お花を手元で育てられたらいいな…と思っている方は多いかもしれません。茎や葉が徐々に生長してきて、やがてつぼみをつけ、花を咲かせる様子を楽しむことは、育てた方でないと味わうことができません。
また、植物がそばにある生活は、不思議と穏やかになります。お花の存在が知らず知らずのうちに気分転換をさせてくれることも、実は多いのです。
そこで本記事では、ガーデニングの初めてさんでもチャレンジできる、個性的な花々をお伝えします。お花を育てるには水やりをはじめ、肥料を与えたり咲き終わった花を摘んだりと、何かと手間のかかりますが、ここではもともと強い性質を持ち、育てやすい花々を選んでみました。
あなたのお家の一鉢目として、これらの花々を育ててみてはいかがでしょうか。
お花を育てる事始め☆
初めてさんにおすすめの花々
春に咲くお花1 ネモフィラ
【 ネモフィラの概要 】
ハゼリソウ科の一年草で、草丈は30cmほどのかわいらしいお花です。花期は3~5月で、青や白、黒に近い深い紫の花を咲かせます。
別名は「ルリカラクサ」や「ベイビーブルーアイズ」です。最近ではこのお花を丘いっぱいに咲かせている公園が花の名所として取り上げられたりと、一躍有名になった花でもあります。
★ このお花を植える時に気をつけたいこと
・ 根がまっすぐに伸びる「直根性」
なるべく苗が小さいうちに根を傷つけないように植えてしまうことです。地植えの場合は間隔を20~25cm空けるようにします。
★ ネモフィラが好む環境
・ 日当たりの良い場所
・ 水はけのよい土
・ 風通しの良い場所
苗が育ってきたら茎や葉が混み合うことがありますが、適度に間引かないと蒸れが生じて病気にかかりやすくなるので、常に風通しを良くするようにお手入れしましょう。
2か月に1回は固形肥料を与え、水は土の表面が乾いたらたっぷりあげるようにしますが、肥料も水も過剰だと葉が茂りすぎてしまうので、控えめにしておきましょう。
あまり手間はかからず育てることができますが、枯れた葉やお花は早めに摘み取っておくと、株をよい状態に保つことができますので、ここだけは手をかけてあげてくださいね。
春に咲くお花2 マーガレット
【 マーガレットの概要 】
マーガレットは皆さんお馴染みの春のお花ですね。白い一重咲きの花弁に黄色い花芯のものが良く知られていますが、花弁が黄色やピンクのものもあります。また、八重咲きのタイプも清楚でとても素敵です。
お花は5~7月にかけて咲き、草丈は60~1mと大きくなるので、地植えかプランターに植えると良いでしょう。当然のことながら草丈が伸びると倒れやすくなるので、面倒でも支柱を立ててあげてください。
★ マーガレットが好む環境
・ 一年を通してよく日のあたる場所で育てます。
① 水はけのよい土を準備します。
② 緩効性の肥料を混ぜ込みます。
③ 最後に苗を植えます。その後は追肥として月に1~2回、液肥を与えるようにします。
マーガレットは乾燥気味の土を好むので、水やりは必ず土の表面が乾いてからにします。その水もたっぷりではなく、やや少なめの方が良く育つので、様子をみてくださいね。
そしてお花が咲き、終わったら茎ごと花がら(咲き終わって枯れた花のこと)を摘んでおき、9月頃に草丈を半分の高さまで切り詰めます。すると10~11月にまた花が咲きますよ。
初夏に咲くお花 トレニア
【 トレニアの概要 】
トレニアの別名は「ナツスミレ」。その名のとおりに少しビオラに似た可憐な雰囲気がありますが、実際はアゼナ科の一年草で、全く違う種類のお花です。花色が豊富なので、いろいろな色のものを育てるときっと楽しいですよ。
★ トレニアの花期
・ 花期は6~10月と、長く楽しめます。
4~5月頃、十分に暖かくなったら土に肥料をたっぷり混ぜ込み、苗を植えます。日当たりの良い場所や半日陰で育て、真夏は直射日光を避けます。
★ トレニアを育てるポイント
・ 土の表面が乾きかけたら水やりをすることです。
