ジャスミンの原産地はインドやアジア、アフリカと広い地域に分布していて、その種類は200種類以上あると言われています。中国料理店で出されるジャスミン茶はその中のひとつである茉莉花の香りを緑茶に吸着させたもの。
最近では居酒屋などでも焼酎の割材としても人気の飲み物です。ジャスミンは高温多湿を好む植物ですが、最近は品種改良が進んで日本の気候にも合いやすくなっていますが、注意しなければならないポイントがあります。
ジャスミンの育て方を間違えてしまうと花があまり咲かないばかりか、枯らしてしまうことも。せっかく育てるなら、たくさんの花で庭先を飾りたいものですよね。そこで今回はジャスミンの育て方に失敗しない5つのポイントについてお伝えします。
ジャスミンの育て方に
失敗しない6つのポイント
育てやすいジャスミンと育てにくいジャスミンがある
ジャスミンはモクセイ科ソケイ属の植物の総称です。たくさんの種類があるジャスミンの中には育てやすいものと育て方が難しいものがあります。ジャスミン茶の材料になる茉莉花や可憐な白い小花をたくさん咲かせるハゴロモジャスミンは育て方が難しく、中級者以上の経験者向けです。
一方、花嫁のブーケに使われるマダガスカルジャスミンなどは育てやすい種類で、初心者でも失敗が少ないと言われています。どのジャスミンを育てるかは好みもあると思いますが、もし初めて育てるなら育てやすい種類を選ぶことも失敗しないジャスミンの育て方の最初のポイントです。
植え付けは慎重に
ジャスミンの育て方に失敗するかしないかの最初の関門はジャスミンの苗を買ってきて植え付ける時です。植え付けがジャスミンの育て方の2つ目のポイントです。ジャスミンは挿し木で苗を作ります。苗を植え付ける時期は3月下旬から4月の下旬と9月下旬から10月下旬の年2回です。
ジャスミンは寒さに弱い植物で、摂氏2度から5度くらいが耐えられる限界の寒さと言われています。春先の時期なら朝霜が降りなくなってから、秋の時期なら気温が限界気温にまで下がりきらない時期までに植え替えてください。またジャスミンの根は傷に敏感です。
植え替えの際に根に傷がついてしまうとうまく育たずに枯れてしまうこともあります。用土は中性もしくは弱アルカリ性の水はけの良い土を使ってください。ホームセンターで売っているハーブ用培養土がジャスミンには適していてお勧めです。庭の土や使用済みの土は避けてください。それらの土には細菌が繁殖していて繊細なジャスミンの根には良くありません。
育てる場所は日当たりが良い場所で
ジャスミンを植える場所が育て方の3つ目のポイントです。ジャスミンは日当たりが良く水はけの良い場所を好みます。鉢植えの場合、春から夏には屋外の日当たりの良い場所に置いて上げましょう。秋から冬は霜が降りる前に室内の窓際などの日当たりの良い場所に移動してください。
地植えの場合、水はけには十分な注意が必要です。高温多湿に強いジャスミンですが、土の中が湿りすぎていると根から枯れてしまいます。また夏の強い日差しにも注意が必要です。
直射日光で葉焼けを起こしてしまうため、半日陰になるような場所に植えてあげた方がジャスミンは元気に育ってくれます。気温が0度を下回る時期のある地域では地植えは避けて、鉢植えにして寒い時期は室内で寒さを避けてあげる育て方がジャスミンにたくさん花を咲かせるコツです。
水やりが上手に育てるコツ
ジャスミンは土が湿りすぎているとうまく育ってくれません。かと言ってカラカラに乾燥させてしまうと枯れてしまいます。元気でたくさんの花を咲かせるジャスミンの育て方の4つ目のポイントは水やりです。鉢植えの場合は土の表面が乾いてきたら、水をたっぷりとあげます。
