ベランダ菜園初心者も安心して始められる5つのコツ


自宅でベランダ菜園にチャレンジしたくてもテレビや園芸雑誌では広いスペースでたくさんの野菜を育てているイメージが強いため、広いスペースがないと野菜は育てられないのではと感じやすいですよね。

しかし、プランターや鉢をひとつ置くスペースがあればベランダ菜園を始めることができます。ベランダ菜園だからといって育てることができる野菜がごく僅かに限られているわけでもなく、小松菜やほうれん草のような葉物野菜、人気のハーブやトマト・なすなどの夏野菜、プランターでは到底無理に思える大根や人参だって育てることができます。

庭で始める家庭菜園と同様に多くの野菜を育てることができるベランダ菜園ですが、美味しい野菜を育てたいならベランダ菜園ならではの狭いスペースを上手に利用するコツや野菜を育てる場合に覚えておいた方が良い知識を事前に知っておくことが大切です。そこで今回はベランダ菜園初心者も安心して始められるコツについてお伝えします。

ベランダ菜園を始める前に

植物を育てるのが全く初めてという人がベランダ菜園を始める時は行き当たりばったりではなく少し面倒でも色々なことを確認しながら確実に準備していくことが失敗しないためのポイントで、まず用意しなくてはいけないのがプランターや鉢などの容器です。

これらの容器はベランダに置いて邪魔にならない大きさのものを選ぶ必要があるだけでなく、基本的にひとつのプランターに一種類の野菜を植えるので、後にプランターを増やしたくなった時のことも考えてサイズ選びをした方が良いと言えます

このことから、ベランダ菜園に使える場所の広さを事前に測っておくとプランター選びで困りません。ベランダに置く容器が決まったら次に育てたい野菜や果物を選びます。キャベツやブロッコリー、根菜類は大きなプランターがないと育てるのが難しいので注意して下さい。

ベランダ菜園の初心者でも育てやすいのは小松菜やベビーリーフ、リーフレタスなどの種から育てる葉物野菜や、種を1袋買えば小さな葉物野菜を複数種類育てることができるサラダミックス、ハーブ類やミニトマト、ピーマンやなすなどの夏野菜。

トマトやピーマン、なすは支柱が必要なので、苗と同時に支柱も購入しておくと二度手間にならずに済みますよ。育てる植物が決まったら用意する土や肥料を選びで、共通して必要なのは鉢底石で、水はけを良くするために必要になるので必ず購入しておいて下さい。

花や野菜の土や万能肥料と呼ばれる多くの野菜の栽培に使える土や肥料でも構いませんが、ハーブやトマトなど専用の土や肥料が販売されているものは専用のもので育てる方が味が良くなったり収穫量が増えるメリットがあるので積極的に利用しましょう。

 

ベランダ菜園にぴったりのベビー野菜やミニ野菜とは

幅広のプランターを置くスペースがなかったり、ベランダ菜園でスペースを埋めたくないなどの理由で小さな鉢やプランターで育てたい場合は「ベビー野菜」や「ミニ野菜」といった種類の種を探してみて下さい。

ベビー野菜やミニ野菜は主に種の状態で売られていて、キャベツやかぼちゃ、スイカやメロンのような本来栽培に広いスペースが必要な野菜や、大根やごぼうのように縦に長い野菜も小さな鉢やプランターで育てることが可能。

どれも収穫できるのは片手から両手で包めるほどのサイズで、育て方も難しくありません。小さくても本来の味を楽しめますし、密植が可能なものが多いので、通常であれば1つのプランターで数個しか収穫できないものをたくさん収穫することができるメリットも。

植える野菜にベビー野菜やミニ野菜を選べば菜園のスペースを広く取れない家庭でもベランダ菜園を楽しむことができます。もちろん、ベビー野菜やミニ野菜を育てるのは小さなプランターでなければいけないということはないので、中型以上のプランターを用意できる人でも大きさよりも数多く収獲したい人に向いている品種と言えます。

 

日当たりの良い場所に置くための工夫をする

ベランダ菜園でよく挙げられる悩みが日当たりの問題。ベランダの柵の部分が一枚板になっていて日光が入りにくかったり、洗濯物で日陰になってしまって日光が足りないと育成不良の原因になってしまいます。

そこで、少しでも太陽の光を得られるようにプランターや鉢を台の上に置いて高さを上げたり、ベジトラグと呼ばれる脚付きのプランターで育てて日光不足を解消しましょう。

特に、ベジトラグはプランターがはしごのように2段や3段になっているものや、1つのプランターに仕切板が付いているものもあるので、省スペースで複数種類の野菜を育てたり、混植できないハーブをまとめて育てられるのでおすすめ。

狭いベランダでは動線をプランターや鉢植えで遮ってしまうと菜園のお世話が億劫になったり、洗濯を干すなどの日常的な動作の邪魔になってしまうので、作業台やベジトラグなどを利用してスペースを上手に使う事もベランダ菜園で大事なポイント。

