園芸を始める際に知っておきたい5つの基礎知識


園芸を始めたいと思うきっかけは人によってさまざまですよね。例えば、引っ越した先に庭があったので花いっぱいにできたら良いな、とか、自家製野菜を作っている知り合いに勧められてなど。

また、具体的にはバラを育ててみたい、イングリッシュガーデンも素敵・・・と、夢がどんどん広がります。それに、ベランダガーデンでも花や野菜ばかりか、ブルーベリーやミカンなどの果樹まで育てられるという話にも期待が高まるもの。

たとえ数は少なくても、自分で育てた花を切って部屋に飾ったり、採れたての野菜を食卓に乗せることができたら生活が豊かに感じられるはずです。でも、逆に情報がありすぎて何から始めればいいか迷ってしまうという人も多いでしょう。そこで今回は園芸を始める際に知っておきたい基礎知識についてお伝えします

 

園芸を始める際に

知っておきたい5つの基礎知識

 

庭があるから園芸に有利とは必ずしも言えない

もちろん、庭があることは園芸を始めるにあたって一歩リードしている状態ではあります。植物が根を張るスペースが広く、また、水分を貯めておくことで十分な酸素と水分が行き渡るので、根がしっかり育ち地上の部分も大きく丈夫に育ちます

でも、庭があってもその土の状態はどうでしょうか。硬くて石がごろごろしていたり、粘土っぽいようだとそのまま植物を植えてもうまく育ちません。建売住宅などでは掘り返した時に出た瓦礫が埋まっていることもよくありますが、そういう場合は土を入れ替える必要があります

特に家庭菜園を作りたい場合は、1m以上掘り返して新しい培養土と入れ替えなければ野菜は良く育たないのでけっこう大変。逆にプランターや鉢は、成長に応じて大きさを変える必要はあります。

しかし、動かしやすい分だけ日当たりによって場所を移動したりする調節可能です。デザインも豊富なので植物に合ったものを選べば、その場の雰囲気を一気に変えることができるのも容器栽培の魅力です。

 

初めてなら土にはお金をかけて

園芸を始める際にまず必要なものは、スコップとジョウロ。スコップは細身のものは小さめの鉢やプランターだと隅まで土を詰める時にこぼれにくいので便利でとても使いやすいため、おすすめです。

ジョウロは、ハス口(水の出る穴がいくつも空いている)のついているものだと一ケ所に水がたまりすぎませんが、ついていないものは少しずつ注ぐことで周りに水がかかることなく根元だけに水をあげられます。

容器を使う場合は花の苗は3号(直径9cm)ポットが基本なので同じ容器にどのくらい数を植えたいかで選んで下さい。野菜や果樹だと土の量は花の3倍~5倍は必要になります

土は何よりも重要なので、初めての場合はホームセンターに売っているメーカーの培養土を使用しましょう。培養土は、成長に必要な肥料分が配合されていて水はけと水持ちが良いので、植物が育つのに適しています。

 

植物の選び方の目安

初心者が育てやすい花と言えば、パンジー・ビオラ・ペチュニア・ニチニチソウなどですが、これらは品種改良が繰り返され、日本のどこの地域でも失敗が少なく育つように丈夫にできています。

暑さや寒さの影響もそれほど受けず、全国で公園や公共スペースで見かけることが多いのもそのためです。でも、園芸植物は、もともと日本に野生していたものと海外から入ってきたものがあります。

そして大雑把に言えば基本的に同じような性質を持っている「科」というグループによって、土・日当たり・水がどのくらいだと適切なのかが決まってきます。「ナス科の植物は同じ土地に繰り返し植えると生育が悪い」などは、代表的な例。

また温暖化によって日本でも熱帯の果物が良く育つようになったという話もあり、園芸を始める時、育てたい植物の原産地がどこで何科なのかを知っておくと、何と何を一緒に植えたら良いかの判断や世話の仕方を知る上でとても役にたちますよ。

 

苗から始めて大きくなってゆく過程を確認

子どもの頃、アサガオの種をまいたりチューリップの球根を植えた経験はあるでしょうか。経験のある人はおそらく、毎日観察して大きさを調べたり、葉っぱの数を数えたりしたことを覚えていると思います。

種や球根は一定期間、地上で何の反応も見られないので園芸を始めたばかりだと心配になってしまうかもしれません。種や球根は深く埋め過ぎても芽が出ないし、浅ければ小さい種だと水で流れてしまって、おかしな所に偏って芽が出てしまいつぶしてしまうこともあります。

そんなリスクを避けるため、初心者だったらまずは苗から始めるのがおすすめです。植えたい植物が決まったら土から出ている茎の部分がぐらぐらしていない、見た目ががっちりした苗を選び、それを植えてみて下さい。

1週間もすると、植物がその環境を喜んでいるかどうかがわかってきます。土を触り、できるだけ植物の状態を観察することで小さな変化に気がつくようになり、病気や虫を寄せ付けないよう手を早めに打つことができます。

 

朝が苦手な人に向いている園芸は

園芸を行う上で水やりは簡単そうで難しく、園芸書やサイトなどを読むと、真夏の水やりについて“暑い時間帯の水やりは避け、気温の高くなる早朝にやるのがベストです”と書いてあることが多いです。でも、朝1分でも長く寝ていたい人にとっては、これは実行するのが難しいですよね。

また、水は花や葉にかからないように、鉢底からあふれるくらいに、と水やりを加減する作業や虫がついていないかを確認する作業もそれなりに時間がかかるため、出勤を控えた人などにとってはこの時間も朝の支度に組み込んでおく必要があります

このように自分のライフスタイルの中でどのくらい時間を園芸に費やすことができるかによって、やりたい園芸とできる園芸とが違ってしまうことがあります。そうなると楽しいはずの園芸がストレスになりかねません。

もちろん、園芸を行うことによって朝早く起きるのが苦でなくなった・・・ということもあります。でも、朝の水やりや点検を行う時間が取れないのなら室内で観葉植物を育てたり、水やりの頻度が低くて済む多肉植物などを選べば、無理なく園芸を日常生活に取り込むことができます。そうやって、生活パターンが変わった時にまた新しく園芸計画を立てるようにすれば良いのです。

 

いかがでしたでしょうか。園芸を始める際に知っておきたい基礎知識についてお伝えしましたが、植物は動物と違って意思表示の遅いですので、育てる人がとった行動が正しかったのかどうかがわかるのに時間がかかります。

頻繁に観察しお手入れしているつもりでも、あっという間に虫が付いたり病気のような症状が出たり、蕾が咲かないでしおれてしまったりと、予想外のことが起きてしまうのは避けられません

その一方で、植えてあることを忘れてしまっていたような球根から翌年も芽が出たり、こぼれ種で思いがけない場所に花が咲いたり、しおれてしまってあきらめかけていた植物に新芽を見つけたり、といった思いがけない嬉しいサプライズがあるので、園芸がやめられなくなるのです

最近はコンビニにも種や土などが何もかもセットされた野菜栽培キットなどが売られていて、特に園芸売場に行かなくても気軽に園芸を始められる環境がありますし、春や秋以外にも一年中楽しめる植物もたくさんあります。園芸は、やりたいと思った時が始め時ですよ!

まとめ

初めて園芸を行う前に知っておきたい基礎知識

・庭に植えるのと容器栽培ではどちらにも長所と短所がある
・園芸メーカーの良質な培養土を選ぶ
・育てたい植物が何科かと原産地を調べておくと適切な対処がしやすい
・ある程度育った状態の苗で植物をよく観察することから始めよう
・園芸を長続きさせるにはライフスタイルに合わせ無理なく続ける


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