この時に鉢の底から水が流れ出るくらいに水をあげて、流れ出て皿に溜まった水は捨ててしまうことがジャスミンの育て方のポイントの3つ目です。開花中や夏場はジャスミンが水を良く吸うため、すぐに鉢の中の土が乾いてしまいます。この時期はよく鉢の中を観察して、土が乾いたままにならないように水をあげることもジャスミンの育て方のコツです。
地植えの場合は水やりは雨水だけで十分ですが、夏場にはやはり土が乾燥してしまうことがあるため朝か夕方に水をあげてください。梅雨時は鉢植えなら雨がかからない場所に置けば良いのですが、地植えのジャスミンは雨除けや水を逃がすための工夫などで土が湿りすぎないようにしなければなりません。
肥料をやる時期に注意
ジャスミンにはハーブ用の肥料をあげますが、時期をずらしてしまうとジャスミンの花はうまく咲いてくれません。肥料をあげる時期がジャスミンの花を咲かせる育て方の5つ目のポイントです。ジャスミンが活発に蔓を伸ばすのは春の時期なのですが、この時に肥料をあげるのではなく、蔓を伸ばし始める前の2月から3月にあげなければなりません。
この時期に肥料をあげておくことで、ジャスミンが蔓を活発に伸ばす時期に土の中の肥料はジャスミンが吸収しやすい状態になります。次の肥料をあげるタイミングはジャスミンの開花後です。ハーブ用の固形肥料をこの時期にあげることで、秋までジャスミンは花を咲かせ続けてくれます。
摘心と植え替えで株を大きく
きれいな花を咲かせてくれたジャスミンがまた翌年も元気に花を咲かせられるようにしてあげる摘心と植え替えが失敗しないジャスミンの育て方の6つ目のポイントです。ジャスミンの生育は活発で伸びるままにしておくと、養分が上に伸びていく芽に取られてしまって肝心の花の付きが悪くなってしまいます。
花が終わった9月上旬までに摘心して、翌年の花に養分が回るようにしましょう。また鉢植えの場合には鉢の中が根でいっぱいになってしまうとそれ以上育たなくなるばかりか、株が弱ってしまいます。
伸びた根が鉢の底からはみ出してきたら、大きな鉢に植え替えてください。この時に苗を植え付けた時と同様に根に傷をつけないように細心の注意を払わないと、せっかくの株が枯れてしまうこともあります。
いかがでしたか。ジャスミンは可憐な花をたくさん咲かせて、庭中にむせるほどに甘い香りを漂わせてくれる人気の花です。何年も繰り返し花を咲かせて庭先を賑わせてくれるジャスミンの育て方はさほど難しくないと言われていますが、高温多湿の地域を原産としているため、日本の気候土壌ではやはり注意が必要になります。
もし初心者ならいきなり難しめの種類を選ぶのではなく、育てやすい種類のジャスミンを選ぶことも失敗せずにうまく育てるポイントです。ジャスミンは高温多湿を好み寒さに弱い植物なので、寒さの厳しい地域なら鉢植えで育てた方が良いでしょう。
逆に一番寒い時期でも気温が0度まで下がらず、霜も降りない地域なら地植えも元気に育ってくれます。いずれにしても根が繊細なジャスミンは土の中が湿りすぎているとうまく育たないので土の水はけはとても大事です。
水はけの良い環境でたっぷりと水をあげることはジャスミンの育て方を失敗しない最大のポイントと言えるでしょう。ジャスミンはとても魅力的な花です。ジャスミンの育て方を間違えなければ、ジャスミンに元気な花を何回も咲かせることができますよ。
まとめ
失敗しないジャスミンの育て方のポイントは
・ 育てやすいジャスミンを育てよう
・ 植え付けで根に傷をつけないようにしよう
・ 日当たりの良い水はけの良い場所で育てよう
・ 土を乾かさず、湿りすぎないたっぷりの水やりをしよう
・ 肥料をあげるタイミングを外さないようにしよう
・ 摘心と植替えで株を大きくしよう