フラワーアレンジは誰でも楽しむことができますが、よりセンス良く花を飾るためにはちょっとしたコツが必要になります。季節やシーンに合わせて花の種類を選んだり、花瓶で雰囲気を変えたりして、素敵なフラワーアレンジをしたいものです。
初心者さんがセンスのよいアレンジをするために、どんなことに気をつければよいか、そのポイントを知りたくはないですか?実は花瓶選びで随分と雰囲気も技術も変わります。
花瓶や花器には様々なタイプのものがあります。形ひとつとっても、筒状のもの、ラッパ状のもの、球状のものでは雰囲気が違ってきますし、材質によっても表情はがらりと変化します。そんな花瓶は、作りたいアレンジの雰囲気によって、器を選んでいくことが大切です。花選びとともに花を飾る器である花瓶選びも、フラワーアレンジにとって重要なポイントなのです。
そこで今回は初心者さんにもおすすめの、花瓶を使ったフラワーアレンジ のコツを、花瓶にきれいに生けるためのテクニックとともにお伝えします。あまり難しく考えすぎず、きれいな花を楽しみながらアレンジしてくださいね。
花瓶を買ってフラワーアレンジ☆
初心者さんにおすすめ
筒状の花瓶にアレンジしよう
安定感のある筒状の花瓶は、初心者さんにもおすすめのオーソドックスな形です。シンプルなガラス製の筒状の花瓶なら、透明感があってどんなアレンジにも合わせられます。華やかな花材にも愛らしい花材にも、対応することができます。
☆ 筒状の花瓶のフラワーアレンジ
筒状の花瓶は形としても安定していて傾きにくいので便利ですが、ただ花の高さを揃えて生けるだけでは棒のように味気ないシルエットになってしまいます。
< 筒状の花瓶で華やかさを出すテクニック >
・ 高低差をつける。
・ ボリュームのあるレースフラワーをあしらう。
などの工夫で、華やかに見えてきます。
ラッパ状の花瓶にアレンジしよう
ラッパ状の花瓶は上に行くにしたがって、口が広がっています。ボリュームのあるフラワーアレンジができる一方で、花材が傾くのでバランスを考えて生ける必要があります。大ぶりの花や枝ものなどを生ける時には、傾かないように注意しましょう。
☆ ラッパ状の花瓶での、フラワーアレンジ
口の広がった器に、スプレー咲きのバラのような枝分かれした花材をアレンジする時には、長さに変化をつけて切り分けると表情のある仕上がりになります。
そのまま花を挿すとスカスカして間延びした印象になるので、ふんわりとアレンジすることを心がけてください。
球状の花瓶にアレンジしよう
球状の花瓶にアレンジする場合には、花と花器のバランスがポイントになります。特にガラス製の球状の花瓶では、透明な水の中の様子がよく見える造りになっていますので、茎の表情を美しく見せるような工夫をするときれいです。
☆ 球状の花瓶のフラワーアレンジ
花瓶が丸く大きいので、花のボリュームが器に負けてしまわないように注意します。
<バランスのよい組み合わせ>
・花と花器を同じくらいのボリュームで仕上げる。
細く長い茎を持つ花や、枝ものをうまくアレンジすると、躍動感のあるスタイリッシュな仕上がりにすることができます。
投げ入れをマスターしよう
口の広い花瓶にバランスよく花を固定するには、どのような方法があるかご存知ですか?フラワーアレンジを知っている人ならば、誰もが知る技術「投げ入れ」をマスターすると、美しく仕上がります。
【 フラワーアレンジ法、「投げ入れ」 】
道具を使うことなく花のバランスをとる方法を、投げ入れといいます。投げ入れの中でも基本の花留めは「じか留め」です。
☆ 投げ入れの基本「じか留め」
じか留めは最初に4本の茎を、花瓶の側面と底の角に切り口が当たるように斜めに挿します。これをベースとして、4本のクロスした点に向かって5本目を挿します。
留めた茎の間に花材を埋めるように花を加えていきましょう。らせんを描くようなイメージで挿していくとうまくいきます。
サブの花の特徴を活かそう
口の広い花瓶に花を留める方法として、塊で咲く花やスプレー咲きの花を利用することもできます。
☆ サブの花を上手に生かしたアレンジ
アジサイのようなかたまって咲く花を2輪、向かい合わせにじか留めをすると、ほかの花材が留めやすくなって便利です。
またスプレー咲きの花はボリュームが出るだけでなく、空間を埋めてくれるのでほかの花材を固定してくれます。上手に切り分けて、アレンジに強弱をつけるようにすると効果的です。サブの花材を上手に活かすと、口の広い花瓶にもきれいに飾ることができます。
十字留めをマスターしよう
☆ 道具を使わない花留めの方法「十字留め」
花留めの方法として、花材の茎や枝を使った十字留めがあります。道具を使わず、広い花瓶の内側にぴったり合ったサイズの茎や枝を渡します。1本目を渡したら、2本目は1本目を下から持ち上げるようにはめ込むとよいでしょう。
長い花は十字のクロスした部分に寄りかからせるようにします。十字が支えになってくれるので、花材が倒れることがありません。
☆ 十字留めの活用法
大きな花瓶に対して少量の花を生ける時にも便利です。
ちなみに、花瓶の内側に茎や花瓶を1本だけ渡す方法は一文字留めといいます。
花瓶の素材を活かそう
陶磁器やガラス製の花瓶も素敵ですが、その他の素材でできた器も花瓶として活用することができます。
☆ フラワーアレンジに生かせる様々な花瓶
素焼きの花瓶は素朴でナチュラルな印象を与え、和風のアレンジにも向いています。素焼きの一輪挿しに、キキョウやツバキなどが一輪飾ってあるだけで趣があります。
☆ ブリキ製のジョウロや缶は、カントリー調のお部屋にぴったりです。
野草やハーブといった花材を飾るのに適した素材です。
その他にも様々なものが、花瓶として変化します。家にあるコップやメイソンジャーなどのガラス瓶も、しゃれた花瓶として使うことができます。工夫次第でいくらでもアレンジの幅が広がることでしょう。
初心者さんにもおすすめの、花瓶を使ったフラワーアレンジのコツはいかがでしたか。季節の花々や作りたいアレンジの雰囲気に合わせて、素敵な花瓶を選んでみてください。まずはシンプルな筒状のものから使い、慣れてきたら様々なデザインや素材のものを増やしていくと、コツをつかみやすいかもしれません。
筒型の花瓶のフォルムを活かして縦長のアレンジをしてみたり、背の低い花瓶にこんもりと丸くアレンジしてみたりと、様々のフラワーアレンジを楽しみましょう。大輪の花をつけるものやスプレー状に広がった小花など、花材それぞれに特徴があります。花の個性を活かした花器選びを心がけ、それぞれの花が持つ美しさをより引き立ててあげてください。
フラワーアレンジをするのが初心者の方も、花と親しんで生けてみると楽しいです。花は部屋のどこに飾っても様になります。素敵な花や花瓶が、きっとあなたを華やいだ気分にしてくれます。
まとめ
初心者さんにおすすめのフラワーアレンジのコツとは
・筒状の花瓶には高低差を付けてバランスに変化を
・ラッパ状の花瓶なら、長さに変化を付けて切り分ける
・球状の花瓶では、花と花器が同じくらいのバランスで
・投げ入れをはらせんを描くように進めると、上手に
・まとまって咲くサブの花々をじか留めに
・大きな花瓶に少量の花なら、十字留めでアレンジ
・ブリキやジョウロ、缶まで様々な素材を花瓶代わりに