トマトにナスにきゅうりにオクラ。色とりどりの夏野菜はビタミンやβカロチンをはじめとする栄養素が豊富に含まれています。夏バテしやすい人は夏野菜を積極的に食べることで元気を取り戻すこともできます。
最近では消費税増税や異常気象で野菜の値段が高騰しがち。さらに残留農薬などの問題から、食の安全にも懐疑的になります。これらの問題を一気に解決する方法が一つだけあります。自分で作ってしまうのです。
夏野菜は基本的に太陽が大好きでお水もたくさん欲しがります。この基本的なポイントに加えて、夏野菜の種類ごとに特別なポイントを伝授します。まずは一つ試してみるもよし、7種類全部を栽培してみるもよし。どちらにしても楽しく収穫できること間違いなしです。
夏野菜の栽培を
必ず成功させるための7つのポイント☆
1.初心者は超簡単なナスがオススメ
花が咲いたら必ず実が付く。そういわれるくらいナスを育てるのは簡単です。より難易度を下げるためには、種からでは苗から育てるようにしましょう。
下から4節目までの脇芽を摘んだら、それから上は放置してかまいません。支柱を立てて、株を支えてあげることを忘れないようにしましょう。また、ナスは肥料切れを起こしやすい植物です。目安として、花が咲くごとに固形肥料を与えるといいでしょう。
ナス科の植物は連絡障害という、2年目以降も同じ土壌で育てると病気になりやすい現象が起こります。それを避けるためにも、接ぎ木苗を選ぶと次年以降も栽培を成功させることができるでしょう。
2.きゅうりは病気に注意
夏野菜の代表格ともいえるきゅうり。冷やし中華やサラダ、お漬物にもろきゅうなど、用途はたくさんあり、冷蔵庫に常にある野菜のひとつではないでしょうか。
そんなきゅうりは火照った体をクールダウンさせる効果があり、夏の食欲のない時などには、積極的に食べたい夏野菜です。きゅうりは成長が早く、実が付いたら一日で数センチも大きくなることもあるため、栽培していくとどんどん楽しくなり、お世話をする甲斐がある植物です。
実をたくさんつけさせるためには、何本か脇芽を伸ばした後からも次々に出てくる脇芽を摘むことと、伸ばした脇芽も伸ばしっぱなしにしないで摘芯することです。
そして何より注意しなければならないのは病気です。初心者の人や連作を行う人は、苗選びの段階で接ぎ木苗を選ぶとリスクを大きく軽減できます。
もし病気になってしまったら、変色した葉をカットし、薬剤を散布しましょう。病気や病害虫によって効果のある薬剤は違ってきますので、自己判断が難しいと感じたら、園芸店やホームセンターに相談するといいでしょう。
3.誘引・脇芽かきでできる鈴なりトマト
トマトもナスと同じナス科の植物で、連作障害が起きます。そのため、ナスの項目で紹介したように、接ぎ木苗で栽培すれば毎年の収穫も可能になります。
トマトを育てる上でのポイントは、支柱をたくさん立てて、枝を細かく誘引することがまずひとつです。トマトの実がつくと枝が重くなり、折れてしまう可能性があります。
それを避けるために、支柱が多く必要なのです。朝顔のように、4本~5本の支柱を丸く立てると初心者でも誘引しやすいでしょう。
また、トマトは脇芽が次々と出てくる植物です。株を大きくする方にトマトの注意が向いてしまうと、うまく実をつけることができません。
トマトは枝を一本だけ残して、脇芽は全て摘んでしまいましょう。少しもったいない気もしますが、長くたくさんの実をつけるためには必要な作業です。
トマトに含まれるリコピンは、近年、美容の味方として大きく注目されています。ダイエット食品にも大々的に使われ、毎食トマトを欠かさないと公言している芸能人もいるくらい。
たくさん食べて綺麗になるなら、トマトを栽培してたくさん収穫しましょう。鈴なりのトマトにテンションが上がること必須です。
4.ピーマンは肥料で豊作になる
鮮やかな緑色のピーマンはまさに夏野菜代表、といえる野菜です。独特の苦みが好みを分けますが、苦みが苦手な場合は、縦向きに切って調理してみてください。苦みを抑えることができます。
さて、ピーマンもうまくいけば大量に収穫が見込める植物です。そのポイントはズバリ肥料。ナスも肥料が必要になりますが、ピーマンも負けず劣らず肥料が大好きです。そして、肥料を与えるとどんどん実をつけてくれるので、お世話をするのが楽しくなってきます。
