ネギを栽培する時に気を付けたい8つのポイント


日本人にとってとても馴染み深いネギは丈夫で栽培が簡単なので、あちこちの家庭菜園で見ることが多いですよね。関西地方では細く根本から分けつした葉ネギが、関東地方では白い茎の部分が長い長ネギが好まれています。

使うネギの種類は違っても、日本人の食生活にはなくてはならない存在であるネギ。蕎麦や冷奴の薬味はもちろんのこと、炭火焼きなどでネギそのものが料理になってしまう優れものです。

スーパーで買ってきたネギの根の部分を使って増やすこともできます。使いたい時に収穫できて、採りたての新鮮なネギの味を味わえることもネギを栽培する魅力のひとつです。初心者でも簡単に栽培できるネギの栽培にチャレンジしてみませんか。そこで今回はネギを栽培する時に気を付けたい8つのポイントについてお伝えします。

葉ネギと長ネギは育て方が違う

葉ネギというと誰でも思い浮かべるのが九条ネギではないでしょうか。九条ネギは根の白い部分が小さく、たくさんの細い葉に分けつした葉ネギの代表格です。長ネギなら下仁田ネギはブランドネギとも言える有名なネギ。

根から葉が分けつする部分までが長く太い下仁田ネギは鍋に入れたり、そのまま炭火焼きで食べたりします。葉ネギと長ネギは栽培の方法が違っています。葉ネギはネギの苗を植え付けた後にそのまま伸ばしてやります。根本近くで分けるのでたくさんの葉が収穫できます。

長ネギは深めの植え穴に苗を植えてやると根と葉が分けつする部分の間の茎が育つので、この部分を土で覆って軟白させてやるという葉ネギとは違う栽培方法が必要です。葉ネギは植えた後の栽培の手順が少ないため収穫までの期間も短く、初心者でも簡単に栽培できます

長ネギの場合はまず長いネギを育てられる場所が必要な上、茎が伸びていくための期間が必要で収穫までに時間がかかるために初心者がチャレンジするには少々ハードルが高いです。まずはプランターで簡単にできる葉ネギの栽培からチャレンジしてみることをお勧めします。

 

ネギの植え付けは春と秋

ネギはとても丈夫で生命力の強い植物です。スーパーで根の付いている葉ネギの根っこからでも新しい葉が育ってくれます。また苗まで育ったものも売っていますので、種から苗を作らなくても葉ネギの栽培はスタート可能です。

種から苗を作る場合、葉ネギの生育には15度から20度位の気温が適しているので、種まきは3月から4月頃と8月から9月頃の年2回。冷涼地では気温がその位で落ち着く春から初夏の季節が良いでしょう。

苗の植え付けは4月頃か9月頃が最適です。葉ネギは暑さや寒さに強いのですが、苗が環境に馴染むためには育成に適した15度から20度位の気温の季節に植え付けた方がうまく育ちます。

 

ネギに適した土

ネギは酸性の土を嫌うため、pH6.2から7.0くらいのアルカリ性の土が必要です。また多湿を嫌うのもネギの特徴なので、水はけの良い土が適しています自分で土づくりをしなくても市販の野菜用培養土で元気に育ってくれるので、そちらを使うのも良いでしょう。プランターには水はけを良くするために鉢底石を敷き詰めてから土を入れます。

 

苗は寄せて植える

ネギは周りの仲間と協力しあって育つ植物です。植える時に隣の苗とあまり間を空けてしまうとその効果が得られないため、苗と苗の間は10cm程度にします。植える穴は深さ5cmから10cmくらいで1箇所に苗を3本ずつまとめて植えていきます。

 

水のやりすぎはネギを枯らす

ネギは根が浅く張り、多湿を嫌うため、植え付けた苗に水をやるすぎると根を傷めてしまいます。土が乾いたら水やりをする位の頻度で十分です。水をやる時はたっぷりとあげてください。

少ない頻度でたっぷりと水をやることで、湿りすぎず乾燥しすぎない状態にしてあげるのがコツです。また日中の水やりは絶対にしないようにしてください気温が上がる日中に水をやると水蒸気で根が傷んで、ネギが枯れてしまいます。

 

葉ネギでも土寄せは必要

長ネギの茎を白くするために行う土寄せですが、葉ネギにも必要です。葉ネギは細く根もたくさんは張らないために育ってきた葉ネギは自分の重さに耐えられず倒れてしまうことがあるので、倒れそうになっている株には根本に土寄せをしてあげます。

土寄せは根本から葉が分けつしている下の部分まで、この時に株が弱っているようなら野菜用の液肥をあげてもよいでしょう長ネギのように定期的に行う必要はありません。

 

30cmを超えたら収穫のタイミング

葉が30cmを超えるようになったら収穫のタイミング。うまくいけば植え付けから60日位でこの位に育ってくれるはずです。

根本から2cmから5cmくらいのところで切って葉を収穫します。根本を少し残しておくのはそこから新しい茎が伸びてくれるからです。収穫した株の周りには追肥をしてあげて、次の生育の準備をしてください。

 

ネギの病気予防と害虫駆除

葉ネギに多い病気は葉が白黄色になり灰色のかびが付くべと病や葉にオレンジ色の斑点ができるさび病ですがどれも湿りすぎと肥料のやりすぎが原因です。病気になってしまった株は環境を補正してあげて、薬品などで早めに治療してあげてください。

また葉ネギにはアブラムシやネギアザミウマ、ネギハモグリバエなどの害虫が付くことがあります。株を良く観察して卵があったらすぐ取り除き、殺虫剤を散布して駆除しましょう

 

さて、ネギの中でも九条ネギを代表とする葉ネギは初心者でも栽培しやすい野菜です。ネギは生命力が強く、スーパーで売っている根がついた株の根本部分だけを切り取って植えてやることでも栽培できてしまいます。特に葉ネギは苗をプランターに植えた後は水やり以外に手間がほとんどなく、手軽に栽培できるネギです。

暑さにも寒さにも強い葉ネギですが、栽培にあたって注意しなければならないことはもちろんあります。今回お伝えした8つのポイントに気をつければ、初心者でも自宅で新鮮な葉ネギを楽しめるでしょう。ネギに限らず、野菜や果物は収穫するとどんどん鮮度が落ちてきます。

自宅で葉ネギを栽培して収穫した鮮度抜群の葉ネギはスーパーで買ってきたものとはぜんぜん違うことに驚かされるでしょう。収穫した株にまた芽が出て何度も収穫できることも葉ネギ栽培の魅力です。簡単に栽培できる葉ネギをぜひ育ててみてください。

まとめ

ネギを栽培する時に気を付けたいポイント

・ 苗の植え付けの時期に気を付けよう
・ ネギに適した土で育てよう
・ 肥料は元肥と収穫後の追肥だけにしよう
・ 苗を寄せて植えてあげよう
・ 水やりのコツで湿りすぎず乾燥しきらない環境にしよう
・ 倒れそうな株には土寄せしよう
・ 収穫は葉が30cmを超えた頃にしよう
・ 株を良く観察して病気と害虫対策しよう


連記事