サボテンの水やりと育て方に大切な5つのポイント


サボテンは水やりや追肥といった植物には欠かせないお世話を頻繁にしなくても良いので、働いていてなかなか植物のお世話に時間を割くことができない人や、植物のお世話が苦手な人におすすめしたいと言われる植物ですよね。

また、サボテンはコロンとした姿やユニークな形のものなど種類も豊富で、雑貨店などでも気軽に購入できるためインテリアとしても今とても人気があります。サボテンが咲かせる赤や黄色の可愛い花もサボテン人気の理由のひとつです。

サボテンの形や棘が様々にあるように、サボテンの花も多種多様。頭にひとつだけ大きな花を乗せたように咲かせるものもあれば、花かんむりのように輪のように小さな花を連ねて咲かせるものもあります。

見た目が可愛いためインテリアとしての需要が多いサボテンには、水やりが不要というイメージもあることから植物のお世話が苦手という人にも好評です。けれど本当はサボテンは水やりが必要であり、水やりにコツがいる植物。

そのため、サボテンの水やりについて調べないでサボテンを購入した人が「サボテンには水やりをしなくていい」といった間違った認識のままサボテンを育てていると、最初の半年は水やりをしなくても元気なサボテンに感動するかもしれませんが月日が経過するにつれサボテンの元気がなくなっていくのがわかります。

そのときに確かな水やりの知識がないと急なサボテンの不調に「何が原因かわからないまま枯れてしまった…」なんて悲しい結末になりかねません。せっかく気に入ったサボテンを手に入れたなら、正しい知識を得て長く育てていきたいですよね。そこで今回はサボテンの水やりと育て方に大切な5つのポイントについてお伝えします。

 

サボテンの水やりと育て方に

大切な5つのポイント

 

サボテンは水やりいらずではなくやりくり上手な植物

カラフルな容器に入れたキラキラした砂に植えられ、数日水やりをしなくても枯れたりしないサボテンはインテリアとしてとても優秀ではありますが、サボテンは置き物ではなく植物です。

サボテンの水やりを何ヶ月もしなくても枯れずにいるのはサボテン自身の根や地下茎が水を貯めておく機能に長けているからです。貯めておいた水分がなくなってしまうと、元気がなくなりやがて枯れてしまいます

また、サボテンが棘やとても細い毛のようなもので身を包んでいるのも水分が抜けていくのを抑えるため。サボテンの棘は動物に食べられないためにあるという理由が一般的です。

そしてサボテンの棘は蓄えている水分が蒸発しないために本来葉や葉をつける枝である部分が砂漠という厳しい環境に応じて進化したものとも言われています。このことから、サボテンは水を全く必要としないのではなく、少ない水分を上手にやりくりして生きている植物ということがわかります。

 

サボテンの正しい水やりのタイミングを見極める

サボテンを育てる初心者の人に多い失敗の2つが「毎日水をやって腐らせてしまう」「霧吹きを水やりがわりにして水分不足で枯らしてしまう」です。水分を蓄えられるサボテンに一般的な草花と同じように毎日水をたっぷり与えていると水分を蓄える部分が容量オーバーで与えられる水分を処理できず根から腐っていきます。

一方、霧吹きでの水やりがいけない理由はサボテンが水を蓄えるのは根っこ部分なので、霧吹きをしていても水を蓄えることができないために水分不足に陥ってしまい、結果水やりを全くしない時と同様に枯れてしまうからです。

そこでお伝えしたいサボテンの水やりのベストタイミングは「土の中まで乾いた時」です。どうやって土の中が乾いているか確認するのかというと、竹串を1本用意してサボテンを植えている鉢に突き刺すだけ。抜いた竹串が湿っていたらまだ水やりをしなくて良い証拠。

刺した感覚も抜いた感覚も軽く、竹串が湿らなければ水やりを行うタイミングです。サボテンの水やりは鉢の底から水がよく流れるぐらいたっぷり水を与えます。サボテンが成長する春と秋には2週間に1度、休眠期である夏と冬は月に1度、必ず確認して水やりをして下さい。

夏や冬のエアコンを節電モードにしている室内で育てているのなら水の量を少し減らしたり、断水しても構いません。その場合はサボテンの様子をしっかり観察して判断して下さい。乾いてから多少日にちが経っていてもすぐには枯れないので頻繁に確認しなくても大丈夫です。

 

サボテンの水やりのポイントを覚えよう

水やりをするのは晴れた日の朝方か夕方、寒くなった冬だけは十分に日が昇って気温が上がったお昼前ぐらいにします。暑い夏は鉢が熱くなってから水をやると水が鉢の熱に影響されて熱くなってしまい根や地下茎が傷んでしまうので、必ず涼しい時間に行います