もうひとつだけ気を付けておくと良いのが雨と水やりです。実は、花は雨で落ちてしまいやすくなっています。葉っぱに元気がないからといって、頭からたくさん水を与えてしまうと、せっかく咲いた花も一緒に流してしまいます。
水やりは根元からが鉄則だと覚えておきましょう。また、強く雨が降る時にはプランターを雨がしのげるところに移動させるなど対策を練っておくと万全です。
5.グリーンカーテンで人気のゴーヤ
スーパーにゴーヤが並ぶと、夏が来たな、としみじみ思います。薄くスライスして湯通しした後の、あの目の覚めるような濃緑色は夏ならではの楽しみといえるでしょう。
また、近年では環境省や地方自治体が推進するエコ活動や省エネ対策で、グリーンカーテンが広く一般に浸透したこともあり、グリーンカーテンに使うゴーヤの需要が年々高まっているようです。
せっかくだからグリーンカーテンとしても夏野菜としても栽培を成功させましょう。収穫だけを目的として栽培する場合は、きゅうりとほぼ同じです。追肥、水やり、摘芯に気を付けることで実をたくさんつけることができます。ゴーヤの方が病気・害虫に強いため、きゅうりよりも育てやすく感じるかもしれません。
さらにグリーンカーテンとして成功させるためには、誘引にちょっとしたコツがあります。最初に伸びるつるをまっすぐ上向きに栽培するのではなく、地面と水平になるように這わせます。そうすることで、そこから伸びてきた脇芽たちが上向きに成長し、綺麗なカーテン状になりやすいのです。
グリーンカーテンにするということは、それだけ株が大きくなります。そのため、普通に栽培するよりもたくさんの肥料と水が必要になります。水切れ、肥料切れは夏野菜にとって大敵です。惜しみなく与えてあげましょう。
6.ネバネバのオクラは害虫対策を
夏にスタミナをつけるメニューといえば、豚キムチ、ウナギ、そしてネバネバ丼。モロヘイヤや納豆、とろろと一緒にオクラを刻んでご飯に乗っけるだけで、ヘルシーで栄養満点な食事がとれる優秀なメニューです。
このメニューに欠かせないオクラも、ポイントさえ押さえることで、収穫を楽しむことができます。オクラの株には害虫が付きやすい特徴があります。
オクラにつきやすい害虫は、アブラムシ、ハスモンヨトウ、ハダニ類、カメムシなどがあります。それぞれの害虫を発見したら即座に駆除し、被害がそれ以上広がらないようにしましょう。専用の駆除剤を使うのも一つの手です。
また、もう一つのポイントとして、オクラの実がなり始めたら、初めになった実から2~3枚下の葉よりさらに下の葉は全て摘んでしまいましょう。そうすることで実がたくさんつくようになり、さらに病気や害虫のリスクも多少減らすことができます。
7.スイカだってプランターで作れちゃう
小玉スイカならなんとプランターでも作れてしまうのです。どんなに多くても3個が限界ですが、ベランダ栽培でもスイカが楽しめるなら、挑戦してみたくなりますよね。
さて、スイカをプランター栽培でも成功させるには、支柱にうまく誘引させることが第一条件です。支柱はトマトの項目で説明したのと同じように4~5本立てて、針金やひもで地面から水平になるように支えをしましょう。
本葉が8枚程度になったら、5、6枚残して摘芯し、脇芽を伸ばします。その後、追肥や水やりに注意し、葉が茂りすぎないように適度に脇芽かきと摘芯を繰り返しましょう。花が咲いたら人工的に授粉することでより確実に実をつけることができます。
いかがでしたでしょうか。
冒頭にも書きましたが、夏野菜の基本は日光をたくさん浴びることと、土が乾いたら水をたっぷりあげることです。それにプラスして各野菜に注意することを頭に入れておけば、実をたくさんつけて、長く楽しめることでしょう。
株の育成はバッチリなのに、実がつかないということが起きたら、肥料の与えすぎが原因かもしれません。肥料を与える間隔を少し開けて、脇芽を一本伸ばしてみましょう。
これは、どの夏野菜にも適応できる方法ですので、覚えておいて損をすることはありません。今年の夏は、自分で作った夏野菜を使って、自慢の逸品を堪能しましょう。
まとめ
夏野菜の栽培を必ず成功させるための7つのポイント☆
1.初心者は超簡単なナスがオススメ
2.きゅうりは病気に注意
3.雨に注意してトマトで美活
4.ピーマンは肥料で豊作になる
5.グリーンカーテンで人気のゴーヤ
6.ネバネバのオクラは害虫対策を
7.スイカだってプランターで作れちゃう