トレニアは暑さには強い性質を持っていますが、水切れには弱いので、鉢やプランターで育てる場合は特に注意します。
また、アブラムシがつきやすいので、見つけたらすぐに駆除してくださいね。
日々の手入れは特に必要ありませんが、8月頃に5~6cmに草丈を切り戻すと、その後よりたくさんのお花をつけるようになります。
★ トレニアのお花はエディブルフラワー(食用花)としても使えます。
サラダなどに使ってみるとより楽しめるでしょう。
夏に咲くお花 ジニア
【 ジニアの概要 】
ジニアは「ヒャクニチソウ」という別名の方が知られています。6~8月にかけて、赤やピンク、黄色やオレンジなどの、元気いっぱいのお花で楽しませてくれます。
★ ジニアの植え付け
・ 苗は春~初夏の十分気温が上がった頃に植えつけます。
水はけと日当たりの良い場所で、やや乾燥気味に育てます(葉がしおれない程度に水やりをする)が、強い乾燥は株を弱めてしまうので気をつけましょう。
★ ジニアを育てる注意点
・ 雨が当たると病気にかかりやすくなります。
鉢やプランターで育てる場合は直接雨が降りかからない所で育てるようにしてください。
・ 液肥の与えすぎに注意
また、開花期間が長めなので10日に一度ほど液肥を与えますが、与えすぎは葉だけが茂ることになってしまいます。
うどんこ病(つぼみや茎・葉が白い菌糸に覆われるような病気)にかかりやすいので、発見したら殺菌剤を散布しましょう。
咲き終わった花がらはすぐに摘むようにし、株の2~3番目の花が終わったら短く切り戻すと、わき芽が出てきてさらにお花のつきが良くなります。
秋に咲くお花 ペンタス
【 ペンタスの概要 】
ペンタスは赤・白・ピンクの小さな五芒星のようなお花をたくさん咲かせ、最近では鉢植えのお花として特に人気があります。主な花期は8~10月ですが、上手く育てれば5~11月の間にもお花を楽しめるようになります。
★ ペンタスを育てるポイント
・ 出来るだけ日当たりの良い場所で育てます。
じめじめした土では根腐れを起こしやすいので、出来れば植え付けの際には土に「根腐れ防止剤」を混ぜておくと良いでしょう。
・ 水やりも過剰にならないように。
土の表面が乾いたらあげる程度でOKです。
また、お花が咲きだすとその後絶え間なく咲き続けるので、月に2回程度は液肥を与えます(ただし冬は生育が緩やかになるので、肥料は与えません)。
ペンタスはアフリカやマダガスタルが原産なので、冬期は日の当たるベランダや室内など、暖かい所に移します。目安は気温が5℃以上あることです。
いかがでしたでしょうか。今回は初心者さんでも育てやすい、見た目にも可愛らしいお花たちを、5つピックアップしてお伝えしました。
なお、トレニアとペンタスは寄せ植えにも向いているお花。最近ベランダガーデニングで人気が高まっている寄せ植えに、似たような性質を持つお花と一緒に楽しめます。単一のお花のお手入れに慣れてきたら、他のお花と一緒に植えて楽しんでください。
初めてさんでは、鉢や土を選ぶのも大変かもしれません。そんな時は苗を買うのと同時に、そのお店のスタッフの方にアドバイスを貰うと得策です。そのためにもできれば園芸店など、専門の知識を持ったスタッフが常在しているお店を選ぶと安心です。
これらのお花を上手く育てられたら、もっと様々なお花を育てて楽しめるようになってきます。「いつの間にかガーデニングが最大の趣味になっている!」という体験談が多いのが、園芸の世界です。
あなたの世界を広げるためにも、ぜひ育てやすいこれらの花々で第一歩を踏み出してみてください。
まとめ
初めてさんが育てやすい、可愛い花々の栽培方法
・ネモフィラは枯れた葉などをこまめに間引く
・マーガレットの水やりは、土が乾いてから
・トレニアは乾きかけたらすぐに水やりを
・夏に咲くジニアの花は、雨の当たらない場所で
・ペンタスはできるだけ日当たりの良い場所で