イチジクの育て方は意外と簡単。よく考えると、昔は庭先に植えられたイチジクの樹をよく見かけましたよね。
ちょっと前まではどこか懐かしい印象のフルーツでしたが、最近では、ケーキやジャムだけでなく、肉料理のソースやサラダ、ワインのおつまみなど、オシャレなお店のメニューなどでも見かけることが増えた注目の食材のひとつがイチジク。
イチジクは栄養分も豊富で、「不老不死の果物」や「聖なる果実」とも呼ばれることもあり、美容や健康やダイエットなど、様々な嬉しい効果が魅力!
ただ、その魅力にも関わらず、ドライフルーツ以外はスーパーなどで売られている姿をあまり見かけないのは、生のイチジクはあまり日持ちがしないからかもしれません。
しかし、そんな傷みやすいイチジクも、家庭菜園で育てれば、いつでも新鮮なイチジクをたくさん味わうことができます!そう考えるとぜひ、手軽に試してみたいですよね。
そこで今回は、家庭でも簡単に栽培できる、イチジクの育て方のポイントをお伝えします。
イチジクの育て方☆
家庭菜園で簡単に栽培するポイント
苗木を用意する
果物の中には、食べた後に残った種を植えておけば、やがて芽を出して育ってくれるものがたくさんあります。
【 イチジクの育て方☆苗木から育てる 】
★ しかし、イチジクは種から植えても、芽がでないことがほとんど!育てる時は必ず苗木を買ってこなくてはなりません。
・ イチジクは種から育たないというのが、他の果物とイチジクの育て方の大きな違いの1つで、覚えておくべきポイント。
イチジクが種から育たない理由は、イチジクの受粉を助けるイチジクコバチという特定の蜂が日本には生息していないから。このハチがいなければ、実はなっていても中の種は受粉できていない状態なので、ちゃんと育つことができないのです。
イチジクの鉢を選ぶ
小さな子どもが登れる程まで大きく育つイチジク。「広い庭がないと、育てることができないのではないか?」と思っている方も多いかもしれません。
【 イチジクの育て方☆鉢選び 】
★ でも、イチジクは大きさを調整しながらであれば、植木鉢やプランターでも十分育てることができるので、ベランダでの家庭菜園でも栽培が可能!
・ ただ、イチジクは根の生長が活発で、小さい鉢に植えてしまうとすぐに根が詰まってしまいます。
地植えではなく鉢植えで育てるつもりなら、できるだけ深さのある鉢を選んで、1年に1度程度は大きな鉢へと植え替えてあげればOK。植え付けは、イチジクが休眠期に入っている12~3月頃に行うのが適しています。
日当たりについて
イチジクの育て方の中でも注意しておきたいのは、日当たり。
【 イチジクの育て方☆日当たり 】
★ 地植えの場合も鉢植えの場合も、イチジクを育てる場所は太陽の光が降り注ぐような、日当たりの良い場所を選ぶようにしてください。
・ イチジクの樹自体は日当たりが悪くても育つのですが、日当たりが悪いと美味しい実ができないのです。
イチジクを家庭菜園で育てる一番の目的は、やはり、実を収穫して食べること!日光にしっかりと当てて、美味しい実が育ててみてください。
水やりについて
イチジクの育て方の中で、日常的に気をつけたい水やり。イチジクは水を好む一方で過湿には弱い植物、ということを意識した水やりが不可欠です。
【 イチジクの育て方☆水やり 】
★ 常に地面が湿った状態のままだと、根腐れをおこして枯れてしまう原因に!基本的には土が乾いてから、たっぷり水を与えるようにしてください。
・ またその一方で、イチジクは葉っぱが大きいことから水分が蒸発しやすく、水が切れると乾燥して葉が落ち、株が弱ってしまうという特徴もあります。
西日が良く当たる場所や、夏の日差しが強い時期には特に、水切れしないようにこまめにチェックしたり、腐葉土やワラなどを用いて乾燥を防ぐようにしてあげればバッチリです。
イチジクの寒さ対策
イチジクは亜熱帯原産の植物。そのため暑さには比較的強いものの、寒さには弱い性質を持っていることにも気を配る必要があります。
【 イチジクの育て方☆寒さ対策 】
★ 耐寒性の強い品種でないのであれば、まだ樹が若い栽培5年位までの間は、冬は室内で冬越しさせてやるほうが安心。
・ 関東より北の地域で育てる場合も、冬は室内で育ててあげた方が安心して育てられるはず。
鉢植えで育てていれば、室内へも楽に取り込むことができるので、そういった意味でもイチジクの育て方として鉢植えはオススメです。
イチジクの肥料の与え方
実が美味しくなるイチジクの育て方のポイントは、肥料をたっぷり与えること!イチジクは、他の果樹と比べても肥料を多く必要とするのがイチジク。
肥料によって丈夫になった根や茎は、実を大きく育ててくれます。
【 イチジクの育て方☆肥料 】
★ イチジクの育て方では、苗を植え付ける時から、しっかりと肥料を混ぜ込んで栄養たっぷりの土壌を作っておくのがポイント。
・ 栽培中は3~10月の期間に、1~2ヶ月に1回肥料を与えるように意識してください。
イチジクを剪定する
イチジクは放っておくととても大きな樹に育ってしまう植物。限られたスペースの家庭菜園で育てるのであれば、剪定は不可欠!特に、鉢やプランターで育てるのであれば、樹高が1~2mにおさまるように、毎年剪定を行ってください。
【 イチジクの育て方☆剪定 】
★ 品種や地植えか鉢植えかによって剪定の仕方は多少異なりますが、気を付けなくてはいけないのは、「イチジクの実は新しく伸びた枝になる」という習性があること。
・ もし切る枝を間違えると実ができなくなってしまうのです!収穫することが目的なのであれば、どの枝を落とすのか、注意して切ってください。
いよいよ、イチジクの収穫!
イチジクは栽培2年目から、実が収穫できるようになる植物。果実のお尻のところが割れてきたら、実が十分熟した証拠!
【 イチジクの育て方☆収穫 】
★ イチジクは下の方の実から熟していくので、順番に収穫していってください。
・ もしイチジクの収穫を早めたいのであれば、イチジクのお尻のところからスポイトでオリーブオイルを数滴注げば、早く熟します。
いかがでしたでしょうか、昔は庭の樹としてポピュラーだったイチジクも、放っておくと2~4mもの大きな樹に育ってしまうので、大きな庭のある家が減り、マンションが増えた現代では、見かけることも少なくなってしまいました。
しかし最近では、食材としてイチジクが人気になってきたこともあって、家庭菜園で育てる果物として再び徐々に人気が出てきています。お伝えしてきたように、イチジクの育て方はとても簡単!鉢植えで小さく管理することも可能な、家庭菜園向きの果物です。
家庭菜園でイチジクを育てる最大のメリットは、なんといっても、完熟のイチジクを手軽に食べることができること。逆に言えば、家庭菜園で育てない限りは、なかなか完熟イチジクを食べる機会には出会えません。
イチジクの育て方は、決して難しいものではありませんから、ぜひご家庭でも新鮮なイチジクを満喫しながら、色んなイチジクの食べ方を、ご家庭でも楽しんじゃいましょう!
まとめ
自宅の鉢植えでのイチジクの育て方
・苗木からでないと育たない
・十分な日光を当てると実が美味しくなる
・過湿・水切れに弱い!水やりのタイミングに注意
・寒さに弱いので冬場は室内が安心
・肥料はたっぷりと与える
・新しい枝に実を付けるので、剪定する枝を確認
・下から順番にお尻が割れてきた実から収穫する