ハワイアンキルトは美しい配色や左右対称のデザインが特徴的な、ハワイの文化の一つです。1枚の布を8つに折りたたみ、切り絵のように切りぬいて作る左右対称のモチーフには、ハワイの花や木々、海の生き物などが描かれています。
ハワイアンキルトの発祥は1820年代、イギリス人宣教師の妻たちによってハワイに伝えられたパッチワークキルトが元になっています。
ハワイの気候では保温のためにキルトを用いる必要がないため、装飾のための独自のキルト文化が発展しました。ハワイでは古くから花や木に精霊が宿るという考え方があります。キルトに花や木などのモチーフを縫い付けることによって、聖なる力や家族への想いを込めたのです。
ハワイアンキルトを一針一針縫うのは手間のかかる作業ですが、それだけマナ(魂)が宿るとされ、大切な人への贈り物としても親しまれています。あなたもハワイの大自然への敬愛や、愛する人への想いを込めて、ハワイアンキルトを作ってみませんか。今回は初めての人にもおススメのデザインを紹介していきます。
ハワイアンキルトを始める人にオススメの7つのデザイン☆
星型で愛らしいプルメリアの花をキルティングしよう
プルメリアは、ハワイでレイに用いられているポピュラーな花の一つです。
5枚の花びらを持つかわいらしい花の形が、ハワイアンキルトのモチーフとしてもたいへん好まれています。プルメリアは神に捧げる花とされているほか、魔よけのお守りとして身につけることもあると言います。ピンクや黄色の星型をしたプルメリアの花は、上品で優雅な香りがすることでも知られています。ハワイの人々に愛されるプルメリアの花をキルトのデザインとして縫い付けてみましょう。
美しいプルメリアの花に想いを馳せながら作業するのは、きっと楽しいものになるはずです。
華やかな南国の花、ハイビスカスをキルティングしよう
プルメリアと並んで、ハワイの花と言って思い出すのはハイビスカスではないでしょうか。
ハイビスカスは赤というイメージが強いですが、オレンジや黄色、白などのものもあります。ハワイ州の州花である「ハイビスカス・ブラッケンリッジー」は黄色のハイビスカスです。ハワイ語でハイビスカスは「アロアロ」と言い、神に捧げる花という意味があるそうです。
ハイビスカスの花も、ハワイアンキルトのモチーフとして王道と言えるでしょう。華やかなハイビスカスの形を縫い付けていくと、心まで華やいだ気分になれそうです。
幸せを呼び込むモンステラの葉をキルティングしよう
モンステラの葉のデザインも、ハワイアンキルトでは定番のモチーフです。大きな葉に深い切り込みがあるのが特徴で、中心に穴がいくつもあいたモンステラもあります。
観葉植物として1950年代から70年代にかけてブームを巻き起こしました。モンステラは葉の先から水滴を出す習性があり、「こんこんと水が湧き出るように幸せが訪れる」とも言われています。
ハワイアンキルトのモチーフとされているモンステラは、「デリシオーサ」という大型で左右対称の葉を持つ品種です。モンステラのモチーフを縫い付けることで、大きな幸せが呼び込めそうな気がします。
ハート型のアンスリウムの花をキルティングしよう
南国をイメージさせるアンスリウムですが、原産は南米や西インド諸島です。
ハワイには1889年、オアフ島に始めて植えられたとされています。今ではハワイはアンスリウムの輸出量世界一となり、ハワイを代表する花の一つとなっています。ハートの形をした部分は、正確には「苞(ほう)」という部分です。
この苞のハート型によって、別名ラブフラワーとも呼ばれており、愛情を表わす花として知られています。
アンスリウムは、ハワイアンキルトでは初心者が作りやすいデザインとして親しまれています。アンスリウムのモチーフで愛を表現するのも素敵です。
繁栄を願うウル(パンの木)の実をキルティングしよう
ウルとはパンの木のことで、ハワイではよく見かけるクワ科の植物です。
ウルは実も葉もひじょうに大きく、生命力にあふれる植物です。メロン大にもなる実は、食用としてだけでなく灯油や染料としても使われ、珍重されてきました。ウルはハワイの人々にとって、繁栄や成長を表わす縁起の良い植物なのです。
ウルをハワイアンキルトの最初のモチーフに選ぶと、その後素晴らしいキルトを作り続けると言われています。また男の子が生まれた時に、ベビーキルトとしてウルのデザインのキルトを贈る習慣があります。
ホスピタリティを表わすパイナップルをキルティングしよう
ハワイの特産品の一つにパイナップルがあります。
ハワイの各地でパイナップルが植えられ、ハワイの人々にとっては親しみ深い植物です。多くの実をつける植物は、繁栄や願い事の成就を意味しており、お祝いのキルトとしてよく使われるモチーフです。
またパイナップルには「ホスピタリティ」の意味もあるため、ハワイアンキルトのモチーフとして人気があります。ホスピタリティとは温かいおもてなしの心です。パイナップルの愛らしくて元気なイメージのデザインに、願い事や愛情を込めてみてください。
海の守り神であるホヌ(ウミガメ)をキルティングしよう
ハワイでホヌ(ウミガメ)は海の守り神とされる神聖な生き物です。
ホヌは神の遣いアウマクアの化身とされ、ネイティブのハワイアンたちの祖先とも守護神とも言われています。アウマクアは自然界の生き物だけでなく、植物や鉱物にも姿を変えることができ、一族や子孫を守るという言い伝えがあります。
ウミガメの天敵はサメですが、ホヌのいるところはサメがいない海域ということで、海難のお守りとしても喜ばれます。ホヌはハワイアンキルトのモチーフとしてたいへん人気があり、サーファーの方へのプレゼントとして贈られることも多いデザインです。
ハワイアンキルトの代表的なモチーフの数々はいかがでしたか。一つひとつのモチーフに込められた想いや願いがあることがわかります。ハワイの豊かな自然に囲まれた環境の中で、人々が花や木々、海の生き物を敬い、感謝の気持ちを大切にしながら生活していることが伝わってきます。
美しいハワイアンキルトの伝説があります。白いシーツを干していたところ、レフアの木の影がシーツに映ってきれいだったことから、ハワイアンキルトが生まれたのだというものです。植物の影を写し取ったようなハワイアンキルト。
あなたもアロハ(愛)やマナ(心)を込めたハワイアンキルトを、ぜひ作ってみてくださいね。
まとめ
ハワイアンキルトを始める人にオススメの7つのデザイン☆
・星型で愛らしいプルメリアの花をキルティングしよう
・華やかな南国の花、ハイビスカスをキルティングしよう
・幸せを呼び込むモンステラの葉をキルティングしよう
・ハート型のアンスリウムの花をキルティングしよう
・繁栄を願うウル(パンの木)の実をキルティングしよう
・ホスピタリティを表わすパイナップルをキルティングしよう
・海の守り神であるホヌ(ウミガメ)をキルティングしよう