また、室外機の上に鉢植えを置いている人が多いですが、重みによる天板の歪みや、水やりの際に流れ出た土が室外機の故障の原因になる場合があるので室外機の上を置き場として選ぶ事は極力避けて下さい。

 

コンパニオンプランツを知って複数の種類を育てる

ベランダ菜園ではスペースに限りがあるためたくさんの種類を育てられないと思っている人に知ってほしいのがコンパニオンプランツ。プランターの置き場所だけではなく植え方を工夫すればベランダ菜園でも複数の種類の野菜を育てる事が可能。

またコンパニオンプランツには病害虫を予防する効果や相互作用で野菜が美味しくなるメリットもあるのでぜひ試して下さい。今回はベランダ菜園で育てやすい野菜の組み合わせをお伝えします。

トマトやきゅうり、茄子と相性が良いのは一緒に植えることでお互いの害虫を減らしてくれるネギ類やアスパラガスで、スーパーで買ってきた小ねぎの根から4〜5cm切り取った部分を植えるだけでも大丈夫。

カブや小松菜、青梗菜などのアブラナ科の植物にはレタスや春菊のキク科の植物を植えて青虫やコナガなどの害虫を予防します。コンパニオンプランツは園芸店にいくと野菜苗のコーナーで紹介されていることも多いのでチェックしてみて下さい。

コンパニオンプランツにはトマトとバジルやキャベツとミントのようにハーブも効果的なのですが、ハーブに関しては繁殖力の強い種類もあり、他の野菜を圧迫して枯らせてしまう場合もあるのでベランダ菜園の初心者はコンパニオンプランツにハーブを選ぶのは避けた方が無難。

それでもハーブを一緒に育てたい場合は同じプランターに植えずにハーブを植えている鉢植えを近くに置くようにすればハーブが他の野菜に悪影響を及ぼす心配がないので失敗なく育てていくことが出来ますよ。

 

虫や鳥による被害からベランダ菜園を守るコツ

植物には虫が付き物で、受粉を助けてくれる益虫から、葉や実をただ食い荒らしてしまうだけの害虫までいろいろな虫が寄ってきます。洗濯物を干すベランダなら尚の事、虫の大量発生は避けたいところ。

害虫対策として防虫ネットやコンパニオンプランツを利用する他に、シソやミント、バジルなどの虫が苦手な植物を一鉢植えておくと虫が寄りにくくなります。虫が付いてしまって拭き取ったり水で洗い落とす方法が難しい場合はお酢や牛乳を薄めた水をスプレーする方法も有効。

口に入れる野菜に薬品を撒くのは抵抗がある人にはこれらの方法で害虫予防をして、それでも対処しきれない場合は天然成分で作られている無農薬の防虫・害虫駆除剤が売られていますので、大事な植物が根こそぎ食われてしまう前に思い切って利用して下さい。

また、気をつけなければいけないのは虫だけではなく鳥による被害。果物やトマトのように結実する野菜、マメ科の植物は鳥害に合いやすく、収穫寸前で全部鳥に食われてしまったという話は決して珍しい事ではありません。

鳥害から野菜や果物を守るには防虫ネットや鳥よけのテープを張って事前対策をすることが大切で、家の周りに鳥がいないから大丈夫と思っていてもベランダ菜園を始めてしばらくすると寄ってくることもあるので、防虫対策も兼ねて防虫ネットを用意しておけば安心です。

虫と鳥のどちらの場合もマンションのようにベランダが横に繋がっている場所では近隣に被害が広がる場合があります。事前対策をしておくだけで被害の発生率を下げることができますから、マンションの場合は予め防虫ネットを張っておくと不安要素を減らすことができます。

 

このようにベランダ菜園でも工夫次第で多くの野菜を育てられます。スペースに余裕があるのであれば中型以上のプランターを置いてひとつの種類の収穫量を上げるのも良いですし、小さな鉢をたくさん置いて少しずつ多くの種類の収穫を楽しむこともできます。

とはいえ植物のお世話に慣れないうちは管理が行き届くように育てる野菜の数は1、2種類に留めておいて、お世話に慣れて余裕が出てきたら1種類ずつ増やしていく方がベランダ菜園を成功させやすいです。

まずは育てやすい野菜から少しずつ試して理想のベランダ菜園を作っていって下さい。最後にベランダ菜園で植物の育て方以外の注意点として、マンションのように隣の家とベランダが近い場合で薬剤の散布が必要な時は近隣の家庭に迷惑にならないように気をつけましょう。

まとめ

ベランダ菜園を始める前に知っておきたいことは

・菜園に使えるスペースを測ってから容器を選ぶ
・省スペースで育てたい場合はベビー野菜やミニ野菜を選ぶ
・作業台やベジトラグを利用して日当たりの良い環境を作る
・コンパニオンプランツで害虫予防と種類の違う野菜の栽培を同時に行う
・虫や鳥による被害は事前対策で防ぐ


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