香りは不思議なものです。イヤな香りはあっという間に人々の心を不快にさせ、不安や緊張、時には身の危険さえも感じるほどです。
それに対して心地の良い香りは、すぐに人々の心を明るくしてくれます。気分転換やリラックス・リフレッシュなどをもたらし、穏やかな思いや温かい思いが心の奥底から湧いてきます。
そこで今回は、アロマテラピーに用いる精油(エッセンシャルオイル)のうち、入手しやすく普段使いにもぴったりの香りのアロマをお伝えします。どれも心を明るくしてくれる上に様々な使い方ができるので、自然とお家全体が幸せな香りに包まれます。
家族の誰か一人でも、アロマへの知識があり暮らしに取り入れることで、家族全員にその恩恵があります。ぜひアロマがもたらしてくれる効果を、あなたの生活に取り入れてみてください。
アロマの暮らしで朗らかに☆
幸せ溢れる家にする香り
疲れた心に気分転換を促すアロマ
【 オレンジスイートのアロマ 】
オレンジの果実そのものの甘くフレッシュな香りがします。心が疲れている時や、暗い気持ちが続く時の気分転換にぴったりで、心を明るく前向きにしてくれます。
ディフューザーなどを使ってお部屋全体を香らせてもいいです。
【 オレンジスイートのアロマの効能】
・ 消化不良
・ 食欲不振
・ 便秘
などなど。特に消化器系のトラブルに効果を発揮します。
【 オレンジスイートの活用法 】
☆ アロマバス
① 天然塩やはちみつを用意します。
② 精油を3~5滴落とします。
③ これをバスタブのお湯に入れてください。
④ よくかき混ぜてから入浴します。
☆ マッサージオイル
① ホホバ油などの植物25mlを準備する。
② 精油1~5滴落とします。
③ よく混ぜ合わせます。
このようなオイルを付けた手で、腹部をやさしくマッサージする方法もあります。ただし精油を高濃度で使用すると皮膚刺激が起こることがあるので、敏感肌の方は注意が必要です。
また、この精油には抗菌作用と油を落とす力があります。
【 オレンジスイートアロマの「ナチュラルクリーニング」 】
・ 重曹100gに対して精油20滴を落として作る「重曹クレンザー」
様々な汚れ落としに使える上、香りも良いのでおすすめです。
幸福感を促し、心を統合するアロマ
サンダルウッド(白檀)の精油のアロマを嗅ぐと「お寺の香りみたいだな」と思う方も多いのではないでしょうか。原材料の白檀は古くからお香としても使われており、その精油には穏やかな鎮静作用で心を深く鎮める働きがあります。
【 サンダルウッドのアロマ 】
幸福感をもたらし、肉体・精神・心を統合する効果もあると言われます。心持ちがグラグラと揺れていて「地に足をつけたい」と思うときにはピッタリの香りと言えるでしょう。
【 サンダルウッドの利用法 】
・ アロマランプ
・ アロマディフューザーなどでお部屋全体を香らせて芳香浴。
尚、今すぐ落ち着きたい!と思うときにも、サンダルウッドのアロマは役立ちます。ティッシュに精油を1滴落として香りを嗅いでみてください。
☆ サンダルウッドアロマの効能
・ 体液の循環を促進する効果
・ 抗菌
・ 抗ウイルス作用
・ 咳を鎮める作用
などなど、風邪などの不調にも効果があります。
風邪をひいた時、呼吸器系の不調の時には、洗面器に熱湯を入れて精油を1~3滴落とし、立ち上ぼる蒸気を静かに吸入すると、苦痛を和らげてくれます。
緊張やイライラを取り除くアロマ
【 ベルガモットの精油 】
紅茶の「アールグレイ」の香りづけにも使われる、ややフローラルな趣のある、甘くフルーティーな香りです。
【 ベルガモットアロマの効能 】
・ 緊張
・ イライラ
・ フラストレーションなどなどの興奮を拭い去ります。
このように、ベルガモットのアロマは、心を穏やかでバランスの良い状態に戻してくれる効果があり、抗鬱作用に大変優れています。
☆ 身体に対してのベルガモットアロマの効能
・ 消化器系の働きを強めてくれる働きがあります。
特に精神的にストレスがかかった時に起こる下痢や便秘、そして食欲不振や過食傾向になっている時には特に有効です。
【 ベルガモットアロマの効果的な使い方 】
・「湿布」
洗面器に熱湯を入れて精油を1~3滴落とし、タオルを浸して絞ったものを腹部に当てて温める「湿布」方法がおすすめです。