サボテンの水やりには受け皿や鉢が浸かる容器に水を張って吸い上げさせるやり方と、一般的な水やりのように土の表面から水を与えるやり方がありますが、土の表面から与えるやり方が初心者には一番簡単で確実です

水やりをする時はサボテン自身に水をかけないように土にじょうろの口を近づけて静かに水を注ぎます。サボテンの茎や葉に水がかかると変色や腐敗、カビやダニの原因になるからです。

水やりはサボテンの水分補給の役割だけでなく鉢の中の空気の入れ換えをすることでもあるので、鉢の中に水を行き渡らせ、綺麗な空気を送ってあげるためにも鉢の底からしっかり水が流れ出てることが確認できるまで水を与えます。鉢の下に受け皿を置いている場合は鉢から流れ出て溜まった水は不要な水なので根を腐らせないためにも必ず捨てて下さい。

 

水のやりすぎのサインを見逃さないようにしよう

サボテンの水やりは慣れない間は難しく、正しい水やりの方法を覚えて実践していてもサボテンに異変が起きる場合があります。サボテンは多少の水分不足には耐えられますが、水分過多には弱い植物です。

身割れやその他の不調のきっかけになりますから、水のやり過ぎのサインも見逃さないように日頃から観察して健康な状態を把握しておいて下さい。サボテンが成長とは違った様子でパンパンに膨張していたり、ぶつけたわけでもないのにサボテンに小さな穴や傷が見られる時は身割れといってサボテンがパカっと割れてしまう前のサイン。

水分過多の他に日照不足や気温がサボテンに合っていないことも考えられますから、室内で育てているのであれば毎日の日に当てる時間を増やすだけでも回復できる場合があります。

逆にハリがなくなり、柔らかくなって黄色に変色してきた時も水の与えすぎであり、この症状は病気や根腐れの疑いもあります。早めに植え替えをすることで回避できる場合もありますが、まずは水を与えるのを控えます。

 

サボテンにも植え替えが必要

サボテンに水やりをしても、ウォータースペース(鉢の縁から土の表面の間の空間)からなかなか水が減らない与えた水が流れ出てこない場合は根詰まりといって、根っこがこれ以上成長できないほど伸びてしまっている状態になっている場合があります。

これでは与えた水をうまく排水できないため鉢の中に溜まった水がサボテンの根を腐らせてしまうので植え替えをしなくてはいけません。晴れた日にサボテンを鉢から外したら根を整えて乾燥させてから一回り大きな鉢に植え替えます

植え替えることでまた根を伸ばして成長させることができるので、水はけが悪くなってきたと感じたら植え替えを試みて下さい。春や秋の過ごしやすい季節の晴れた日であれば植え替えをスムーズに行うことができますから、根詰まりを起こす前に植え替えやすい季節に根詰まり対策として植え替えておくと安心です。

また、そもそもウォータースペースがない状態のサボテンや、水を通さないような固められた土に植えられているサボテン、鉢の底に穴が空いていないサボテンの場合は水やりが上手くできないものなのであらかじめ植え替えておきましょう

 

いかがでしたでしょうか。簡単な様で意外と難しいサボテンの水やりですが、1回2回の水やりの失敗で枯れてしまうほど弱くないのがサボテンの良いところです。水やり不要と思っていたのに必要だったと知ると面倒に思ってしまうかもしれまん。

ですが、月に1回だけのことなので「どう?元気?」なんて声をかけながら水やりをしているといずれ可愛い花を見せてくれます。身近にいても毎日の水やりが必要ないサボテンのお世話には大きな負担もなく気心の知れた友達のように5年、10年と長く付き合っていける植物。

1年に1度、少し面倒な植え替えをしなくてはいけませんが、ご愛嬌ということで頑張ってあげて下さい。こんなにざっくりとした付き合い方は他の草花ではなかなかできません。

サボテンの種類は多く、同じ種類のものでもちょっと形や曲がり方が違うだけで全然違った表情に見えます。気に入ったサボテンを見つけたら、サボテンの水やりも楽しみながら長く付き合っていって下さい。

まとめ

サボテンの水やりを覚えて長生きさせるためのポイントは

・サボテンの水やりのタイミングは「土の中まで乾いたら」
・休眠期には水を控え、場合によっては断水する
・水やりは朝か夕方の涼しい時間に
・サボテンに異変が起きたら断水しよう
・水やりが上手くいかなくなったら植え替えすること


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