チューリップの育て方、来年も花を咲かせるためにやるべき7つの事


春の代表的な花と言えば、桜のほかに忘れてはならないのが『チューリップ』ですよね。入園・入学式などには必ずと言っていいほど飾られていたり、小学校の植木鉢や花壇で栽培したりと、私たちになじみのある花です。

そんなチューリップは、もともと地中海沿岸から中央アジアにかけて分布する球根植物で、実に150種も存在しています。比較的栽培しやすいため、ホームセンターなどでたくさんの球根が並んでいるのを見かけたことがあるのではないでしょうか。

しかし、球根植物は開花後に適切な処理を施さないと、翌年も花を咲かせることが難しいのです。せっかくであれば、正しいチューリップの育て方を知って、長く楽しみたいですよね。そこで今回はチューリップを翌年も楽しむための育て方についてお伝えします。ではご覧ください。

健康な球根の選び方

翌年もチューリップを開花させるのに重要なのが『球根選び』です。健康な球根を選んで植えなければ、どんなに頑張っても花が咲かなかったり、1年だけで終わってしまいます。

健康な球根は、大きくツヤがあってふっくらしたもの、手に取った時に重くしまっているものです。販売されている時点で球根の薄皮がはがれているものもありますが、病気などではないので問題ありません。

傷や破損があったり、カビが生えていないかということもよく観察してください。良い球根を選んでもその全てが開花するとは限らないので、咲かせたい数の1割増しほどの球根を購入しましょう。

 

用土の選び方

庭植えする際は庭土を良く耕してください。スギナやオオバコの生えるような酸性土になっている場合は、草木灰を薄くまいて土壌中和しましょう。

コンテナに植える際は、一般の培養土だけでも良いようですが、水はけを良くするために赤玉土や軽石細粒を足して、少し重めの用土にすると、より良い用土になります。

これらを配合する場合は、赤玉土6:腐葉土3:軽石細粒1ぐらいの割合にしましょう。この割合にすると、排水の良い土になり、良く育ってくれるでしょう。

翌年も花を咲かせるには、庭植えの方が良いようです。コンテナ植えは、毎年土を新しくしましょう。

 

植え付け方

植え付けは寒さが来る前の10月~11月上旬が最適です。これより遅くなると、充分に根が張らず、生育に支障が出てしまいます。植え付ける前には球根用の消毒剤に15分ほど浸してください。庭植えの際は深さも間隔も球根2つ分にしましょう。

コンテナ植えは球根の頭が地面から2cmくらいの深さ、球根同士の間隔は球根1つ分ほどにして植えてください。間隔を開けずに植える方が、咲いた時にゴージャスな印象になり、より素敵なものになりますよ。

浅く植えてしまうと、根が下に伸びていく力で球根が持ち上がって、地上に出てしまうことがあるので気をつけましょう。

 

置き場所・水やりと肥料

チューリップは、寒さにさらさないと開花しないので、コンテナ植えにした場合は、日当たりの良い戸外に置きましょう。寒風に当たりすぎると乾燥しすぎて生育不良になるので、日に当てるようにしてください。

庭植えの場合は基本的に水やりは必要ありませんが、他のお花がしおれるほど乾燥している時は、たっぷりとお水をあげましょう。肥料は元肥として草木灰や緩効性肥料を混ぜておきます。開花後は液体肥料を2~3回与えると良いでしょう。

コンテナ植えの場合は土の表面が乾いてから、たっぷりと与えましょう。大きく深いコンテナの場合だけ、緩効性肥料を混ぜましょう。

 

花が咲き終わったら

チューリップは3月~5月に開花します。日ごとにどんどん花が開いていくので、よく観察し、楽しみましょう。無事に開花し、花びらが散ったら子房(花びらが落ちた残りの部分)を折り取ってください。子房を残すと種ができて、栄養が摂られてしまいます。

葉と茎は球根に栄養を蓄えるために必要な部分なので、自然に枯れるまでは切り落とさないように気をつけましょう。6月頃には次第に葉も枯れ始めます。葉が黄色く枯れてきたら、球根を掘りあげて陰干しし、表面の土を落とします。

目の荒いネットなどに入れて、風通しが良く、雨の当たらない日陰に貯蔵しましょう。

 

球根の増やし方

チューリップの球根は、自然分球してくれるので、強制的に増やす必要はありません。開花後の葉と茎に栄養が充分に蓄えられていれば、自然と増えていきますので、花が終わったからといって放置しないようにしましょう。

チューリップはいくつかの子球を作り、初めに植えた親球は消滅していきます。うまく子球ができた場合は1つずつ手で丁寧にばらしましょう。親球ほど大きい球根は翌年に花が咲く可能性は高いですが、小さい球根は花が咲くまでに数年かかってしまうこともあります。

手で分けた後は、一度陰干しした後にネットに入れ、日陰に保管しておきましょう。

 

こまめに観察し、病気・害虫を早期発見しましょう

チューリップがかかりやすい病気・害虫には『モザイク病』『アブラムシ』などがあります。モザイク病は単色だった花にしま模様が入る病気です。かかってしまったら、残念ですが球根ごと捨てるしかありません。

予防としてはアブラムシの駆除を心がけてください。アブラムシが発生すると、葉がしわしわになってしまいます。見つけたら、すぐに取り除き、駆除剤をかけましょう。薬をかけても完全に予防することは難しいので、その都度除去してください。

この他にも『白絹病』『ネダニ』などがありますので、こまめに観察し、見つけた際は放置せず、早めに対処しましょう。

 

以上、来年も花を咲かせる為のチューリップの育て方のポイントについてお伝えしました。土の乾き具合や葉・茎などの観察をこまめに行い、きちんとお世話すれば、必ずきれいな花を咲かせてくれます。

そして、観察することは少し面倒かもしれませんが、芽が出てきたとき、少しずつ茎が伸び、開花した時などきっと喜びを感じるのでオススメですよ。植物は愛情をかけたら、かけた分だけきちんと応えてくれる正直な生き物です。

自分自身の心の鏡だと思って、真正面から向き合ってお世話すれば、きっときれいな花が咲きますよ。ですので、土の乾き具合や葉・茎などの観察をこまめに行い、きちんとお世話してあげましょう。

まとめ

チューリップの育て方のポイントは

・大きくツヤのある球根を選びましょう
・水はけの良い土を作りましょう
・10月~11月に植えましょう
・日当たりの良いところに置き、土が乾燥したらたっぷりの水をあげましょう
・花・葉が枯れたら球根を掘りあげましょう
・掘りあげた球根はネットに入れて日陰に保管しましょう
・こまめに観察し、病気・害虫を早期発見しましょう


連記事