百合の花を長持ちさせて長く楽しむ5つのコツ

百合の花を長持ちさせて長く楽しむ5つのコツ
百合の花と言えば、凛と咲く姿が誇り高くて美しいものですよね。なんとヨーロッパでは、1500年前の壁画に描かれているほど、百合は歴史上もっとも古くから栽培されている花のひとつなんです。

百合はキリスト教とも関係が深く、旧約聖書ではアダムとイブが禁断の果実を食べてエデンを追放された時に、イブの流した涙が百合となったと記されています。また、白い百合は聖母マリアの純潔を意味します

世界中で愛される百合は日本人にも馴染みの深い花であり、百合の愛好家も少なくはありません。百合に興味を持ったあなたも、ぜひ百合の花を自分で育ててみてください。そこで今回は百合の花を長持ちさせて長く楽しむ5つのコツについてお伝えします。

 

百合の花を長持ちさせて

長く楽しむ5つのコツ

 

葯(やく)を取る

百合の花を長持ちさせる方法としてポピュラーなのは、受粉をさせないことです。全般の花にも言えることですが、花は受粉して種や実を作ります。そのためには膨大なエネルギーを要しますし、子孫を残すことに成功した花はお役御免といったところ。

そこで受粉させないために、雄しべの先端の花粉が入った袋の葯という部分を取ってしまう方法があります。花が開いた当初は葯も閉じていますから、手が花粉で汚れることもありません。ぜひ試してみて下さい。

 

百合に合った栽培方法を

百合の原種は100種類以上あるとされ、花の形から「テッポウユリ系」「ヤマユリ系」「スカシユリスカシユリ系」「カノコユリ系」の4つのタイプに分けられます。現在、それらが品種改良されて流通しているものの多くは、スカシユリ系のアジアティックハイブリッド、カノコユリ系のオリエンタルハイブリッドと呼ばれるものです。

それぞれが好む生育環境も違うので、単に百合だからと言って同じ環境で栽培するのは間違いで、一般的にはアジアンティックハイブリッドは日当たりの良い場所を好み、オリエンタルハイブリッドは半日陰から半日陰を好みます。また、好む土なども違ってくるので、自分が育てたいと思う品種についてしっかりと知ることが大切です

 

咲く時期をずらす

一般的に百合の花の開花期間は5~8月ですが、咲く時期の違う百合を植えることで、百合を長く楽しむという手段もあります。4月に開花する「ロイヤルパレード」、5月に開花する「アーリーイエロー」「長太郎」、6月に開花する「ジョーゼット」「マルコポーロ」7月に開花する「カサブランカ」「ヤマユリ」というふうに、品種によって開花時期はそれぞれ違います。

 

球根を正しく植える

チューリップ、ヒヤシンスに並ぶ秋植え球根として知られる百合。それぞれに適した球根の植え方がありますが、百合には特に気をつけなくてはいけないポイントがあり、球根を植える際は深さに注意が必要です

百合の球根には2種類の根っこがあり、球根の下から生えて茎を支える下根と、上から伸びた茎部分に生えて養分を吸収する上根です。上根は茎の生長と共に旺盛に発生しますから、土中で上根が発育するスペースがなくてはいけません。その為、球根1個分の深さに植えてください

 

病害虫に気をつける

百合の球根の99%がウイルスにかかっていると言われますが、しっかり育つことにより発病することはありません。とは言え、病害虫に悩まされることの多い花ではあります。「球根腐敗病」「青かび病」「葉枯れ病」「立ち枯れ病」「ウイルス病」「モザイク病」「炭疽病」「サビ病」などがあります。

ほとんどがウイルスによる病気で、しかも球根からすでに感染しています。発病しないためには、球根をしっかり消毒することや、予防のために薬剤を散布することが重要です。また、「アブラムシ」が付くことも多いです。

アブラムシはウイルスを運んでくることも多いので、見つけ次第駆除します。他には「ハダニ」「ヨトウムシ」なんかにも気をつけてください。日々の管理で早期発見に努めることが大切です

 

いかがでしたでしょうか。これで百合の花を少しでも長く楽しむための方法がおわかりいただけたはずです。今回は自分で栽培する方法をお伝えしましたが、切り花で百合の花を楽しむ場合も、同じように葯を取ることで長く楽しむことができます

また、切り花全般に言えることですが、水の中で切り口から2㎝ほどのところを切ることで、細菌がつきにくくなり長持ちさせることができます。花屋さんには一年中、百合の花が売られていますから、季節を問わず切り花を楽しむこともできますよ。

百合は見た目の美しさだけでなく香りが良い花の代表でもあり、香水や百合の香りをイメージした商品も多く見かけます。ところが、その濃厚な香りが苦手という方もいらっしゃるようで、百合の花の香りを抑制する方法が開発されてもいるそうです。

まとめ

百合の花を長持ちさせて長く楽しむコツ

・受粉させないために、雄しべの先端部分の葯を取る
・百合によって好む栽培環境がちがうため、育てる百合に合った栽培方法を知る
・咲く時期の違う百合を組み合わせて植えることで、開花期間を延ばす
・球根を植える際、上根のスペースが必要なので球根1個分の深さに植える
・病害虫が多いので、日々の管理で早期発見に務める


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