ムスカリは育て方が非常に簡単な初心者向きの球根植物で、手間をあまりかけなくても花を咲かせてくれるため人気ですが放ったらかしだと葉がだらんと伸びたり頼りない株になってしまいますよね。ムスカリを植えるなら綺麗な株に育つムスカリの球根の植え方や、ムスカリの栽培で失敗しないための知識などきちんとしたムスカリの育て方を知っておいて損はありません。
ムスカリは最初に購入した球根を大切に育てていけば毎年の成長を楽しむことが出来ますし、大きく育てた球根のわきに出来た小さな球根を育てて増やすことも可能ですから、翌年もムスカリを咲かせるための花後の球根の管理方法もばっちり覚えておきましょう。
1年目はムスカリの育て方を知らずにだらりとなったムスカリも、2年目からは育て方に注意すればスッキリした株にすることができますよ。また、ムスカリは土に植えるだけでなく水栽培も出来ますから、部屋で楽しめる水栽培のムスカリの育て方にも目を通してみて下さい。そこで今回はムスカリの育て方☆上手に咲かせるコツについてお伝えします。
ムスカリの植え方を知ろう
ムスカリは水栽培も可能ですが、やはり地植えか鉢植え、プランターなどの容器と土を使い日当たりの良い屋外で育てるのが一般的。鉢植えやプランターで使用する土は市販されている花と野菜の培養土で大丈夫ですが、地植えする場合は土に石灰を混ぜ込んでおいた水はけの良い土に植え付けます。
綺麗な花穂を付けるためには寒さに当てることと日当たりの良い場所に置いておくこと、それから植え付けの時期と植え付け方が大切で、ムスカリの育て方の中でも最も重視したい部分。ムスカリの育て方によく書かれている植え付け時期は9月から10月頃ですが、涼しくなった10月下旬から11月の間に植え付けた方が葉が短く花穂が良く目立つシャンとした株になります。
さて、ムスカリは背丈が15cmから20cm程度、極小品種だと10cm程度にしかならないものもあるほど背の低い植物ですから、見栄えが良くするため球根をいくつかまとめて植え付けます。球根の周りに付いた子球と呼ばれる小さな球根はそのままにしておくと子球に養分が取られて花穂が十分に育ちませんから、植え付け前に取り除いておいて。
取り外した子球は別の鉢植えなどで親球と同様に育てていくと2、3年後に花が咲きますからムスカリを増やしたい人はじっくり育ててみて下さい。それを踏まえて、直径15cmの5号鉢なら4〜7球までを中心に寄せて、花壇やプランターなら4〜5球まとめて植えるごとに5cm〜15cm程間隔を空けながら品種の大きさに応じてバランス良く並べる。
ムスカリの水やりと花持ちをよくするコツ
ムスカリは育て方を気にせず多少放置気味でも楽に越冬して花を咲かせるものの、多湿を嫌うので水やりは土の表面が白く乾いてから十分に与え、雨がたくさん降った後は土に水が溜まらないようにスコップなどで溝を作って排水してやります。
ムスカリは病気にかかりにくい植物ですが、水はけが悪いと株や土の周りに白い繊維のようなものが発生する白絹病という感染症にかかりやすくなり、感染してしまうと焼却処分するしかないので、水やりと排水には気を配っておきましょう。
花を咲かせる植物にとって水の次に欠かせないのが肥料ですが、ムスカリは元肥をきちんと撒いていれば、花が終わるまでは特別追肥をしなくても構いません。元々開花期間が長い花ですが、鉢植えやプランターで育てているなら開花してから半日陰に移動することで花の色が褪せにくく花持ちも良くなりますよ。
次の年も同じ球根でムスカリを咲かせるなら
ムスカリは多年草で1〜2年は植えたままでも翌年元気に花を咲かせてくれる強い植物ですが、翌年も確実に綺麗な花を咲かせるためには花を全て咲かせて養分を使い切る前に上の花が2、3輪残っているところで茎だけを付け根から刈り取り球根に養分を残しておくことが重要。
