植物はそれぞれにたくましい生命力を持っています。与えられた環境の中で生き、次の世代に命を繋ぐために植物自身に備わっている成分があります。私たちが精油として手にするものの中には、植物が生きていくために作り出した成分と香りが凝縮されているのです。
私たち人間は精油に含まれている成分を、リラックスやリフレッシュのために利用することができます。精油はそれぞれ様々な作用が知られており、私たちの体と心とをよりよい状態へと導いてくれます。
精油を使ったアロマテラピーの楽しみ方には芳香浴だけでなく、アロマバスや吸入、湿布、スキンケア、マッサージなどがあります。アロマテラピーを生活に取り入れることで、心地よい香りとともに多くの効果が期待できます。
今回はリラックスできる精油についてお伝えします。数多くある精油の中でもリラックスさせてくれる効果があり、癒しのひとときに使えるものを中心にご提案します。目的に合ったものを選んで、心地よくリラックスしてください。
精油の効能の豆知識☆
リラックスできる7つの方法
オールマイティなラベンダーでリラックスしよう
あらゆるアロマテラピー精油の中で、最も人気が高く多くの人に好まれる香りがラベンダーです。甘みのあるフレッシュな香りのラベンダーは、様々な作用を持ち応用範囲が広い優秀な精油でもあります。心と体のストレスや緊張を緩め、ストレスが原因で起こる様々な不調を改善してくれます。
【ラベンダーの精油でリラックス】
★不眠を改善!★
用意するもの:
・アロマディフューザー
・ラベンダーの精油リラックス法;
・睡眠前にアロマディフューザーで芳香浴をします。
・超音波加湿器タイプがおすすめです。効果:
・深いリラックス効果を得ることができます。
アロマディフューザーには加熱タイプもありますが、超音波加湿器タイプなら熱も火も使わずに精油を蒸発させるため、睡眠前でも安心です。水が少なくなると自動的に止まる、水位センサーがあれば尚、良いでしょう。
★肩こり解消!★
用意するもの:
・植物オイル
・ラベンダーの精油リラックス法:
①植物オイルとラベンダーの精油をブレンドします。
②首や肩をマッサージしましょう。
③肩こりの原因となる疲労物質を排出してくれます。
植物オイルとラベンダーの精油のブレンド分量は、植物オイル50mlに、ラベンダーの精油6~10滴ほどが目安です。人気がある植物オイル(キャリアオイル)では、スイート・アーモンドやホホバ、グレープシードなどがあります。
★全身浴で自律神経を整える★
用意するもの:
・ラベンダーの精油とバスソルトをブレンドします。リラックス法:
・38度前後のお湯で、20分ほど全身浴をしましょう。効果:
・緊張がほぐれて自律神経が整います。
バスソルトとラベンダーの精油の分量は、バスソルト45ml前後に対して、ラベンダーの精油4滴前後が目安です。これで1回の入浴分、バスソルト大さじ3杯分の分量になるでしょう。
クラリセージでこわばった体と心をほぐそう
リラックス効果に優れた精油として、クラリセージがあります。精油の成分のうち約4分の3ほどをリラックス作用の成分が占めています。
【クラリセージの精油が有効な場面】
・疲労から気分が落ち込むような時。
・ストレスからくる様々なトラブルが気になる時。
・特に女性の生理にまつわる諸症状を改善することでも知られています。
クラリセージ精油を使用する際は、高濃度で使うと集中力を減退させるので注意が必要です。オレンジやベルガモットなどとブレンドして薄めに使用するのがおススメです。
【クラリセージの精油でリラックス】
用意するもの:
・オリーブオイルや植物オイル(キャリアオイル)
・クラリセージの精油
・オレンジの精油
・グレープフルーツなどの精油リラックス法:
・マッサージオイルを作って手や足のマッサージをします。効果:
・緊張をほぐしてリラックスできます。
ラベンダーと同じく、植物オイル50mlに精油6~10滴が目安なのですが、クラリセージは前述したように濃度が濃いため、クラリセージ自体は2滴ほど、残り6滴から10滴は他の製油を垂らしてブレンドします。
ベルガモットでイライラを解消しよう
柑橘系精油の中でもリラックス効果がよく知られているのがベルガモットです。柑橘系の香りは気分を爽快にしてくれるリフレッシュ効果が高いです。
【ベルガモット精油の効能】
・柑橘系のリフレッシュ効果で気分を爽やかに。
・鎮静効果で、イライラを鎮めます。
・緊張から生じる頭痛や消化器系の不調を鎮めたりしてくれます。
【ベルガモットの精油でリラックス】
リラックス法:
・ベルガモットの香りで芳香浴がおすすめです。効果:
