芍薬の花言葉~育て方まで、知っておきたい7つのポイント

「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」

芍薬といえば、この言葉を思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。芍薬のように風情があって、牡丹のように華麗で、そして、百合のように清楚な美しい女性を、花にたとえた言葉です。

素敵ですよね。私も一度はそう言われたいものですが、芍薬は、天空に向かってすっと伸びている姿から背丈の高い、スラリとした美人をイメージしているので、どれだけ頑張っても難しいようです。

一方で、この芍薬が庭にあって、毎日芍薬の花を見ることができる人もいます。芍薬は大きい花をつけるので、手入れが難しく、きれいな花を咲かすことは難しいかもしれません。

でも、立派に育てることで、もしかしたら、芍薬の花に近づけるかもしれません。今日は、そんな芍薬の花言葉から育て方まで知って、少しでも芍薬のような美人に迫ってみましょう。

 

芍薬の花言葉
~育て方まで、知っておきたい7つのポイント

 

 

「恥じらい」

ギリシア神話には「恥じらい」の花言葉にちなんだ逸話があります。

医薬の神パイエオーンは、ゼウスの子供を宿した出産の女神レトの陣痛を、芍薬の根を使って軽くしました。それにより、パイエオーンはゼウスの寵愛を得て、名声を勝ち取るのですが、自分の師である医術の神アスクレピオスの嫉妬心により、命を絶たれてしまいます。

彼の死を悼んだ女神レトは、パイエオーンを芍薬に生まれ変わらせたと言われています。

芍薬は出産を控える女性の「恥じらい」と「不安な心」を見事解消した植物なのですね。

 

「清浄」

芍薬の学名「ピオニー」は、ギリシア神話に登場する医薬の神パイエオーンが由来しています。芍薬が女神トレの陣痛を軽くしたギリシャ神話のように、、古来より芍薬は薬効を持つ植物として広く知られていました。

それは、中国をはじめとした東洋でも同じでした。芍薬は貴重な薬用植物として大切に育てられてきました。「芍薬」という名前からも連想できますね。

「芍薬」は消炎・鎮痛・抗菌・止血など、数多くの作用があったため、ほかの漢方薬の中でも特に重要な植物とした扱われてきました。「清浄」という花言葉は、このような生薬としての効能を表したものです。

 

「威厳」

牡丹の花と芍薬の花はよく間違得られることがあります。どちらも大輪で、豪華絢爛で、艶やで、見るものを圧倒する美しさです。ちなみに、お店では、芍薬は切花で、牡丹は鉢植えで置かれることが多いようです。

それは、牡丹の花は木の上に咲くのですが、芍薬は茎が伸びてその上に花を咲かせる花の位置に違いがあるからです。芍薬の堂々と咲くその姿から「威厳」という花言葉も生まれました。

ちなみに、芍薬は咲き終わったあと、花をそのままにしておいてはいけません。タネを作るために栄養がとられてしまうからです。花が終わったら速やかに摘み取ってあげましょう。

 

「はにかみ」

 

芍薬はその華やかに見えますが、実は、夕方になると花びらを閉じてしまいます。美人にたとえる花として用いられるせいか、その様子が女性がはにかんでいるように描写されます。とても擬人的なたとえですね。

同じように、英語でも“blush like a peony(シャクヤクのように顔を赤らめる)”という「顔を真っ赤にする」という慣用句があるそうです。東洋だけでなく、西洋でも芍薬の花が夕方に閉じてしまうことをはにかんでいる様子に見えるようですね。

 

「素直な性格」

イギリスの民話では、照れ屋の妖精が芍薬の花に隠れたところ、花も一緒に赤らんだという話があります。芍薬の花が妖精の気持ちに汲み取って自らの色を変化させたのでしょうか。妖精にそっと寄り添う素直なところからこの花言葉は来たように思えます。

芍薬は牡丹科ということもあり牡丹によく似ています。でも牡丹はもっと自分を主張する花です。それに、牡丹は樹木なのですが、芍薬は草という大きな違いがあります。

芍薬は草ですから、冬には葉や花は枯れたように、休眠します。が、完全に枯れているわけではありません。花が終わった9月と、それから花が咲く前の2月ごろに肥料を与えてください。そうすることで、春にまた大輪の花を咲かせてくれるでしょう。

 

「つつましさ」

芍薬は日本だけでなく、ヨーロッパ諸国でも美しい花として愛されてきました。そのためヨーロッパで品種改良された芍薬には、オリエンタルで妖艶な雰囲気を持った芍薬も存在するそうです。

フランスでは「聖母のバラ」、スペインやイタリアでは「山のバラ」とも呼ばれ、芍薬の美しさは、バラにも匹敵するとされています。芍薬の香りも、バラのような甘さを放つことからもバラに例えられたのかもしれません。

芍薬は東洋の神秘的な雰囲気を醸し出しています。そのため、ヨーロッパの人たちは東洋から渡ってきたこの芍薬の花に、東洋女性の持つ「つつましさ」を垣間見たのではないでしょうか。

 

「謙虚」

もともと芍薬は、薬用植物として中国から奈良・平安時代に渡来してきました。

「芍薬」は原産地の中国の名前をそのまま音読みして「シャクヤク」呼び始めました。最初は薬草として利用していましたが、あまりの美しさのため、室町時代後期から、観賞用としても品種改良が始めることになりました。品種改良された芍薬は、江戸時代には「茶花」として人気を集めました。

品種改良を行っても、芍薬は小さく上に伸びていきます。もちろん、芍薬が草ですから、分枝せず茎がまっすぐに立つためなのですが、その姿がどれだけちやほやされても、謙虚に咲いてるように見えます。

 

いかがでしたでしょうか。

芍薬のことは、ことわざは知ってはいるものの、あまりなじみのある花ではありません。ちょっと渋くて、高価だし、めったに花束に登場する花でもありませんよね。でも、西洋でも東洋でも美しい女性に例えられる芍薬の美しさは、世界に通じるものがあるようです。

切り花で見ることが多い芍薬ですが、機会があれば、ゆっくり育ててみてください。そうすれば、高嶺の花のように見える芍薬の恥らったところを見ることができるはずです。

 

まとめ

芍薬の花言葉~育て方まで、知っておきたい7つのポイント

 

・「恥じらい」
・「清浄」
・「威厳」
・「はにかみ」
・「素直な性格」
・「つつましさ」
・「謙虚」


連記事