更に、花が咲いてから40〜60日の球根がよく育つ期間は、雑草をこまめに抜きながら水やりを続け、ひと月に2回は水やり代わりに液肥を与えて球根を太らせます。6〜7月になると葉が枯れて休眠期に入りますから、密植か寄せ植えをしている場合や植え付けてから3年目の植え替えが必要な球根は葉が枯れるのを待たず、葉が黄色くなった頃に葉ごと掘り上げて風通しの良い日陰で乾燥保存し、翌年は同じように子球を取り除いてから植え付けて下さい。
反対に、球根を鉢に植えたままにしておく場合は花を刈り取った後に一度根鉢を崩さずごっそり抜き取り、新しい土を入れた2周り大きな鉢にそのまま植え付けて葉が枯れるまで水やりと液肥を与えて管理し、葉が枯れたら水やりを中断して鉢ごと雨に当たらない日陰に置いておきます。
水栽培でムスカリを育てる時の注意点は
水栽培でのムスカリの育て方は土で育てる時より注意が必要でカビと根腐れに球根が侵されないように常に気を遣わなければいけません。ムスカリの水栽培は寒くなった10月中旬から11月中旬頃に始めますが、早めに購入した球根は時期が来るまで新聞紙に包んで冷蔵庫で保管しておきます。
栽培できる時期が来たら、根が伸びる深さがあり、小さいムスカリの球根が落ちたり水に浸からないような容器に、カビの原因になる茶色い皮を全て剥いて根が生える部分だけが水に浸かるようにセットしたら根が出るまでは暗い場所へ。
毎日水を換えながら管理し、根が伸びてきた後は球根に直接水が触れず根だけが水に浸かるよう水位を下げて日当たりの良い場所に置いて育てます。ムスカリは日当たりの悪い場所で育てると間延びした頼りない株になったり花付きが悪い株になるので、水栽培でも必ず日当たり良い場所で育てますが、明るい場所に置くと水が傷みやすくなるので、水換えをこまめにしたり根腐れ防止剤を使って根が傷まないようにしましょう。
また、風通しが悪かったり暖房の効いた暖かな部屋に置いているとカビやすいので涼しい場所に置き、良く晴れた日に換気するのも忘れずに。ムスカリの球根は肥料を与えなくても花を咲かせますが、水栽培用の液肥を加えると花付きや色が良くなりますよ。
水栽培のムスカリを翌年楽しむなら
水栽培で無事花を咲かせたムスカリも翌年の花を楽しみたいところですが、水栽培で育てた球根は土栽培のように翌年花を咲かせる程の栄養を蓄えることができないので、翌年もムスカリの水栽培をするなら新しい球根を購入しなくてはいけません。
ですが、花を咲かせた後の球根を土に植え付けて土で栽培したムスカリと同じ育て方で球根に栄養を戻していけば、水栽培に使った球根でも翌年以降に花を咲かせる可能性がありますから、水栽培に使った球根の花をもう一度咲かせたいなら花が終わったら早めに土に植えましょう。
このように、ムスカリは手がかからず害虫の心配も少ない手軽な植物ということがわかりました。ムスカリは寄せ植えに人気の植物ですが、まとめて植えたムスカリの鉢がひとつあるだけでも外観のイメージが明るくなりますから球根植物を育てたことがない人や細かい花の手入れが苦手な人はまずムスカリだけの栽培を試してみて、プランターや鉢植えでのムスカリの育て方を覚えたら翌年はハンギングや寄せ植えにもチャレンジしてみて下さい。
子球を育てていれば新しい球根を買わなくても3年目にはたくさんのムスカリを咲かせることだってできます。ただ、何年もムスカリの花を楽しむためには球根を十分に育てることが必要不可欠。花が咲いていない期間のお世話が翌年の花の美しさに繋がるのでお伝えしたムスカリの育て方のコツを覚えて、しっかり球根を太らせ、綺麗なムスカリを咲かせて下さいね。