ブロッコリー栽培する時に気を付けたい5つのポイント


ブロッコリー栽培は家庭菜園でも人気で、一株植えておけば新鮮な甘くて柔らかいブロッコリーが収穫できます。ブロッコリーは日持ちしない野菜なので、その日の献立に使用しない限りは購入をためらってしまいますが、いつでも新鮮な状態のブロッコリーが収穫できるなら栄養価も高いので積極的に使いたい野菜ですよね。

ブロッコリーの農家さんは大きくて見た目も良いブロッコリーを育てるために一株にひとつの蕾しか収獲しませんが、家庭菜園ではひとつだけを大きくしないで食べれるサイズになった時点で収穫すれば、わき芽から新しいブロッコリーの蕾が育ち、2回目以降の収穫では一度に複数個収穫することができます

ブロッコリーを収穫した後のわき芽から育つブロッコリーはひとつひとつの大きさは小さくなるものの、時期が終わるまで何度も収穫することができるので収穫の楽しみもありますし、売り物に比べ見た目は劣りますが切る手間入らずの大きさのものを収穫するため調理も時短が見込めます

ブロッコリー栽培はいくつかの注意点さえ押さえておけば初心者でも十分楽しめるので園芸店で種や苗を手に入れるところからはじめてみて下さい。そこで今回はブロッコリー栽培する時に気を付けたい5つのポイントをお伝えします

 

ブロッコリー栽培する時に

気を付けたい5つのポイント

 

品種の特徴を確認してから購入しよう

ブロッコリー栽培を始める前に育てる時期に合った品種選びが必要です。ブロッコリー栽培の開始時期は、種から始めるなら2月下旬から3月中旬の間か7月中旬から9月上旬の間、苗から始めるなら3月中旬から4月中旬と8月下旬から9月中旬の間です。

ブロッコリーは害虫がつきやすい野菜なので害虫被害の少ない夏から栽培をスタートする方が成功率は上がります。種から育てた場合、ブロッコリースプラウトと呼ばれる食べられる新芽も楽しめます。

根張りが良いブロッコリーは栽培にスペースを必要とするため、広い地植えスペースや大型プランターを複数用意できる場合やブロッコリースプラウトも食べてみたい人は種からチャレンジする価値がありますが、そうでない場合は大型プランターでも2株が限度なので苗から育てるのがおすすめです

ある程度育っている状態から始めるので間引きの手間や苗の状態まで育てる時間も短縮できます。苗から育てる場合は最初の苗選びが大切です。間延びしていない茎の太い苗を選び、虫食いや変色などの異常が見られるものは避けること。

また、種でも苗でも購入前に品種の説明書きを確認することが大事です。ブロッコリーには早生〜晩生種、耐暑性のある春作に向いた種類、耐寒性のある冬作に向いた種類、病気への耐性がある種類など品種によって特徴が違うので品種説明をよく読んでから購入して下さい。

 

害虫予防は苗の頃から徹底的に

ブロッコリー栽培に使用するプランターは中型以上のできるだけ大きめのものが向いています。プランターでは2株栽培可能で、プランターが大きく深いほどよく育ちます。10号以上で深さのある鉢なら1株だけになりますが育てることが可能です。連鎖障害を避けるためにも新しい土を用意して下さい

用土は水はけの良い弱酸性から中性のものが適していますが市販されている野菜の土でも構いません。水はけを良くするために鉢底がみえなくなるまで底石をきっちり敷いてから用土を入れます。この時用土が元肥入りのものでない場合は野菜用の肥料を加えておきます

種から育てる場合はポリポットに4〜5粒種を蒔いて薄く土を被せます。夏蒔きの場合は寒冷紗やよしずで日除けをした場所で管理するようにして下さい。種を蒔いてからは発芽まで土が乾かないように水やりをします。

発芽したら混み合った部分の芽や弱い芽は間引き、本葉が2〜3枚の頃と4〜5枚の頃に再び間引きして最終的には本葉が5〜6枚になるように育てます。春蒔きの場合は本葉が7枚になるまで育てると良いです

間引いた芽はブロッコリースプラウトとして食べられるのでせっかくですからその日の夕食で楽しんで下さい。植え付け可能な苗が用意できたら天気が良く風の少ない日に植え付けます。ブロッコリー栽培に適した場所は日当たりが良く風通しの良い所です

植え付け後はプランターや鉢の移動が難しくなるので、予め日当たりを確認して置き場を決めてから植え付け作業をしましょう。育った葉が重なり合うと病気にかかりやすいので40〜50cmを目安にしっかり間隔をあけて、深植えしないように植えて下さい

植え付け作業のついでに、苗が根が張り安定するまで支柱を立てておくと風で倒れる心配がありません。同時に防虫ネットや寒冷紗を張ることで害虫被害を激減させることができます

