冬に咲く花を上手に育てる5つの方法


庭やベランダに冬に咲く花が一つでもあると寒さの中でも心が明るく温かくなりますよね。昔は冬の花壇には葉ボタンくらいしか植える花がなかったものですが、今は真冬でも身の回りを花いっぱいにすることが可能。

冬に咲く花は寒さに強いですが、本来は春に咲く花を寒さに強く改良したものがほとんどで、そのため生育温度の限界は大抵マイナス5℃程度。大雪が降ったり真冬にマイナス10度以上になる場合は、さすがに屋外で花を咲かせることは難しいのですが、それ以外であればかなりの種類の花が楽しめるようになりました。

冬に咲く花といえども、冬は春や夏に比べて植物の生育が鈍くなることは避けられません。でも、できるだけ負担をかけないように冬を越させてやれば、春の盛りにも立派に花を咲かせ続けます。そこで今回は冬に咲く花を上手に育てる方法についてお伝えします。

初心者から上級者まで愛されるパンジーとビオラ

冬に咲く花の代表であるパンジーとビオラは、本来秋まきの1年草だったことを忘れるほど冬のガーデニングの主役。実際に花盛りになるのは日中の気温が上がる頃ですが、10月には苗が出回り始め、1~2月になっても店頭にあるため真冬に植えても十分間に合います。

パンジーとビオラは日当たりが良くないと花が咲かないので、出来るだけ午前中に日の当たる場所に植えてあげましょう。暖かい日を選んで植え付けることもポイント。明け方は特に冷え込むので、土の中に残った水分で土が凍り根を傷めてしまわないよう、水やりは午前中から遅くても昼頃までには行うことが大切。

土の表面が乾いているのを確かめ、鉢やプランターは底から水が出るまで花に水がかからないように、静かに根元に水をかけることも、株を凍らせないために気を付けたいものです。またパンジーはビオラに比べて蕾が開くまで時間がかかります。終わった花がらを摘み、気長に構えて下さい。

 

可愛らしい花が特徴のプリムラ類

特徴のある葉脈を持ち、手のひらのように広げた葉の中心部にカラフルな花をつけるプリムラ・ポリアンサと、やや小さめの花やバラの蕾のような花をつけるプリムラ・ジュリアンは、いずれもサクラソウの仲間。

これらは中心だけに花芽が付くので、葉の付け根や花近くに水が溜まると蕾がついていてもしぼんでダメになります。花と葉っぱに水がかからないように葉を持ち上げて、根元に静かに水やりをし下さい。

また、咲いた花の下に蕾が出てきたらその蕾が当たらないと開かずにしぼんでしまいます。もったいないですが花は早めに摘み、蕾をしっかりと日に当てることが花を途切れさせないコツ。

 

シックな色合いの花が多いクリスマスローズ(ヘレボラス)

冬に咲く花はエネルギーの消耗を抑えるために小さい花が多いのですが、クリスマスローズは別。また品種が多く、薄緑や黒に近い紫など独特の雰囲気を持つ花が咲くのでとても人気の高い宿根草。

クリスマスローズは雪の下でも生き延びる強い花で、日当たりが良ければ真冬にも良く花が咲きますが、中には寒さに弱い品種もあります。また寒冷地では花のついている鉢植え株がいきなり出しっ放しにされると生育が止まってしまうので、日中よく日に当てて夜は暖房の入っていない屋内に取り込みましょう。

水やりは乾いたらたっぷり、午前中に。肥料を冬にあげても大丈夫なクリスマスローズは鉢植えでも毎年花を咲かせるので、一度ハマると色々集めたくなる冬に咲く花。クリスマスローズは一年中葉をつけていますが、古くなってくると葉が黄色く硬くなってきます。中心から新しい葉が伸びてくるので古い葉は切り取って下さい。

 

霜に強いガーデンシクラメン

ガーデンシクラメンも、冬に咲く花の仲間入りをしてからずいぶん経ちます。室内で咲かせていたシクラメンを改良して作られたもので、霜に当たっても多少弱る程度で枯れることが少なくとても丈夫。注意したいのはミニシクラメンという小型のシクラメンと一緒に流通しているので、ラベルに「ガーデンシクラメン」と書いてあるものを選ぶこと。

あまり気を使わなくても良い楽な花ですが過湿には弱いので、水やりは土が乾いてややしんなりした頃にあげても遅くはありません。根腐れしやすいのでプランターや鉢植えの寄せ植えで使う場合は鉢の下に水がたまらないように気を付けるくらいです。

 

室内のシクラメン

鉢植えのシクラメンは冬に咲く花の中で一番華やかで、長く花を楽しめるのが魅力ですよね。室内で楽しむシクラメンは、まずエアコンの温風の当たらない場所・カーテン越し程度の光が当たる場所、ただしあまり窓に近いと日中と朝晩の温度差が激しいので少し離して置きます。

また、水やりは毎日あげるのではなく土が乾いたのを確認してから鉢底から水が流れるほどあげ、メリハリをつけます。全体的に葉が下向き加減になり元気がない、だらりとして葉に張りが感じられなくなってきたら水やりをしましょう。

小さな蕾に水がかからないよう、葉を持ち上げて静かに水を注いで下さい。底面給水鉢の場合も常に水がいっぱいというのではなく下の水受けの水がなくなってきたら足すつもりで。花がしおれてきたら根元から手でねじって折り、乱れた茎を真ん中に寄せるようにしてあげると美しい姿を長く保ちますよ。

 

さて、冬に咲く花は人間よりもずっとたくましいものばかり。少しくらいなら葉が凍っても気温が上がればまた活動再開。なお、花のついている苗は温かいビニールハウスで栽培されていて、花が数輪ついたところでハウスの窓を開け、少しずつ寒さに当てて慣らしてから市場で見かけるようになります。

売り場では日の当たる場所に置かれ、午前中の気温が高い時間に水やりをするように注意されていますから、売場で苗を購入して育てる場合は、植え付ける場所の気候とそれほど変わりがありません。一方ネットや通販では、輸送の間に急な寒さで苗が傷み、そこに急に水やりを多くして苗の根をダメにしてしまうことが起こりがち。

そういう意味では、冬に咲く花はできるだけ近くのホームセンターや園芸店で苗の様子をよく見て選ぶのがおすすめ。急な温度変化が良くないのは人も植物も同じだということを忘れずに、冬に咲く花を楽しみましょう。

まとめ

冬に咲く花を上手に育てる方法は

・パンジーとビオラは日当たりの良い場所で管理
・プリムラは花がらを摘み蕾を日に当てると花が次々咲く
・クリスマスローズは毎年花が咲くので古い葉は切る
・ガーデンシクラメンはラベル表示のあるものを選び過湿に注意
・シクラメンの鉢植えは温度差の少ない日当たりの良い場所で管理


連記事