冬咲き花といえば、ビオラが人気ですよね。ビオラの育て方はとても簡単で、少しの手間で愛らしい花を咲かせてくれます。ビオラの花はパンジーの花とよく似ていますが、実はビオラとパンジーは同じ種類で、花の大きさで比べられます。
4センチ未満の小さな花がビオラ。5センチ以上の花がパンジー。最近では品種改良でその中間の花が作られるなど、ビオラとパンジーの区別がつきづらくなっています。ビオラの原産地はヨーロッパで、古くはギリシャ・ローマ時代に育てられていた“ニオイスミレ”が始まりと言われています。
18世紀に“ビオラ・コルヌタ”という種がピレネー山脈で発見され、それをもとに19世紀から今日まで、数々の品種改良が施されてきました。ですからビオラとパンジーの種類は、とてもたくさんあります。
ビオラの育て方はパンジーとほぼ同じで、冬から春にかけて開花させることができます。冬の寒い時期に綺麗な花を咲かせるビオラは、あなたの冬のお庭を明るく彩ってくれること請け合いです。
ビオラは寒さに強く、初心者でも簡単に育てられます。あなたもぜひビオラの育て方をマスターして、冬の花壇を楽しんでください。そこで今回はビオラの育て方に必要な5つのポイントをお伝えします。
ビオラの育て方に
必要な5つのポイント
土と肥料
ビオラの育て方のうち、初めに気になるのは土です。園芸店へ行くと、パンジー・ビオラ用の土が多く販売されています。それを使うととても便利ですが、もしあらかじめ土のある花壇に植える場合は、腐葉土などの有機質の肥料を混ぜてあげてください。
ビオラは開花時期が長く、涼しい地域では10月〜6月上旬まで、暖かな地域では11月〜5月までとされています。ですからあらかじめ肥料を土に混ぜると、いつまでも元気に花を咲かせてくれますよ。さらに、1週間〜10日に一度の割合で薄めた液肥を花の根元にあげると、長く綺麗な花色を楽しめるのでおすすめです。
植え付けと種まき
ビオラの育て方でつぎに迷うのは、株を買うか種を蒔くかという点ですよね。あなたはどちらを選びますか。ビオラは株でも種からでも簡単に、綺麗な花を咲かせることができます。その代わり、どちらにも気を付けたいポイントがあります。
株でのビオラの育て方は、10月以降の涼しい時期に植え付けてください。ビオラは寒さに強い反面、高温多湿に弱く、気温が高いと丈が伸びすぎて貧相な姿になってしまいます。その際、植え付ける株同士の間隔は15センチほどが理想です。
種からのビオラの育て方は、暖かい地域では8月から9月初めにかけて、涼しい地域では9月じゅうに種を蒔くのがおすすめです。涼しい場所で育てれば芽は伸びすぎず、冬から春にかけて綺麗な花を咲かせることができます。
水やりの量と時間に気を付けよう
ビオラの育て方のうち、日々の大切なポイントは水やりの仕方です。株の植え付けをした後は、根が定着しやすいようにたっぷりと水を上げてください。その後は日に1〜2回ほど、株の状態をみて水を上げてください。
その際、上から雨のようにかけるのではなく、根元にかけてあげるのがポイントです。ビオラは比較的沢山の水を吸い上げますので、弱らせないよう注意が必要です。水やりの時間について、冬の場合は午前中の気温が上がる頃にあげてください。
これはどの植物にも言えることですが、冬の夜に残った土中の水分は、明け方に霜となって凍ります。その時に大切な根を痛め、結果根腐れを起こして株が枯れてしまいます。根にダメージを与えないためにも、午前中に水やりをして、日中ビオラが水分を吸収しやすい環境を整えてあげてください。
病気と害虫からの治療
ビオラの育て方のうち、水やりの次に気を付けたいのは病気や害虫からの治療です。種から育てる時、発芽の段階で立ち枯れ病がでやすくなります。これはベンレート水和剤やタチガレンという溶液で植え付け前の種を消毒するか、病気が見つかった際にこれらで苗を消毒すると治すことができます。一方、株の葉裏や茎にアブラムシがつくこともたびたび起こります。
その際には主にオルトランといった溶液を吹きかけると退治できます。また、株の環境が高温多湿になってしまうと、葉茎が溶けるように腐り、やがて灰色のかびが生える病気にかかることがあります。これを灰色かび病と言い、その場合は風通しを良くし、傷んだ葉を摘みとってからベンレートを吹きかけてあげると治ります。
摘芯と花ガラ摘み
ビオラの育て方で、最後に気を付けたいことは摘芯や花ガラ摘みといった剪定作業です。まず、芽が大きく伸び茎が分かれて大きくなる時に、茎の三分の一ほどの摘芯を行います。これによって、脇から新芽が生えてきて、花を沢山咲かせるようにします。
摘芯の際、脇の新芽を切らないように注意してください。次に、春になってから葉が茂ってくる頃、風通しを良くするために摘芯を行います。株が茂り過ぎて湿度が高くなると、病気が発生する率が高くなります。そのために摘芯は必要です。摘芯の際、花芽を切ってしまわないように、気をつけて行ってください。
最後に咲き終えてしおれた花を“花ガラ”と呼びます。花ガラをまめに摘みとってあげると、株の栄養が新たな花へ向けられ、次々に新しい花が咲きます。花の健康を維持させるためにも、花ガラはこまめに摘みとってあげてください。
いかがでしたでしょうか。ビオラは秋から冬場にかけてとても育てやすく、エネルギーのある花です。涼しく風通しのよい環境を心がけ、水分と肥料を適切にあげると、株はぐんぐん育ちます。
暖かな環境では株全体の丈が伸びて、見栄えがひょろひょろとしてしまいます。寒さに強いビオラの特徴を良く掴んで、上手に育ててあげてください。ビオラの名前の由来は、ギリシャ神話のゼウスとイオの恋話によります。
ゼウスに愛され、妃ヘラの目をかわすために牛に変えられたイオ。牛となったイオの食物として咲かせた、彼女の瞳と同じ紫色の花がビオラとされ、名前の中にイオの文字が入っています。
牛のイオはヘラが放った虻に追われてイオニア海を渡り、イリュリアというバルカン半島の国に渡ってゆきますが、その神話の舞台であるギリシャで、ビオラの原種である“ニオイスミレ”が育てられていたのは、きっと神話に使われるほど人々の心に親しみ深い花であったからに違いありません。
スミレより大きく、パンジーよりも小ぶりなビオラ。神話のエピソードを思いながら、このサイトでビオラの育て方のコツをつかんでください。お家のプランターや庭の花壇で可愛い花が沢山咲けば、春はもうすぐそこです。あなたの冬が楽しいものになりますよう、ビオラの花を咲かせて素敵な園芸ライフを送ってください。
まとめ
ビオラの育て方に必要なポイントは
・土は有機肥料を混ぜて栄養たっぷりにする
・株の植え時は10月以降、種蒔きは8月から9月上旬に蒔く
・水やりは午前中に、株の具合をみてたっぷりとあげる
・病気になったら風通しを良くして適切な薬剤を使う
・摘芯はポイントを押さえて、花ガラ摘みはこまめに行う