鉛筆の匂いをかぐと、懐かしいような木の香りがしますよね。これはシダーウッドの香りです。アロマの世界でシダーウッドは精油の一つですが、もともとは針葉樹全体を指す言葉（Cedar Wood）でシダーは木材としても広く使われています。

私たちの身近なシダーは、マツ科の赤味を帯びたレッドシダーで、ウッドデッキやハンガー、シダーをブロックにカットして防虫剤として使うシダーブロックなど、いずれも優れた耐久性と防虫効果を持つ活用性の高い樹木です。シダーウッドはその精油もまた、聖書にも登場し古代ではミイラの腐敗防止に使われていたほど、人類にはなじみが深い存在でした。

ストレス社会の現代では、森林浴を身近で味わうことができるシダーウッドの香りは、私たちにさまざまな恩恵をもたらしてくれます。そこで今回はシダーウッドの精油効果に注目したい５つの理由についてお伝えします。

シダーウッド精油効果に

注目したい５つの理由

シダーウッドとは

シダーウッドは針葉樹をまとめて表しているため品種がいろいろありますが、もしラベルに「シダーウッドCedar Wood」とだけ書かれていた場合はシダーウッド・アトラス（Atlas Cedar）のことが多いです。品種の分類は以下の通りです。

シダーウッド・アトラス（Atlas Cedar）マツ科
シダーウッド・ヒマラヤ（Himalayan Cedar）マツ科
シダーウッド・バージニア（Eastern Red cedar）ヒノキ科
シダーウッド・テキサス（Cedar wood Texas）ヒノキ科

アトラス、ヒマラヤはやや甘いウッディフローラルな香り、バージニア、テキサスはより野性的な木の香りです。なおシダーウッドは刺激の強い精油なので、肌に直接付ける時は必ずキャリアオイルと呼ばれる希釈用のオイルで1％以下に薄めることを守ってください。

人には優しく虫の嫌がる匂いの防虫効果

手軽にシダーウッドの効果を味わうなら、虫よけに使うのが良いでしょう。この場合、成分作用がより強いシダーウッド・バージニアのほうが適しています。市販の防虫剤の香りが苦手でも、さわやかな木の香りなら邪魔をしません。

衣類の防虫剤の作り方
1.コットンを半分に折り、内側になる部分にシダーウッド・バージニアを2、3摘たらします。
2.そのコットンをティッシュで軽く巻きます。（精油は黄色なので色がつかないように）
3.これを、収納ボックスの洋服をしまった一番上に間をあけて3～4個のせ、しまいます。

布団などのダニよけスプレーの作り方
1. 精製水、無水エタノールを用意します。（500mlのもの・薬局で買えます）
2. 無水エタノール5ml、精製水45 mlをスプレー容器に入れ、シダーウッド・バージニア　10滴をたらしてよく振ります。１週間を目安に使い切ってください。

優れた抗菌・収れん作用

シダーウッドには優れた抗菌・収れん作用があります。過剰な皮脂のバランスを整えるので、特に脂性肌の頭皮のかゆみには効果的です。無香料シャンプー50mlに10滴ほど混ぜてシャンプーする方法や、ココナッツオイルや椿油などの頭髪によいオイル30mlに精油3～4滴ほどを混ぜ、シャンプー前に頭皮をトリートメント（マッサージ）する方法で雑菌の働きを抑えフケやかゆみをしずめます。

呼吸器のトラブルに鎮静作用

痰の絡む咳はつらいものですよね。風邪をひいた時吸う精油としてユーカリを勧められることは多いものですが、シダーウッドにも神経系に働きかけ去痰作用があるため苦しい咳を鎮める働きがあります。

洗面器やマグカップにお湯を張り、シダーウッドを1摘落とて蒸気を口からゆっくり吸いましょう。目は閉じて刺激しないようにしください。職場や外出先などでの応急的な処置としては、ティッシュペーパーに1～2摘落としてゆっくりと吸い込みます。

シダーウッドに多く含まれる成分の一つに「セスキテルペン」があり、脳内の酸素濃度を高め活性化させる働きを持っています。勉強や集中したい時、ディフューザーでシダーウッドを焚くか、脳に神経が繋がっている親指の爪のあたりに、オイルで薄めたシダーウッド・アトラスを少量塗ってマッサージすると疲れが取れてリフレッシュし、頭がさえます。

瞑想にも適しているといわれている安眠効果

シダーの木は樹齢2500年以上のものも少なくないことから、その生命力がネガティブな感情を消し去り怒りや恐れを取り除くとも言われるパワーが信じられてきました。大木に触れていると自然に心が落ち着きますよね。そのパワーが集約されたシダーウッドの精油も、化学で解明される前から瞑想にも使われるほどでした。

シダーウッドの精油は副交感神経を刺激するため、心配事がある時に神経の緊張を和らげてくれるので、神経が高ぶって寝つきが悪い、眠りが浅く熟睡できない悩みへの強い味方です。眠れない時に、足の裏にオイルで薄めたシダーウッドを塗り軽くマッサージしてすりこむことで、心が落ち着き安眠へと導きます。

いかかでしたでしょうか。シダーウッドは親しみやすい香りで、男性用の香水にもよくブレンドされています。また、最近では人間以外にも愛犬のためのむくみ解消のためのマッサージなどにシダーウッドが用いられることもあるほど、シダーウッドの持つ効能には注目が集まっています。

シダーウッドを購入する際は、アトラスとバージニアが一番出回っているので、この2種類を覚えておけば間違いがありません。直接塗りたい場合はアトラスのほうがやや刺激が少ないので適していますが、いずれにしても必ず薄めることが大切です。

ブレンドする場合の相性が良い精油はレモン・ネロリなど柑橘系やサイプレス・ジュニパーなど樹木系です。精油の香りは、産地やメーカー、品種によってかなり違いがあるためひとくくりに「こういう香り」とは言えないものです。

ネットでも簡単に求められるシダーウッドの精油ですが、最初に買うなら専門店で手に取りラベルに書かれている産地を読んで、何より匂いを嗅いで好きだと思えるものを選ぶのがおすすめです。是非、シダーウッドの精油で太古の昔から伝わる大地のパワーに触れてみてください！

まとめ

シダーウッドの精油効果に注目したい５つの理由は

・人には心地よいと思える香りの成分が虫を寄せつけない
・肌の過剰な皮脂分泌をおさえ菌の繁殖を防ぐ
・痰を取り咳を鎮める鎮静作用を持つ
・脳を活性化させる成分「セスキテルペン」が含まれている
・副交感神経を刺激し緊張を取り除くため安眠に効果がある