なお、ベルガモットはほとんどの精油と相性が良いアロマです。ブレンドするとアロマを明るくしてくれるので、ぜひ様々な精油と合わせて香りをお楽しみください。
アロマテラピーのはじめの一本。の万能アロマ
【 ラベンダーの精油 】
「はじめの一本」としては最適の精油です。ウッディ―で軽く甘さのある、爽やかなアロマには憂鬱な気分を前向きにして心地よくさせたり、落ち着きのなさやイライラを鎮めてくれるなどの効果があります。
【 ラベンダーアロマの効能 】
・ 優れた鎮静作用
・ 鎮痛作用
・ 抗菌作用
・ 抗ウイルス作用
・ 抗真菌作用などなど。
このようなラベンダーアロマの効能のため、頭痛や胃痛、月経痛などあらゆる痛みを和らげます。その他抗菌作用・抗ウイルス作用・抗真菌作用があるので、風邪が流行する季節にはディフューザーで香りをお部屋に広げておくと、感染予防に役立ちます。
そして通常、精油は希釈して使うものです。けれどもラベンダーのアロマは原液のまま用いる利用方法があります。
【 ラベンダーアロマの原液の効能 】
☆ 傷を残りにくくする効果
やけどや虫刺されなどの痛みやかゆみを抑えて、痕を残りにくくする効果があります。
☆ ラベンダーアロマで、傷を残りにくくする方法
綿棒に精油を1~3滴分浸み込ませ、患部にそっと塗って使いましょう。
ちなみに、ブレンドした精油の香りがどうもまとまらない…という時にラベンダーの精油を1滴落とすと、全体の香りをまとめて、他の精油の効果を高めてくれます。
これからアロマテラピーを始めようとしている方には、特におすすめの精油です。
ごちゃごちゃした頭をクリアにしてくれるアロマ
【 ローズマリーの精油 】
クリアで樟脳のようなフレッシュなアロマです。最近ではこのローズマリーとレモンの精油のブレンドが、認知症の予防になるとして話題になりました。
実際に、ローズマリーの香りは脳の血流を増やして記憶力や集中力を高めてくれる働きがあります。
【 ローズマリーアロマの効能 】
・ 無気力な時や注意力散漫になっている時
・ 不安や緊張が高まっている時
などの時に使うと気持ちを引き締め、リフレッシュさせてくれます。そのため、朝起きて「どうも眠気が覚めずに、身体がだるい。」というときにおすすめ。この香りを嗅ぐと、一瞬で心身をシャキッとさせてくれます。
☆ 朝に弱い方には特におすすめの精油です。
【 ローズマリーアロマの活用法 】
~ 筋肉疲労にも有効です。 ~
① 洗面器にお湯を入れます。
② 精油を1~3滴落としてください。
③ かき混ぜてから両手をつけます。これを、「手浴」と言います。
この「手浴」は、じんわりと腕のだるさや肩こりをほぐしてくれます。ただし、作用がとても強い精油ですので、くれぐれも使いすぎないように気をつけてください。
暮らしに役立つ、家族を幸せにする香り、いかがでしたでしょうか。このように、精油は人間の心身に様々な良い効果をもたらします。
もちろんアロマを利用する際には、いくつかの注意点があります。精油の原液が手についたら、すぐに流水で洗う他、お湯やオイルなどに落として使うときには使いすぎないように気をつけることもそうです。
また、お子さまがいる家庭では、子どもの手の届くところに、精油のびんを置かないなどの様々な注意事項はあります。それらをクリアすれば、様々な生活の場面で役立ってくれます。
私たちの暮らしは便利になりましたが、人間関係からくるストレス、環境からくるストレスなど、人々は常に何らかのストレスにさらされています。それが昂じてしまうと病気にもなりかねません。
そんな時代だからこそ、心身の健康を後押ししてくれるアロマテラピーに注目が集まっています。心身とも健康なら、毎日がもっと幸せなものになります。ぜひアロマの持つ力をお役立てくださいね。
まとめ
アロマを生活に取り入れて、家族を幸せにする方法
・前向きな気持ちを与えてくれる「オレンジスイート」の香り
・精神を安定させ幸福感を与えてくれる「サンダルウッド」の香り
・緊張やイライラから解き放ってくれる「ベルガモット」の香り
・心も身体も助けてくれる万能の精油「ラベンダー」の香り
・記憶力や集中力を高めてくれる「ローズマリー」の香り