているので、越冬して新たな花を咲かせます。
アスチルべの環境適応能力は高いのですが、できれば水持ちの良い土壌での生育をお勧めします。その方が育ちが良くなります。
鉢植えで育てる場合、根づまりを起こさないように1~2年おきに植え替えを行うことがポイント。地植えの場合は、花が込み合って来たら花付きが悪くなるので、3~4年に1回は植え替えを行います。
病害虫の心配がほぼない、育てやすい花なのです。
育てやすい花③ ベロニカオックスフォードブルー
這うように広がり、しなやかに伸びる茎葉に綺麗な青い小花が映える、小さくとも存在感のある草花です。花色の濃い青がオックスフォード大学のスクールカラーに似ている所から名前が付きました。
【 育てやすい花:ベロニカオックスフォードブルー 】
★ ほふくして広がる為、グランドカバーとして利用されるほか、茎が枝垂れする為、ハンギングバスケットにも向いています。
冬の間は土をやや乾燥気味に管理します。夏は、土が乾いたらたっぷり水を与えて、手入れをするのがポイントです。
風通しの良い場所を好み、半日日陰で、西日の当たらない環境が最適です。寒さに強いが高温で多湿を嫌いますので、水はけのよい場所を選べば、大丈夫です。
育てやすい花④ピンポンマム(ピンポン菊)
育てやすい花であるピンポンマムは、コロンと可愛らしい形状の菊の花。菊というと和のイメージが強い中で、ピンポンマムは洋にも対応可能です。まんまるとした姿は菊のイメージを一新してくれます。
また、その可愛らしいシルエットの他にも、花言葉の高潔さから花嫁のブーケなどにも利用されているそうです。菊と言えば仏壇のイメージがありますが、あらゆる方面から固定概念を崩してくれる草花です。
【 育てやすい花:ピンポンマムの特徴 】
★ 草丈10~50㎝に成長し、花の付け根までびっしりと花弁が咲きます。まさに、ピンポンマムの名にふさわしい花姿です。
・ 日当たりの良い場所で育て、新芽が出た時に剪定をします。
種植えは難しいので、3月~6月になったら苗から育てます。鉢植えでも地植えでもどちらでも育てることができます。
暑さや寒さにはとても強い点がピンポンマムが育てやすい花である由縁です。さらに、日当たりと水はけの良い場所を選び植え付ければ安心!
【 ピンポンマムの植え付けのポイント 】
★ 株同士の間隔は30㎝以上開けるように意識します。
・ 植え付け後、株元に泥はね予防のわらを敷いてあげてください。
鉢植えなら「土の表面が乾いたら水をあげ」、地植えなら「日照り続きの時以外は、特に水やりなし」で大丈夫です。
育てやすい花⑤クレマチス
花が大きく、切り花としても利用され、玄関先やリビングに美しく花を咲かせてくれるクレマチス。花言葉に「高潔」「精神的な美しさ」とあるようにクレマチスの花、人目を惹きつける美しさがあります。
【 育てやすい花:クレマチスの特徴 】
★ 花びらのように見える部分が萼で、花の色形、大きさには様々なタイプがあります。
苗から育てるのがおすすめのクレマチス。育ってしまえば生命力のある育てやすい花です。
ただし苗が育っている内は、丁寧に扱うのがポイントです。根が育てば強く丈夫になるので、それまでは鉢植えで丁寧に手入れすることを、おすすめします。
育てやすい花⑥ミヤコワスレ
ミヤコワスレは挿し木でも増やすことができる、育てやすい花のひとつ。何よりも耐寒性だけではなく、日陰でも充分に育つ点が育てやすい花である理由で、菊の一種だけに、日本の気候にも適しています。
【 育てやすい花:ミヤコワスレの特徴 】
★ ミヤコワスレを育てる最大のポイントは、日差しの確認です。
・ ミヤコワスレは日陰でも強い花なのですが、反対に直射日光など、強い日差しには弱いのです。
実は日当たりが良好すぎる場所に置いたことが原因で、失敗する例が最も多いの花です。置き場所の合言葉は「明るい日陰」、これを意識して置き場所を決めてください。
育てやすい花⑦プリムラアラカルト
冬に楽しみたいガーデニングにおすすめの、育てやすい花ならプリムラアラカルトです。前項のミヤコワスレも同じですが、プリムラアラカルトも半日陰で充分に育つのが特徴。
このような、半日陰でも楽しめる庭を「シェードガーデン(影の庭)」と呼びます。プリムラアラカルトもこのシェードガーデンにピッタリです。
【 育てやすい花:プリムラアラカルトの特徴 】
① 花期が長いのが最大の魅力!
・ 冬に育てるなら、春先まで長く咲いてくれるプリムラアラカルトは、育てやすいだけでなく、寒い季節を彩ってくれるとっておきです。
② 花茎が長いので、寄せ植えにも映える!
・ 花茎の長さが特徴で、寄せ植えをしやすいのも魅力です。鉢植えはもちろん、花壇やハンギングでも楽しめます。
耐寒性があり、真冬でも安心して育てられるプリムラアラカルトで、庭を彩ってください。
いかがでしたでしょうか。育てやすい花の多くは、冬なら耐寒性があり寒さに強く、夏なら夏の暑さにも耐えられる花々。そして、本文中にあったように、「シェードガーデン」でも楽しめる、半日陰でも元気に育つ花々が挙げられます。
特に寒い冬の季節は、育てやすい花や植物でありながらも、「彩りとしてはイマイチ…」となりがちです。そんな時に、寒さに強い色鮮やかな花の種類が、一種類でも植えられたら、一気に庭が華やぎますよね。
育てやすい花の多くが、「土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげる」手入れ方法です。実はこのタイプには、「地植えならば自然の雨に任せて大丈夫!」と言う花の種類が多く、プランターならではのポイントであったりします。
プランターで育てる、地植えで育てるなど、育て方によっても多少のポイントの違いが見受けられますので、自身のパターンに照らし合わせて確認して下さい。
本記事を参考にして、春夏秋冬、美しい庭を完成させてください!
まとめ
初心者でもおすすめの育てやすい花
・紫陽花を育てるなら、地植えがより育てやすい
・春夏の花アスチルベは、置く場所を選ばない
・ベロニカオックスフォードブルーをグランドカバーに
・暑さ寒さに強い菊科の、かわいらしいピンポンマム
・丈夫なクレマチスは、始めのうちは鉢植えで丁寧に
・日陰で育つミヤコワスレ。強い日差しにだけ注意!
・日陰にも強く彩りも華やかなプリムラアラカルト