サンダルウッドは、日本でも馴染みの深いアロマのひとつ。仏教と深い関わりを持ち、インドの寺院では薫香としても有名な樹木、「白檀(ビャクダン)」を原料とした、エッセンシャルオイルです。
「白檀」と言えば古くから木材として用いられていますよね。けれども最近では貴重な樹木となっています。一本伐採したら、一本植樹しなければならない、と言う規定も作られるようになりました。
このサンダルウッド、瞑想などの心理的作用だけではなく、膀胱炎やのどの痛みにも効果を発揮するのです。膀胱炎を改善するなら、ティーツリーやオレガノ、うがい薬として使用するならカユプテなどとブレンドする方法も。
今回はそんな、サンダルウッドがアジアで広く愛されてきた理由と、その意外な効能を、注意点とともにお伝えします。
サンダルウッドで瞑想☆
心も体も穏やかにする7つの効能
日本と関わりの深い、サンダルウッド
サンダルウッドは仏教とは切っても切り離せない大切な香りで、瞑想や儀式では広く使われています。
【 サンダルウッドと日本 】
★ 「白檀(ビャクダン)」の名前で知られるサンダルウッド。日本ではその樹木が家具の木材としても多く用いられてきました。
・ そのため、日本人にとってはサンダルウッドの香りを嗅ぐと、「寺院」をイメージする人々が多いのです。
日本の「香道」でも基本の香りのひとつ。昔から広く愛されて来た香りです。
サンダルウッドで緊張をほぐす
サンダルウッドが仏教と深い関わりがある理由のひとつに、鎮静作用の効能があります。
【 緊張して意識が高ぶっている時 】
★ そのため、サンダルウッドは興奮状態の神経を落ち着かせる作用があります。
・ 神経が高ぶって眠れない不眠症や、イライラ、パニック症状にも効果を発揮します。例えば、受験やプレゼンなどで緊張している時に、使ってください。
ティッシュなどに1、2滴のサンダルウッドを振りかけて、嗅ぐことで良いリラックス効果をもたらすことがあります。神経系に効くため、頭痛などの痛みにもサンダルウッドを使用すると、楽になるかもしれません。
サンダルウッドで瞑想
サンダルウッドは寺院などで瞑想状態に入るための、「ガイド」としても用いられています。日本の寺院はもちろん、インドなどでもサンダルウッドを瞑想時に用いています。
【 瞑想時に、サンダルウッド 】
★ サンダルウッドは仏教の世界では、「高次の意識」に通じる香りとして用いられています。
・ 人間の持つ俗的な意識を取り除いてくれるのが、サンダルウッドなのです。
仏教の教えに基づいているため、サンダルウッドの香りの瞑想効果は、仏教的に言えば「俗的な未来への欲望を取り除き、“今ここ”にいることが出来る香り」と言えます。
サンダルウッドの心身への効能
このように心理的作用が注目されるサンダルウッドですが、アロマテラピーの世界では、心身への効能も多く活用されています。最も知られているのが消炎効果です。
【 サンダルウッドの消炎効果 】
★ そのため炎症系の不調に、多く用いられます。
・ 例えば咳や痰、のどの痛みの他、特に泌尿器系の炎症や感染症に作用するため、膀胱炎に効果を発揮します。
サンダルウッドの肌への効能
サンダルウッドは肌をモチモチと柔らかくする効能があり、水分を保つ効果に優れています。前項でもお伝えした鎮静効果が炎症に効くため、肌あれにも役立ちます。
【 サンダルウッドのスキンケア効果 】
★ サンダルウッドは保湿力(水分を調整する力)があるため、特に乾燥肌で悩む人々におすすめです。
・ 化粧水に数滴垂らして混ぜて使用したり、アロマバスとして利用しても、蒸気で肌の奥まで浸透します。
スキンケアにスチームを楽しむなら、アロマバスの他にも、洗面器にお湯を張って、数滴垂らす方法も便利です。顔を蒸気に当てる際、頭からタオルを被ってサウナ状態にすると、より効果的です。
サンダルウッドと相性の良い精油
サンダルウッドは樹木系のエッセンシャルオイルで、樹木系特有の濃厚でありながら落ち着いた、幽玄さを醸し出す甘い香りが特徴的です。同じ樹木系ではローズウッドなどが相性が良いです。
【 サンダルウッドと相性の良い精油 】
★ サンダルウッドで安眠効果を計るなら、ラベンダーがおすすめ。
・ 樹脂系のエッセンシャルオイルで、キリスト教とゆかりの深い、フランキンセンスとも相性の良い組み合わせです。
・ オリエンタルな香りはいずれも相性の良い傾向があります。イランイランなどが一例です。
サンダルウッドを使用する注意点
このようにサンダルウッドは心理的作用に深く影響しますが、鎮静効果が成せる技であり、気分を高揚させるタイプのエッセンシャルオイルではありません。
★ うつ症状の時にサンダルウッドを使うと、逆効果になることもあります。
うつ症状を改善したい場合には、さわやかな「ゼラニウム」や、甘い香りで不安を取り除く「イランイラン」、もしくは爽やかな柑橘系の「スイートオレンジ」や「グレープフルーツ」などがおすすめです。
いかがでしたでしょうか。日本でも馴染みの深いサンダルウッドは、日本人にとって懐かしい香りでもあり、寺院のイメージが香りからスッと浮かぶため、それだけで荘厳な気持ちにもなります。
本文でもお伝えしたように、同じく宗教と関わりの深いフランキンセンスは、サンダルウッドが仏教の儀式に使われることに対して、キリスト教の儀式に多く使われてきました。
このふたつの香りとも相性が良く、心を落ち着かせ深く瞑想に入る導きを促してくれるはず。日々の瞑想を習慣としている人々は、ぜひ、試してみてください。
ただしこのサンダルウッドは、香りが強いために、服などにつくとなかなか取れません。注意をしながら、本記事を参考にしてサンダルウッドを賢く、日々の暮らしに取り入れてください!
まとめ
サンダルウッドの効能とは
・仏教の儀式や瞑想に使われてきたサンダルウッド
・神経系の興奮が見られる時に、落ち着かせる
・仏教では「高次の意識」に繋げる力がある
・サンダルウッドの消炎効果が、炎症系に効く
・保湿効果が高いため、乾燥肌のケアにおすすめ
・樹脂系やオリエンタル系はブレンドの相性が良い
・うつ症状を自覚したら、サンダルウッドは控える