誰もが知っている花であるチューリップの育て方は案外知らないものですよね。チューリップは球根植物の中でもポピュラーで育てやすい花なので、チューリップの育て方を知らない人でも花を咲かせることは可能。
しかし、見た目の美しいチューリップを咲かせたいのであれば、きちんとしたチューリップの育て方を覚えておくことをおすすめします。なぜならチューリップの育て方を覚えておけば、植えた球根が腐って芽が出なかったりチューリップの蕾が開かないトラブルなど多くの失敗を避けられるからです。
チューリップは芽が出るまで時間がかかります。何ヶ月も待った後に花が開かなくて残念な気持ちになるなんて悲しい結果にならないためにも、チューリップを育てる前に育て方を確認して下さい。そこで今回はチューリップの育て方と上手に花を咲かせるコツについてお伝えします。
チューリップの植え付け時期と必要な土は
チューリップの育て方は良い球根を選ぶところから始まります。チューリップの球根は傷や汚れのない大きく重たいものを選び、10月から11月上旬に植え付けます。本格的に寒くなる前に植え付けを済ませておかないと、根がしっかり育たないので11月上旬までには必ず植え付けを済ませておいて下さい。
チューリップは水はけの良い土を好みますが、鉢植えやプランターに植える場合は元肥入りの市販の花の培養土で構いません。庭植えにする場合は土の状態に応じて川砂を混ぜたり腐葉土を混ぜて調整し、堆肥を混ぜておきます。
チューリップの育て方を知らない人の中には一度使った土で繰り返しチューリップを育てている人もいるかもしれませんが、実はチューリップは連作を嫌う植物で、一度使った土で育てると病気に侵されやすくなったり、花が付かなかったり蕾が開かない原因になりますから、色鮮やかで立派なチューリップを咲かせたいなら新しい土を用意して植え付けることが大切。
鉢と土とチューリップの球根があればそのまま植え付けても良いのですが、球根の病気と害虫をしっかり予防したいなら球根の消毒を行ってから植え付けましょう。球根の消毒は市販されている球根の消毒液に15分程浸けた後よく乾かすだけ。球根の消毒液は咲き終わって回収した球根を保存する時や他の植物の球根の消毒にも利用できますから持っていて損はありません。
開花した時美しく見せる植え方は
チューリップは植え付け時の植え方を少し注意するだけで開花後の見栄えがぐっと良くなります。チューリップの球根は浅く植えると根を下に伸ばす力により球根が持ち上がり土から出てしまうので球根3個分の深さに植え、横は球根1個分〜2個分の幅を開けて植えますが、深さの無いプランターの場合は根を張るためのスペースの確保が必要になるので土の表面から2cm程度の深さに植え付けて下さい。
更に、プランターや花壇などにたくさんのチューリップの球根を植える場合は間隔を狭くして植え付けた方が開花した時に花同士の間隔が狭くなってより美しく見えます。この時、同じ種類で色違いの球根を植えるのも良いですが、早咲きや遅咲きの開花時期が違う種類を混ぜて植えた方が長期間チューリップの開花を楽しむことが出来ますよ。
また、複数個の球根を植え付ける時は球根の向きに注意しましょう。チューリップの育て方をある程度知っている人でも知らないことが多いチューリップの球根の向きですが、見方は簡単。
球根を上から見た時にふっくらしている面と平らな面がありますが、平らな面を手前にした時その両脇から葉を生やす大体決まっています。ですから、平らな面の向きを一方向に揃えて植え付けることで葉の向きが揃い、全体がすっきりと整うのです。
球根の向きに注意しながら、上手くずらして植え付ければたくさんの球根を植え付けても葉が重なり合うことがなくなるので向きを揃えず植えるよりも多くの球根を植えられますし、病気や害虫予防も出来るので積極的に実践して下さい。
チューリップを育てる時は置き場所に注意
チューリップの育て方の中で注意しておきたいのが置き場所の問題。チューリップの育て方を知らないと屋内に取り込み寒さに当たらないよう育ててしまいがちですが、チューリップは日の光と寒さに当てないと花を咲かせない植物ですから、元気で綺麗なチューリップを咲かせるためには屋外で育てます。
寒風の強い場所に置くと乾燥しやすくなるので避ける必要がありますが、雨や雪に当たる場所に置いても大丈夫。逆に日当たりの良い場所で育てないと花が咲かないことがあるので必ず屋外で育てて下さい。
ただし、チューリップは暖かくなるとすぐに花を咲かせて花びらが開いていきますから、蕾が付いた後は半日陰の涼しい場所に移動した方が長い期間花を楽しむことが出来ますよ。
水やりを忘れない工夫をしよう
失敗の原因になりやすい水やりもチューリップの育て方を覚えておけば安心。チューリップは乾燥に弱く、水不足だと小さな花しか付けなかったり花を咲かせない原因になりますので、土が乾いていたら時間をかけてたっぷりと水を与えます。ただ、水の与え過ぎは球根が腐る原因になるので雨や雪で土が濡れている場合は水やりを控えて。
冬場は土が乾きにくくチューリップは芽が出るまで月日がかかるので水やりを忘れてしまいがちですから、他の植物の鉢の近くに置いたりチューリップの球根と一緒にパンジーやムスカリなどの植物を植えて水やり忘れを予防して下さい。芽が出た後も土が乾かないよう水やりをしながら、10日に1回液体肥料を与えます。
チューリップの病害虫は予防が大切
病の被害に合う場合があります。球根の腐敗や病気を含め、これらの病気も新しい土を使ったり、薬剤散布でほとんど防ぐことが出来ますが、雨が多い時にも起こりやすいので、あまり長く雨が続くようなら置き場を変えたり雨除けを施すなどの工夫しましょう。
また、春に気温がぐっと上がった時も病気にかかりやすいので注意して観察し、咲いたチューリップは花が終わって散ってしまう前に茎半分と葉を残して切り取り花がらが落ちるのを防ぎましょう。茎と葉を残しておけば翌年の花を咲かせるための養分を蓄えることが出来るので、翌年もチューリップを咲かせたい人は全部切り取ってしまわないように注意。
さて、誰でも気軽に育てられるチューリップですが、今回お伝えしましたチューリップの育て方のコツを踏まえて育てれば、咲かない球根の数をぐっと減らす事が出来る上に、植えっぱなしのチューリップとは違うワンランク上の美しいチューリップを咲かせられます。
購入した球根の幾つかはダメになるだろうと余分に球根を買う必要もありません。また、チューリップをたくさん植えるなら見栄えにもこだわってみて下さい。植え付けの時の球根の向きを揃えるのは作業としてはささやかなことですが全体的な見栄えの美しさに響くので丁寧に植え付けましょう。
今まで育ててきたチューリップに物足りなさを感じていた人も、今回お伝えしたチューリップの育て方のコツを実践することで見違えるようなチューリップが咲くかもしれませんから、置いていた球根も諦めずに植えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
チューリップの花を上手に咲かせる育て方のコツは
・チューリップは連作を嫌うため新しい水はけの良い土に植える
・球根を植え付ける時は平らな面の方向を揃えて植える
・蕾を付けるまでは日当たりの良い場所で育て、蕾が付いたら半日陰に移動する
・芽が出るまでの期間も忘れずに土が乾いたらたっぷり水を与える
・チューリップが咲いたら花びらが散って種が出来る前に茎を半分残して切り取る