デザートはもちろん、料理にも使われる身近な食材であるりんごですが、その栄養は意外と知られていませんよね。実はりんごに含まれている栄養はダイエットに役立つのです。流行した事もあるりんごダイエットですが、ただりんごを食べるだけでは本来の効果を最大限に得る事は出来ません。
ではどのような食べ方をすれば効果的にその効能を得られるのか、りんごの栄養を良く知ってきちんと把握しておきましょう。りんごは昔から風邪や胃腸が弱っている時に食べると良いと言われる体に優しい食材であり、海外では「1日に1個のりんごで医者要らず」と言う程りんごの栄養が持つ健康効果は優れています。
ダイエットに役立つという事は肥満が原因で起きる生活習慣病の予防にも役に立つので、健康な体を維持するためにもりんごの栄養と効能を知っておいて下さい。そこで今回はりんごの栄養がダイエットに役立つ、効能と効果的な食べ方についてお伝えします。
りんごは低カロリー食品
甘みもあって少量で満足感を得られるりんごですが、そのカロリーはM寸のりんご1個(約255g)あたり138kcal。100gなら54kcalと低く、間食に食べる事の多いお菓子類やシリアル、パン類と置き換える事で摂取カロリー量を抑えられます。りんごの栄養には塩分や脂肪分は含まれていませんし、糖質も100gあたり約13g。
例えばりんご同様に年中入手しやすく、ヨーグルトやシリアルに混ぜたり、パンに載せるなど同じような食べ方を手軽に楽しめるフルーツであるバナナは100gあたり86kcal、糖質は約21gですから、ダイエット中でも間食を摂りたい時や健康の為に毎日果物を食べる習慣を付けたい時はヘルシーなりんごはおすすめの果物。
ペクチンでお腹すっきり
りんごには水溶性食物繊維であるペクチンや不溶性食物繊維であるセルロースが含まれているので、血糖値やコレステロール値の上昇を抑える効果や胃腸の働きを整え、便通を良くする効果を得られます。りんごだけをそのまま食べてもりんごの栄養により便秘解消効果は得られますが、同じく腸内環境を整える効果のあるヨーグルトと合わせて食べる事でより高い便秘解消効果が期待出来ます。
ダイエットを意識するなら糖分の摂取量を抑える為にも無糖のヨーグルトを選びましょう。無糖のヨーグルトは食べにくいという人もりんごを混ぜれば自然な甘みが加わり無理なく食べられますよ。他の方法で効率良く便秘解消効果を得たい時はりんごを加熱すると良いです。加熱するとペクチンが9倍に増加するのでそのまま食べるよりも多くの食物繊維を摂取出来ます。
りんごで老廃物を溜めない体に
お肉を柔らかくする方法の一つとして、りんごの擦り下ろしに漬ける方法があります。これはりんごの栄養の1つであるリンゴ酸が働き、お肉の繊維を柔らかくしてくれるから。このリンゴ酸には疲労回復や歯のホワイトニング効果、デトックス効果もあります。
更に、りんごにはペクチンやセルロースの食物繊維の他にカリウムがたっぷり含まれていますから、体内に余分に溜め込まれた塩分や水分の排出が促されむくみが取れます。むくみは痩せにくくセルライトが落ちにくくなる水太りの原因になりますから、慢性化を防ぎたい所。デトックス効果の高いりんごを習慣的に食べる事で、すっきりした体や痩せやすい体に変えていく事が可能です。
りんごは皮ごと食べた方が良い理由
「残留農薬が心配だから」または「食感が悪いから」などの理由でりんごの皮を剥いてから食べる人も多いですが、りんごの皮にこそ摂取したい栄養が詰まっています。それが「りんごポリフェノール」と呼ばれる成分です。
りんごポリフェノールは主にりんごの皮に含まれる100種類を超えるポリフェノールの総称で、抗酸化作用による老化防止や血糖値を下げたり、コレステロール値を下げるなどの働きをする栄養素。
これだけでも十分ダイエットや生活習慣病予防に役立ちそうですが、りんごポリフェノールには食事による脂肪分の吸収を抑えたり、体内脂肪の生成を抑制し、脂肪の燃焼に関する酵素を活性化させる働きもあるのです。そんなりんごの栄養を逃さず摂取するなら擦り下ろしがベスト。もちろん皮ごとが一番ですが、りんごの種には毒性があるので種部分は避けて下さいね。
りんごの皮を安心して食べる為に
これらの効能からりんごは皮ごと食べた方が良い事がわかりましたが、皮ごと食べるにあたってやはり農薬の事が気になりますよね。りんごを購入する時、皮がベタベタしているりんごを「農薬が付いているりんご」「艶出しの為にワックスがかけられているりんご」と思って避けていませんか。
りんごのベタベタはりんごが持つ水分の蒸発を防ぐ為に自ら分泌する不飽和脂肪酸で、悪玉コレステロール値や中性脂肪を減少させます。ですから、りんごのベタつきは農薬やワックスのような体に悪いものではなく、むしろ健康の為に良い働きをするものなのです。
品種によって違いはありますが、りんごが熟してくると不飽和脂肪酸の分泌が増える為ベタつきが増しますから、りんごを選ぶ時はベタつきがあるりんごを選ぶと良いですよ。ちなみに、りんごの表面の残留農薬は水洗いで落とせます。水洗いでは心配という人は食材用の洗剤を活用して是非りんごポリフェノールがたっぷり含まれている皮ごと食べて下さい。
さて、栄養面で注目される事が少なく子どものおやつや病人食に向いているイメージが強いりんごですが、実際は豊富なポリフェノールや食物繊維を含んでいる果物です。特に、皮の部分にダイエットや生活習慣病の予防、老化防止など様々な健康効果を発揮するりんごポリフェノールが含まれているので皮も捨てずに食べた方が良い事もわかりました。
りんごの皮に付いた農薬は水洗い落とせますし、りんごのベタつきは農薬やワックスではなく体に良い不飽和脂肪酸ですから、食べる前に水洗いすれば摂取したい栄養が詰まったりんごの皮も安心して食べられます。
カロリーが低いのでカロリーの摂取量は抑えたいけれど間食はやめられない人にもぴったり。今回お伝えした食べ方も参考にしながら、毎日の食事にりんごを取り入れて老廃物を溜め込まない健康的な体作りに役立ててみてはいかがでしょうか。