幼苗の柔らかい葉を狙って害虫が寄ってくるので、防虫ネットや寒冷紗は植え付けたその日に取り付けるのが害虫予防のポイントです。ネットを張った後でもこまめに葉の裏や茎などを観察して害虫がいないか確認しておかないと一晩のうちに株が食い尽くされてしまったなんてことになりかねないので日頃から注意して見ておいて下さい。

ブロッコリー栽培している間は可愛らしい蝶々も姿が見えたら警戒しなくてはいけません。モンシロチョウがよく飛ぶ季節だと、葉の裏に小さな卵が産み付けられていることがあるからです。

1mm程度の大きさで、害虫と違って動きがないため見つけにくいですが、蝶々がよく飛んでいるなと感じたら葉裏もしっかりチェックして、卵を見つけたら孵化する前に取り除きます

 

ブロッコリーの根腐れと病気を防ぐために

ブロッコリーは過湿を嫌う野菜です。ブロッコリー栽培では害虫の他にも湿度や水やりに注意が必要です。根腐れや軟腐病・腐敗病といった過湿による病気で株が死んでしまうことも少なくありません。

大きなプランターや深い鉢になるほど水が抜けにくいので排水性の高い粒の大きい用土を選ぶこと、植え付け時に底石をきちんと敷くことである程度根腐れしにくい環境を作ることができますが、普段の水やりにも気をつけなければいけません。

水やりは毎日与えるのではなく、土の表面が乾いてから与えます。夏場は土が良く乾くので毎日水やりすることになりますが、涼しい季節に入ったら土の表面に湿り気がないことを触って確認してから水やりをして下さい。植え付けから日が経つと下葉が枯れ落ちて、放置しておくと腐って病気の元になるので必ず取り除きます

 

質を良くするための追肥のポイントを知る

ブロッコリー栽培を成功させるには外葉を大きく育てることがポイントになります。ブロッコリーは葉が大きく育つと質の良いものが収穫できるので追肥を必ず行います。植え付け後2〜3週間したら化成肥料を与えます。

窒素が多い肥料を与えるとしっかりした株が育たないので与える肥料の種類はリン酸が多いものを選んで下さい。肥料は目安量を守り土とよく混ぜて株元に寄せ、株がぐらつかないように少し固めておきます。

1回目以降の追肥は3週間おきに与え、主枝の頂点に頂花蕾と呼ばれる蕾ができたら追肥は一旦ストップします。頂花蕾を収獲した後にできる側枝花蕾も収穫するなら頂花蕾収穫後に追肥をします。追肥忘れはブロッコリーの蕾が大きくならない原因になりますので月に1度の肥料を忘れないようにして下さい

 

収穫時期を見逃さないために

頂花蕾が10cm〜15cm程の大きさになって、小さな蕾のひとつひとつが米粒のようにふっくらしたらいよいよ収穫です。このタイミングを逃すと花が咲いてしまい味が落ちるので見逃さないように、ちょうど良い大きさになってきたころからは花になる小さな蕾もよく観察して下さい

収穫時は包丁で切り取りますが、切り口を真横にすると水が溜まって腐りやすくなるので太陽の方向に向けて斜めに切り落とします。側枝花蕾をたくさん収穫するためには頂花蕾を収穫する時の茎は主枝のわき芽を残すように短めに切り落として下さい。

頂花蕾を収獲した後にわき芽が育ち、側枝花蕾として収穫ができるようになります。側枝花蕾は頂花蕾よりも収穫サイズが小さくなるので、収穫のタイミングを見逃さないように500円玉ぐらいの大きさを目安に手や鋏で収獲します。

小さくても良いのであれば頂花蕾を2つ収穫できる方法があります。本葉が4〜5枚の時に摘芯することでわき芽が2本伸びていくので頂花蕾が2つ成ります。養分が分散されるので頂花蕾を1つだけ収穫する時よりも小さくなりますが、収穫後の側枝花蕾もできるので数多く収獲したい人はこの方法を試して下さい

 

いかがでしたでしょうか。ブロッコリー栽培は側枝花蕾も収穫するのであれば日数をかけて少しずつ収穫できるので余らせる心配がない上、長期間に渡り意外とたくさん収穫できるので損することはありません

添え野菜やサラダとしてお子さんのいる家庭なら子どもの手にちょうど良い大きさなので、お子さんと一緒に収穫した後、ざっと茹でてマヨネーズを少し添えてあげるだけでお子さんも喜ぶ健康的なおやつが楽しめます

あまり日持ちがしないことから常備しにくいブロッコリーですが、家庭菜園なら花が咲くまではプランターにキープしておけるので新鮮な状態のものを料理に使うことができますよ。今回お伝えしました育て方を参考にしながら、害虫と過湿には特に注意しておいしいブロッコリーを育てて下さい。

まとめ

ブロッコリー栽培で注意するべきポイントとは

・2株以上植える場合は株間を十分に空けること
・害虫だけでなく害虫の卵にも注意する
・排水性の高い土と底石を敷いて水はけの良い環境を作る
・肥料はリン酸が多いものを月一回忘れず与える
・収穫のタイミングを見逃さないように花が咲く前に収穫する


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