・気持ちを明るく前向きにしてくれます。
ベルガモットの精油は、グリーン調でややビターな香りなので、前向きな気持ちになるのです。フランキンセンス、ゼラニウム、ネロリ、ラベンダーなどの精油とブレンドしても相性よく香りを楽しむことができるでしょう。
カモミールローマンで心穏やかに過ごそう
キク科の花であるカモミールローマンの精油は、鎮静・鎮痛・緩和などの効果が高いことで知られています。林檎のようなフルーティーな花の香りは刺激性も低く、子供から大人まで幅広い世代の人に使用することができます。
【カモミールローマンの精油が有効な場面】
・気持ちが高ぶって眠れない時。
・神経性の様々な不調がある時など。
・月経周期の乱れやPMSにも効果があります。
【カモミールローマンの精油でリラックス】
・芳香浴をするとリラックスできます。
・優しいので子どもにもおすすめです。
ジャスミンの香りでストレスを和らげよう
ジャスミンはうっとりするような花の香りで、精神に働きかけてくれる精油です。深いリラクゼーション効果をもたらすフローラルの香りでストレスを和らげてくれるほか、気分の落ち込みを防いで幸福感を与える香りとも言われています。
【ジャスミンの精油が有効な場面】
・女性ホルモンの分泌に作用します。
・生理時の不快感や痛みを和らげてくれます。
【ジャスミンの精油でリラックス】
・ジャスミンは重くて深い香りで、少量でも十分に香ります。
・薄めに芳香浴をすることをおすすめします。
またドライ肌のお手入れにも効果があるので、植物オイルにブレンドしてマッサージするのもよいでしょう。
ネロリで明るく爽やかな気分になろう
ネロリはビターオレンジの花からとれる精油で、気品のあるフレッシュな香りです。優れた抗うつ作用があることで知られています。
【ネロリの精油が有効な場面】
・不安な時
・疲労感がある時
・眠れないとき
ネロリの心をリラックスさせてくれる効果は、心を平静に保ってくれます。ネロリには幸福感を誘う効能があるので、不安が原因で眠れない時や疲労がピークに達した場合に、効果を発揮します。
【ネロリの精油でリラックス】
・アロマディフューザーやアロマポットで芳香浴
・スキンケアに取り入れる
フローラル系のフレッシュな香りがネロリの特徴です。スキンケア効果が高い精油でもあるのでマッサージオイルやフェイスクリームを作り、数滴使用すると肌にも心にもよい効果が得られます。
フランキンセンスで深い安らぎを感じよう
樹脂系の爽やかで甘い香りのフランキンセンス精油は、古代エジプト、インド、中国などで古くから使われてきた神聖な香りです。瞑想や宗教的な場で焚かれていたことでもわかるように、深いリラックス効果や集中力を高める効果があります。
【フランキンセンスの精油が有効な場面】
・ストレスが原因で集中できない時。
・疲れてやる気が湧かない時など。
フランキンセンスの芳香浴がおススメです。柑橘系精油との相性がよいので、ブレンドして使用することもできます。スキンケア効果も高いので、化粧水やフェイスクリームなどの手作りコスメに使用するとよいでしょう。
リラックス効果の高い精油の数々はいかがでしたか。アロマテラピーに使用されている精油の中でも、特にリラックス効果に優れたものを選んでお伝えしてきました。
アロマ精油の成分を化学的に分類した時、大まかに3つの作用に分けることができます。リラックス作用をもたらす成分、活性作用をもたらす成分、バランスを保つ成分の3つです。精油それぞれに含まれている成分を知ることによって、いずれの特徴を持った精油なのかがわかります。
今回ご提案した精油はいずれも、鎮静や緩和の作用があり心をなごませてくれる香りです。精油をアロマバスやスキンケア、マッサージ等に使用する時には、必ず希釈して使用してください。
簡単な作り方の目安を本文中にも載せましたが、希釈濃度1%のトリートメントオイルなら、植物オイル(キャリアオイル)20mlに対して精油4滴までが適正です。バスソルトなら天然塩大さじ2に対して、精油5滴以下を目安にしましょう。安全で心地よいリラックスタイムを楽しんでください。
まとめ
リラックス・リフレッシュできる精油とその方法とは・万能選手のラベンダーは、マッサージにもバスタイムにも
・クラリセージはストレスからくる、こわばりに効果大
・イライラを鎮めて、前向きになりたい時はベルガモット
・子どもにも使えるカモミールローマンは、神経の緊張に
・ジャスミンの香りは女性特有の不調やストレスに
・鬱々する日々には、ネロリで効果的なリラックス
・フランキンセンスで深い落ち着きと集中力を