白菜は、野菜が不足しがちな時期の貴重な食材ですよね。鍋物はもちろん炒め物や煮物、漬物など様々なレシピでお馴染みですが、「白菜の育て方は難しそうだから自家栽培はハードルが高そう」と思っている方もおられるのではないでしょうか。
実は、初心者でも白菜の育て方はそれほど難しくありません。品種選びや栽培時期、病害虫対策などのポイントさえきっちり守って対策すれば大丈夫なのです。
白菜には浄血作用があり、水分が多いので栄養価はさほど高くありませんが、ビタミンCやカルシウム、カリウム、鉄分、食物繊維などをバランス良く含む優秀な野菜です。和洋中を問わず食卓で大活躍の白菜を家庭で栽培できたら嬉しいですよね。そこで今回は、白菜の育て方と栽培に必要な5つのコツをお伝えします。
白菜の育て方と
栽培に必要な5つのコツ
初心者は秋蒔きの早生種で、種蒔き適期を逃さずに
白菜の生育適温は15℃~20℃と狭く、特に、葉が巻き始める結球期は15℃~17℃がベスト。種蒔きの適期が他の野菜と比べて短いので、時期を逃さないことが白菜の育て方の最初のポイントです。春蒔きと秋蒔きがありますが、春播きは害虫や病気の被害が多く結球も難しいので、比較的管理しやすい秋播きが良いです。
種蒔き時期の目安は8月下旬~9月上旬。地域や標高、地形、年次変動によって差異がありますので、栽培する地域の気候条件に合わましょう。初心者には種蒔きから収穫まで55日~60日の極早生種や、65日前後で収穫できる早生種がおすすめ。栽培期間が短い分、病害虫被害の危険度も低くなるので、管理や育て方が楽になります。
十分な間隔をとって浅めに種を蒔き、順次間引きを
白菜には直蒔きとポット蒔きがあります。直蒔きは生育が早いのですが、幼苗期は害虫の被害を受けやすく、発芽も揃いにくいので、ポット蒔きがおすすめです。9㎝(3号)のポリポットに種蒔き用の培養土を入れ、できるだけ間をあけて3~4ヶ所に指先で小さな窪みを作ります。
そこに一粒ずつ種を蒔き、周りの土を5㎜~1㎝程度に薄く被せて軽く押さえます。白菜の種子は好光性なので深蒔きは厳禁。土が乾かないようにジョウロでたっぷりと水を与えます。
本葉1~2枚になったら2本に、3~4枚で1本になるように、生育の遅いものを間引いていくのが白菜の育て方のコツ。種蒔きから約1ヶ月で本葉5~6枚になるので、大きめの鉢やプランター、地面に植え替えましょう。
幼苗を購入する場合は本葉の枚数と害虫をしっかりチェック
家庭菜園やベランダ菜園で、栽培する白菜の株が少ない場合は、ホームセンターなどで丈夫な苗を購入するのも、初心者におすすめする白菜の育て方の一つの方法です。幼苗期の害虫被害を防ぐ意味でも、苗から購入すれば育て方も栽培の労力も少し楽になり、経済的にも効率が良いのです。
但し、売られている幼苗にはアオムシなどの害虫の卵や幼虫がついていることもあるので、よくチェックしてから購入することが大切。また、本葉が多い苗は根付きが良くないので、本葉が4~5枚の幼苗を選びます。
葉を広げる十分な間隔と肥沃な土で、根付くまでたっぷり水やり
白菜の育て方で重要なのが栽培用土。排水性が良く肥沃な土を使います。赤玉土(小粒)7:腐葉土2:バーミキュライト1の割合で混ぜた土に、用土10ℓに対して苦土石灰と化学肥料をそれぞれ10~20g配合します。市販の野菜用培養土を利用すれば初心者でも安心ですね。
プランターは60㎝以上の大型のものを使えば2~3株栽培できます。プランターの縁から下3~5㎝程度まで土を入れておきます。白菜の育て方のポイントとして初期段階では葉を大きく広げる必要がありますので、30~40㎝の間隔をあけて幼苗のポットより少し大きめの穴を作ります。
苗の根についた土を崩さないように穴に置き、株元に土を寄せて根と土を密着させ、根付くまで水をたっぷり与えてあげましょう。2週間程度で、葉が急激に育ち始めた時が根付きのサインです。
肥料は切らさず、土寄せを忘れず、ベストタイミングで収穫を
元肥を十分に与えておくのが白菜の育て方の基本ですが、プランター栽培では植え付け2週間後から結球するまでの間、週1回水やりを兼ねて液肥を与えます。化学肥料の場合は2週間に1回が目安。肥料不足になると結球しないので要注意です。結球後も化学肥料を約3g与え、変色や穴の開いた外葉は早めに摘み取ります。
本葉が10枚程度になったら、苗が倒れないようにしっかり土寄せをしておくと、結球時期の株が安定します。雨が降ったり水やりの後に土が流れてしまったときは、土寄せを忘れずに。但し、結球が始まった後は、株間の細根を傷つけるので土寄せは行いません。
早生種の場合は種まきから60~65日で収穫期を迎えます。結球した頭の部分を押さえてみて、身が固く締まっていればベストタイミングなので、結球部分を斜めに倒して根元を切り取って収穫です。
いかがでしたでしょうか。少しハードルが高そうだった白菜の育て方も、全体の流れとポイントさえ押さえれば初心者でもできそうですよね。まずは、秋蒔きの早生種から始めてみるのがおすすめです。
適期を逃さないようにポリポットで苗から育てるのも良し、栽培する株の数が少ないなら、幼苗を購入するのも白菜の育て方としては一つの方法です。苗の葉が5-6枚になったら、根を傷めないように注意しながら、プランターに植え替えます。
根付くまでは水をたっぷりと与え、根付いたら追肥と土寄せを忘れず、傷んだ外葉の摘み取りは早めに。結球した頭の部分が固く締まってきたら収穫です。結球部を斜めに倒して根元をナイフで切り取ります。外葉をつけたまま新聞紙で包み、立てて保存しておくと新鮮さが長持ちします。様々なレシピで活躍するのが楽しみですね。
まとめ
白菜の育て方に必要な5つのポイントは
①初心者は秋まきの早生種で。8月下旬~9月上旬が種まきの適期です
②十分な間隔をとって種をまき、成長とともに弱い苗は間引きましょう
③幼苗から購入するのが簡単ですが、苗選びは葉の枚数と害虫に注意を
④葉を広げるのに十分な間隔と肥沃な土で、根付くまではたっぷり水を与えます
⑤肥料を切らさず、土寄せを忘れず、結球部の頭が固く締まったら収穫します